ドラぷらの旅「インフラツアー」は高速道路のさまざまな“裏側”が見られる人気のツアー!

「NEXCO東日本(東日本高速道路株式会社)」が運営する「ドラぷらの旅」では、“クルマの旅にもうひとつのよろこびを。”をコンセプトに、主にクルマで行ける宿泊プランや体験型コンテンツの販売を行っています。

このドラぷらの旅が手がけるツアーで、近年、注目を集めているのが「インフラツアー」です
……といっても、ピンとこない人も多いでしょう。

一体、どんな“インフラ”をめぐるツアーなのでしょうか?
NEXCO東日本ドラぷらの旅の担当スタッフさんにお話をうかがいました。

  • 後志(しりべし)自動車道(余市IC~小樽IC間)の建設現場を見学(2018年撮影)

インフラは「infrastructure(インフラストラクチャー)」の略で、社会を維持するための公共的、公益的な設備や施設を指します。電気やガス、水道、道路、電話、インターネットなどが、代表的なインフラです。

ドラぷらの旅のインフラツアーは、高速道路インフラに関わる設備や施設等を見学するもの。すでに50回以上が開催されており、NEXCO東日本の管理する施設を中心にさまざまな施設が公開されてきました。

  • ドラぷらの旅公式サイトで、2022年10月上旬に参加者を募集していたインフラツアーのプラン

「風の塔」見学ツアーをきっかけにインフラツアーがはじまった

インフラツアーは、2017年に第1回目を実施。
このときは、かねてから要望の多かった「風の塔(正式名称は川崎人工塔:東京湾アクアライン、トンネル内の吸換気を担う)」を見学するツアーで、参加者は海ほたるPAから船で風の塔へ向かい、上陸しました。

  • 手前が海ほたる。その向こうに見える白い三角形の建物が「風の塔」

このツアーは、東京湾アクアラインの開通20周年イベントとして企画・開催されたもので、現在実施しているツアー形式になる前のもの。
このときのアンケートで「ほかの高速道路施設も見学してみたい」という意見が多く寄せられたことをきっかけに、現在に繋がるインフラツアーの企画が始動しました。

そして、常設のツアープランとしてインフラツアーを実施するため、NEXCO東日本ならではの強みと魅力を打ち出す方向で企画が固められていきました。

「インフラツアーは、弊社やほかの機関が管理しているインフラ施設を、お客さま自身に実際に歩いて見学いただくツアーとなっています。

また、実際にインフラ施設を見学いただくことで弊社事業をご理解いただく事業広報や、施設周辺地域も含めた地域活性化への貢献ということも目的としています。

実際に稼働しており、普段は立ち入ることのできない高速道路施設の裏側を見学・体験いただける内容については、高速道路会社である弊社ツアーならではの魅力だと考えております」(ドラぷらの旅スタッフ)

  • 宮城県と福島県、それぞれで実施していた常磐道4車線化事業の建設現場を見学(2019年撮影)

NEXCO東日本では旅行業の展開を検討していたこともあり、風の塔見学ツアーの成果にくわえ、「NEXCO東日本の事業を理解してもらえる」という面からも、“まずはやってみよう!”との判断のもと、ゴーサインが出されました。

通常、見ることのできない場所や施設を見学先に選定

個人では見学が難しい場所や、普段は立ち入りが禁じられている場所、裏側はどうなっているのか気になる施設など、多くの人に興味を持ってもらえそうな場所や施設を中心に企画を提案。
ツアーの内容がまとまったのち、インフラツアープランとして募集をかけます。

これまで特に反響の大きかったインフラツアーを3点、特別にピックアップしてもらい、それぞれのツアー内容や参加者からの反響を教えていただきました。

「一つ目は、関越トンネルの裏側を巡るツアーです。関越道の群馬県と新潟県の境に位置する関越トンネルは、日本最長の山岳道路トンネルです。

避難坑と呼ばれる避難用のトンネルから進入し、トンネルを安全に管理するための設備を見て回ります。本ツアーは販売開始後すぐに完売してしまうことがあるほどの人気で、今年度は実施回数も増やしていますが、販売状況は変わらず、根強い人気を得ています」(ドラぷらの旅スタッフ)

  • 関越トンネルの全長は、上りも下りも10キロを越える(上り:10,926メートル、下り:11,055メートル)

  • 避難坑は上りトンネル、下りトンネルの中間に位置する。文字通り、緊急時に避難用として使用されるトンネル(2022年撮影)

「二つ目は、東京湾アクアラインの裏側を巡るツアーです。東京湾アクアラインにも関越トンネルと同様に避難通路がありますので、実際に歩きながら見学します。

現在は『東京湾横断道路株式会社』の主催で『東京湾アクアライン裏側探検』として平日のみの開催となっていますが、首都圏近郊のお客さまを中心にお申込みをいただき好評を得ています」(ドラぷらの旅スタッフ)

  • 東京湾アクアラインの緊急避難通路。車道の下に設けられている(2019年撮影)

「三つ目は、『第二海堡(かいほう)』の見学ツアーです。第二海堡は、東京湾に位置する『東の軍艦島』とも呼ばれる人工島のこと。

弊社が管理する高速道路施設でもないのに『なぜNEXCO東日本が?』という声をよくいただきますが、地域の活性化に少しでも貢献できればという思いから、地元、富津市のご協力もいただき、令和元年の房総半島台風以降、実施しています」(ドラぷらの旅スタッフ)

  • 第二海堡は富津岬(千葉県)の先に位置する人工島。明治時代、東京を守るため、25年をかけて建造された(2021年撮影)

インフラツアーはお子さんにもオススメのプラン

インフラツアーは、コロナ禍の影響により実施できなかった期間もありますが、これまでに50回以上の開催実績を持つ人気のツアープラン。

参加者からも「実際に施設を目のあたりにすると、迫力がスゴイ!」といった感想の声が多く寄せられ、ときには「NEXCO東日本の業務内容が理解できた。頑張って道路の安全を守っているんだね」などの、ねぎらいの言葉もかけられるそう。

ドラぷらの旅スタッフさんをはじめ、NEXCO東日本の関係者の方々がどれほど勇気づけられるか、想像に難くありません。

「ドラぷらの旅では、現在、インフラツアーを中心に取り扱っていますが、それ以外にも『雁の観察会』のような特徴あるプランや、ETC周遊割引(ドラ割)と宿泊とのセットプランなど、さまざまなプランをご用意しています。

これからもお客さまに魅力を感じていただける商品を企画・提供してまいりますので、ぜひドラぷらの旅の公式サイトをご覧ください」(ドラぷらの旅スタッフ)

今後もドラぷらの旅では、トンネルなどの高速道路施設を中心に、普段は見ることのできない「さまざまな“裏側”」を見学できるインフラツアーを企画していくとのこと。
興味を持った方、ご自身はもちろん、お子さんにとっても貴重な経験になりそうです。

<関連リンク>
ドラぷらの旅

(文:糸井賢一/取材協力・写真:NEXCO東日本/編集:木谷宗義type-e+ノオト)

[GAZOO編集部]

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