【子どもの人数別】車内ポジショニングとチャイルドシートの選び方(座談会)

子どもと一緒にクルマでお出かけの際、チャイルドシートやジュニアシートをどこに取り付けるか悩んでいる人も多いと思います。そこで3人のママに集まってもらい座談会を開催し、リアルな声を聞いてみました。チャイルドシートの取り付けルールや選び方と併せてご紹介します。

目次

  • 1.みんなはどうしてる? チャイルドシートの取り付け場所
  • 2.意外に知られていない、チャイルドシートの正しい使い方とは?
    3.「困った……」ママたちのチャイルドシートあるある
    4.子どものシート選びは慎重に! 洗い替えしやすいものが便利

    みんなはどうしてる? チャイルドシートの取り付け場所

    自分で運転するときは、子どもの様子が見やすい助手席に装着したいけれど、安全性や法律的には問題ないでしょうか。子どもが一人の時にはそんなに悩まなかったのに、子どもの人数が増えるに連れ起こりがちな子どもをどこに乗せるか問題。子育て中の3人のママに、それぞれの実情を聞いてみました。

     

    参加者プロフィール

    小宮(こみや)陽子(ようこ)さん
    長女(中3)、次女(中1) 三女(小4)のママ
    自家用車は日産セレナ


    新田(しんた)映里(えり)さん
    長女(4歳)と長男(2歳)のママ
    自家用車はミニクラブマン


    酒井(さかい)絢子(あやこ)さん
    長男(小6)、長女(小4)、次女(小1)、次男(4歳)のママ
    自家用車はホンダ フリード/フォルクスワーゲン シャラン


    今回参加してくれたのは、3姉妹のママである小宮陽子さん、2人のお子さんがいる新田映里さん、4人のお子さんがいる酒井絢子さんの3名です。

    チャイルドシートやジュニアシートが必要な年齢は6歳まで。お子さんの年齢的に現在は不要な小宮さんも、必要だった時期を振り返る形でお話いただきました。

    ―――編集部
    ご自身で運転をする場合、お子さんはどの位置に乗せていますか?

    小宮さん


    長女が生まれてチャイルドシート1台のときは、2列目の運転席の後ろ側でした。2歳差で次女が生まれ、チャイルドシートが2台に増えたときも設置場所は2列目シートでしたね。

    基本的に、大人が2列目シートに乗ることはなかったです。たまにぐずると、私がシートの真ん中に乗って面倒を見ることもありましたが……。皆さんどうですか?

    酒井さん


    1人目の子どものときはプリウスに乗っていたので、チャイルドシートは後部座席の助手席の後ろに設置していました。自分の真後ろだと子どもの様子がまったく見えないので、自分の斜め後ろが便利かなと。

    2人目が生まれてからも、助手席に子どもを乗せると事故のときに危ないので、小宮さんと同じく後部座席に2台チャイルドシートを装着していました。

    ―――編集部
    本当は、助手席に子どもを乗せたかった?

    酒井さん


    そんなことないです。

    小宮さん


    それはないですね。うるさいし(笑)。

    ―――編集部
    パパ(パートナー)が運転する場合、ご自身はどこに座っていましたか?

    小宮さん


    基本、私は助手席にいましたね。子どもは自分で運転するときと同じく2列目です。子どもの隣に私が乗ると、子どもがわがままになるので。子ども同士にしておいたほうがいいかなというのもありました。

    1人目の子どものときはセダンだったのですが、2人目ができて手狭になったので、セレナに乗り換えました。セレナを選んだ理由は、3列目シートの存在。授乳やおむつを替えたいときなど、とても便利です。

    酒井さん


    3列シート、便利ですよね。1人目のときは、後部座席にチャイルドシートを付けて、私は隣に乗ってお世話をしていて、2人目が生まれたタイミングで、クルマをシャランに乗り換えたんです。理由は、小宮さんと同じく、授乳やおむつ替えをしたいなと思ったので。

    小宮さん


    ぐずり出したら途中でクルマを停めて、車内で授乳やおむつ替えができるから、子どもが増えると3列シートのクルマがいいですよね。

    新田さん


    私はペーパードライバーなので、自分では運転しないのですが、1人目の子どものときは、後部座席の運転席後ろにチャイルドシート、私はその隣に乗っていました。泣いてうるさいし、心配だったので。

