日本で買えない日本車もたくさん! 「バンコクモーターショー2022」のおもしろさ
東南アジア最大の自動車生産量から「東南アジアのデトロイト」を自称する国、タイ。そんなタイの首都バンコクで「バンコクモーターショー2022」が開催されました。
今年は約17万㎡(東京ドーム0.4個分ほど)の会場に23もの4輪自動車ブランドと8つのバイクブランドが出展し、3月23日から4月3日にかけて開催。コロナ禍にもかかわらず、前回の東京モーターショーよりも多い約160万人の来場者を集めたと聞けば、その規模感が理解できるかもしれませんね。
コロナ禍でも開催。コロナ前と変わったところは?
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、日本では2021年の東京モーターショーが中止されました。しかし、バンコクモーターショーは、なんと休むことなく毎年、開催されています。
2020年こそコロナ禍の影響で3月開催が7月開催に延期されましたが、タイ全体に非常事態が宣言されている中で開催にこぎつけたのだから驚きです。
翌2021年はカレンダー通りのスケジュールに戻り、続いて2022年も3月末に開幕しました。
会場内でコロナ禍の影響をどう受けているかは、興味深いところですよね。
参考までに、2020年や2021年の同モーターショーは、マスク着用や手指消毒のほか入り口での検温、スマホアプリと連動したチェックイン(会場全体と各ブース入り口で行われた)、そして密を避けるためのブース内の入場制限(そのため各ブースでは入場待ちが発生)などがありました。
しかし、2022年はマスク着用や手指消毒に加え、会場入り口での検温とワクチン接種証明(証明書の写真を見せればOK)の確認こそあったものの、会場内に入ってしまえば以前のスタイルに戻ったように感じました。世の中が着実に前へ進んでいることを実感しますね。
3年ぶりに訪れて感じた変化は中国車の台頭
海外渡航の規制が緩和されたことで3年ぶりにバンコクモーターショーを訪れた筆者が感じた会場内の大きな変化。それは中国車のブース面積が拡大していたことでした。
タイは日本車のシェアが高い地域ですが、わずか数年で、上海汽車の傘下となりタイで現地生産もしている「MG」の販売が上昇中。そのブースが、会場内で最大のブースを展開するトヨタに次ぐ広さだったことからも、人気とPRにかける熱意が伝わってくるというものです。
それに続けとばかりに鼻息が荒いのが、「GWM」。GWMとは「グレート・ウォール・モーター」の略で、中国の長城汽車が国外で展開しているブランド名です。GWMも、MGに匹敵する規模のブースを展開。同社はタイで撤退したGMの工場を購入して現地生産しています。
BEV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド)も増えてきた
世界のトレンドに続け!とばかりに、タイ政府もBEV(電気自動車)を広めようとしています。バンコクモーターショーの会場でも、EVの展示が増えたことを実感しました。日本ブランドや欧州ブランドはもちろん、MGやGWMも目立つ場所にEVを展示していたのが印象的です。
日本で売っていない日本車がおもしろい!
日本人のクルマ好きとして、バンコクモーターショーでの大きな楽しみが“日本で売っていない日本車”を見られること。今回も、会場内ではそんな車種をたくさん見かけました。
ほかの国と大きく違うバンコクモーターショーの特徴
日本をはじめ多くの国のモーターショーは展示のみで、会場内で車両を買うことはできません。
しかし、バンコクモーターショーは会場内で新車販売を行う、いうなれば盛大な展示即売会です。会場限定の低金利キャンペーンなどが行われることもあり、「クルマを買うために会場を訪れる人」も少なくありません。
では、2022年のバンコクモーターショーではどのくらいクルマが売れたと思いますか? その数、なんと3万1896台! トップはトヨタで5128台、2位はホンダで3019台だというから驚きです。マツダ、いすゞ、三菱に続いて6位にはMGが入っていることからも、同ブランドの勢いを感じさせますね。
もうひとつ、バンコクモーターショーには一般的なモーターショーと異なる特徴があります。それは開場時間。始まるのが12時、終了は22時と「遅く始まって遅く終わる」のです。
そのメリットは、平日に仕事が終わってから駆けつけてもゆっくり見られること。来場者を増やす施策として、とてもいいアイデアに思えました。
(取材・文・写真:工藤貴宏 編集:木谷宗義 type-e+ノオト)
[GAZOO編集部]
<関連サイト>
第43回バンコクモーターショー
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