8月10日は発炎筒の日! クルマの事故やトラブル時に心強い発炎筒についておさらい

8月10日は発炎筒の日です。日本国内を走るクルマには必ず備え付けられている発炎筒はクルマの事故やトラブルのときに大いに役立ちます。発炎筒の役目や使い方、処分方法、近年普及しつつあるLED非常信号灯について改めておさらいします。

事故やトラブル発生時に後続車に緊急事態であると知らせる

発炎筒の正式名称は「自動車用緊急保安炎筒」。日本国内を走るクルマには必ず装着するよう「道路運送車両法保安基準第四十三条の二」により義務づけられています。

(非常信号用具)
第四十三条の二 自動車には、非常時に灯光を発することにより他の交通に警告することができ、かつ、安全な運行を妨げないものとして、灯光の色、明るさ、備付け場所等に関して告示で定める基準に適合する非常信号用具を備えなければならない。ただし、二輪自動車、側車付二輪自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車及び被牽引自動車にあっては、この限りでない。

※道路運送車両法保安基準第四十三条の二(2003年9月26日現在)より引用(原文ママ)

装着が義務付けされた当初は、線路からの脱輪などの踏切事故防止のためでしたが、今は道路全般において事故防止のために使用されています。

例えば、高速道路でパンクや燃料切れでやむなく緊急停止しなければならないとき、カーブなど見通しの悪い場所で故障してしまったとき、気象状況がよくない状況下でクルマを停止しなければならなくなったときなどです。

そのような事態が起きたら、後ろから走ってくるクルマに対して自分のクルマの存在を発炎筒の鮮やかな赤い光や煙で知らせて、追突などの事故を防ぎます。

発炎筒は昼間なら600m、夜間であれば2km離れたところからでも確認することができ、およそ5分以上燃焼し続けます。また、激しい雨の中でも燃焼します。ですから、遠くから走行して来るクルマからも何か異変が起きていると認知することができるのです。

どう使う? 正しい発炎筒の使用方法

発炎筒は緊急時に後続車にクルマが停止していることを伝えて、追突などの事故を防ぐのが目的なので、正しい手順で使用することにより安全を確保することができます。

まずは、クルマをできるだけ路肩に寄せて停車し、ハザードランプをつけます。そして発炎筒を用意し、路肩側のドアから外に出ます。クルマの後ろ側に移動したら発炎筒をつけます。着火の方法はマッチのつけ方と同じです。発炎筒本体のキャップをはずすと擦り板が付属されています。発炎筒のマッチ部分をこの擦り板にこすって着火し地面に置きます。

その後は停止表示板を準備し、発炎筒とクルマの間に素早く設置します。発炎筒、停止表示板はクルマから50m以上離れたところに置いてください。設置が完了したらガードレールの外など安全な場所に避難します。後方からのクルマに追突されるリスクを考えて決して車内で待機してはいけません。

また、クルマからの燃料漏れがある場合は引火の危険があるので発炎筒の使用はやめましょう。トンネル内も煙で視界が悪くなってしまうため、使用してはいけません。

  • マッチのようにこすって着火する

基本の着火方法は説明の通りですが、それぞれの発炎筒により若干の違いがありますので、自分のクルマに積んである発炎筒を確認しておくと、いざというときにも慌てずに行動できるでしょう。

発炎筒にも有効期限が! 確認しておくとより安心

発炎筒は日本工業規格(JIS)により有効期限が4年間と決められています。それを過ぎたものは湿気を含むなど劣化して着火しない、あるいは着火したとしても途中で消えてしまうなど、緊急時には困ったことになります。定期的に確認して交換しましょう。

発炎筒はカー用品店やホームセンターなどで購入できますので、保安用品コーナーを探してみて下さい。車検時に発炎筒についても検査、交換してくれることもあるので、その際に確認しておくとよいでしょう。

交換後の発炎筒は、基本的には自動車修理・車検工場、カーディーラーなどの事業者からの回収・廃棄という流れになります。もし、個人で処分をしなければならない場合は、各自治体に問い合わせし、指示に従いましょう。自治体での処分が難しいときは日本保安炎筒工業会まで連絡してみてください。

点火しない非常信号用具「LED非常信号灯」とは?

近頃、増えてきているのがLED非常信号灯です。国土交通省の保安基準適合品であれば車検対応しているため、車検時の発炎筒の交換の際にこちらのタイプにしたというケースもあるのではないでしょうか。

構造としては懐中電灯などと同様の乾電池式、赤色LEDが点滅し、夜間で200m先から確認することができます。使用方法はスイッチを入れてクルマの後方に置きます。マグネットが備わっているものもありますので、クルマのボディに固定することも可能です。

  • クルマの屋根にマグネットで固定できるものも

連続使用時間は最長で約8時間(新品アルカリ乾電池使用時)と長く、火をつけるのではなく発光するものですので、トンネル内など煙が出る発炎筒が使用できない場所でも使えます。

また、マッチをすって火をつけた経験のない人でも簡単に点灯することができ、使用期限はありませんので電池交換さえきちんとしていれば半永久的に使えるのがメリットといえるでしょう。

一方、光を確認できる距離が短いということ、電池残量の確認を怠ると必要なときに使用できないといったデメリットもあります。いざという時に電池切れということがないよう、日頃の点検時に点滅するかのチェックを行うとよいとのことです。

それぞれの良さを生かして緊急時の備えはしっかりと

発炎筒とLED非常信号灯には、後方からの見え方や使用期限の有無、操作性などそれぞれに特徴があります。万が一に備えて両方を装備しておくのもよいかもしれません。いずれにしても、普段からの点検や使い方の確認を心がけ、緊急時には身を守るため正しい手順で使用できるように備えておきたいものです。

<取材協力>
日本保安炎筒工業会
エーモン工業株式会社

(取材・文:わたなべひろみ/写真:日本保安炎筒工業会・エーモン工業株式会社/編集:奥村みよ+ノオト)

[ガズー編集部]

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