    2人目が生まれてからは、そもそもISOFIX(※)対応のチャイルドシートが後部座席にしか付かないので、無条件で後部座席に2台付けています。私が座る場所は、最初は後部座席の真ん中にチャレンジしましたが、窮屈だったので助手席に乗っています。

    ※ ISOFIX(アイソフィックス)…シートベルトを使わず、チャイルドシートとクルマの固定金具を連結できるだけで固定する方式。また、その国際標準規格を指す

    酒井さん


    後部座席の真ん中の席に大人が座ると、運転手からクルマの後方が見えなくなるから危険。セダン・ワンボックスに限らず、狭くて長時間はキツイのと、安全面を考えても真ん中には座れないですね。

    新田さん


    あと、子どもたちの真ん中に座ると、乗り降りも大変。チャイルドロックも両側にかけるから、毎回自分ではクルマから出られなくなってしまうし、結構面倒くさいですよね。私はミルク派だったので、子どもが泣いても授乳とかは必要なかったから、2人目ができてもクルマの買い替えは不要でした。

    意外に知られていない、チャイルドシートの正しい使い方とは?

    チャイルドシートに関する法律が定められているのは、道路交通法第71条の3第3項。自動車の運転者は、チャイルドシートを使用しない6歳未満の幼児を乗せて、 運転をしてはなりません。
    チャイルドシートを装着しないで、6歳未満の子どもをクルマに乗せていると、それは「幼児用補助装置使用義務違反」に該当。罰金や罰則はありませんが、違反点数1点が加点されます。

    参考:子供を守るチャイルドシート (警視庁)

    なお、バスやタクシーなど公共交通機関を利用する場合の着用は免除されますが、友人や知人、親戚などのクルマに乗るときは必須です。

    チャイルドシートといっても、「乳児用」「幼児用」「学童用」の3種類があり、各メーカーが推奨する子どもの体重や身長を元に、成長に応じて使い分けていきます。

    子どもの乗せ降ろしに時間がかかったり、子どもが座るのを嫌がったりする場合は、シートが合わなくなっているサインかもしれません。そういった違和感を、見落とさないように、子どもの成長に合わせたシート選びをすることが重要です。

    シートベルトは、身長が140cm以上の人を想定して設計されています。そのため、6歳以上になっても身長140㎝未満の子どもは、安全を確保するためにもジュニアシートを継続利用し、座面を高くして適正な位置でシートベルトを利用したり、ヘッドレストで頭を守ったりすることも大切です。

    成長に合わせてジュニアシートの背もたれや、ヘッドレストを取り外し、最終的には座面のブースターシートのみを利用するなど、年齢を基準にするのではなく、子どもの成長に合わせたシート選択をするようにしましょう。

    チャイルドシートやジュニアシートの設置場所には、特に法律的な規定はありません。しかし、安全面を考えると後部座席がおすすめ。助手席に子どもを座らせると、顔が見える安心感はありますが、後部座席と比べて危険度が高いのも事実です。

    例えば事故が起きてしまった場合、大人が乗ることを想定して作られた助手席のエアバックが作動して、子どもが怪我をしてしまうこともあるでしょう。子どもが泣き出し、運転に集中できなくなってしまうことも考えられます。そんな万が一の事故から子どもを守るためにも、チャイルドシート・ジュニアシートは原則、後部座席に取り付けるとよいでしょう。

    チャイルドシートの取り付け方法は、ISOFIXアンカーに固定するタイプと、シートベルトで固定するタイプの2種類があります。

    ISOFIXアンカーは、2012年7月以降に発売されたクルマに装備されているチャイルドシートの専用器具です。使っているクルマにISOFIXアンカーが付いていれば、ISOFIX対応のチャイルドシートを利用することがおすすめです。

    理由は、シートベルトでチャイルドシートを固定する方法は少し複雑なため、間違えた方法で装着していることも少なくありません。ISOFIX対応のチャイルドシートであれば、誰でも、いつでも、簡単に、確実にシートを装着することができるため、安全性に差がなく安心です。(クルマやチャイルドシートの取り扱い説明書をご確認の上、装着してください)

    また、現行の安全基準に適合しているチャイルドシートには、Eマークが添付されています。購入の際には、Eマークが表示されているチャイルドシートかどうかを確認するようにしましょう。

    「困った……」ママたちのチャイルドシートあるある

    座談会も終盤、話も盛り上がってきたところで、お子さんをクルマに乗せた際の困りごとや工夫していることについて聞いてみました。

    ―――編集部
    クルマに子どもを乗せて出かけるときに困っていることはありますか?

    新田さん


    子どもが後部座席で喧嘩し始めたら、皆さんどうしていますか?

    酒井さん


    無視かな。

    (一同爆笑)

    小宮さん


    私も無視しています。

    新田さん


    運転中に喉が渇いたって言われたらどうしていますか?

    小宮さん


    子どもが何か飲みたいって言ったら、こぼれないようにストロー付きの容器とかであげていました。クルマに乗っているときは、こぼれるようなお菓子もあげないようにしています。

    酒井さん


    結局、汚されちゃうんですけどね。チャイルドシートの隙間とかメッシュの所とか、お菓子のカスだらけですよ。

    新田さん


    あと、運転している時に限って「これ見て」って言ってくるのも困りません?

    小宮さん


    子育てあるあるですね。こっちは運転に集中したいのに、そんな時に限って「これ見てー」ってなりがちですよね。

    酒井さん


    そういうのもあるから、夫が運転するときは子どもを2列目シートに座らせて、いつでお世話できるように私は3列目に座ってみたことがあるのですが、そうなると運転している夫に声が届かないんです。大人同士で会話ができないから、結局助手席に座ることに。

    そうなるとフリードの後席の真ん中がウォークスルーになっているのが、便利かなと思います。何かあっても、すぐにクルマを停車して、わざわざ降りることなく後席に移動しやすいので。あまりないですが、私が1人で子ども4人を連れ出すときは、フリードに乗っています。

    酒井さん


    あと、2列目にチャイルドシートを設置するときの配置が難しい。片側に寄せちゃうと、そっち側のドアは使えなくなってしまいます。両側のドアから出入りできるようにするためには、チャイルドシートを真ん中に付けたくなりますが、そうなると子どもを乗せたり下ろしたりするのが大変。

    そもそも、チャイルドシートを真ん中に付けちゃうとドアから遠くなってしまうので、シートベルトを付けるのも大変ですし。

    新田さん


    分かります~。そもそも、子どもにシートベルトを付けるの自体、大変ですよね?

    酒井さん


    とても大変! 夏は薄着だからまだいいけど、冬に着込んでいるときとかベルトに腕を通すのも一苦労。その都度ベルトを調節するのも結構手間がかかるんですよね。

    新田さん


    あと、クルマの中で昼寝をしたときのお漏らし! おむつが取れたぐらいの時期って、どうしていました?

    酒井さん


    うちは、クルマに長時間乗るときは、おむつを履かせていました。

    小宮さん


    お漏らしをしたときは、クルマのチャイルドシートに助けられていたかも。チャイルドシート自体は洗えないけれど、カバーとかは洗えるから、クルマには被害がなくて助かるよね。

    酒井さん


    でも、チャイルドシートのカバーって外せるけど、ベルトがいっぱいあるから、付け直すのが面倒。

    新田さん


    私は、大量の消臭剤を吹きかけて終了ですよ(笑)。クルマのシートとの間に1枚シートを敷いていて、クルマのシートまで汚れないように死守しています。

    ―――編集部
    皆さん、ハプニングが起きにくいように事前に対応されていることがよく分かりました。教えていただき、ありがとうございました。

    子どものシート選びは慎重に! 洗い替えしやすいものが便利

    チャイルドシートやジュニアシートを利用するママたちの悩みは、安全性だけでなく、お漏らしや食べ物、飲み物をこぼすなど、シートの汚れ問題が切実。子どもと汚れは、切っても切り離せません。そんな悩みを少しでも軽減するためにも、扱いやすいシート選びは重要です。

    ジュニアシートは、各メーカーからさまざまなタイプが販売されていますが、これから購入をする場合は、座面、背もたれ、ヘッドレストを外して洗えるタイプがおすすめ。

    さらに、クッション部分がメッシュタイプになっているシートを選ぶと、通気性にも優れているため、特に夏場は汗をかいても蒸れにくく、汗疹予防にもなります。

    チャイルドシート、ジュニアシートともに製品のタイプは幅広く、選択肢は無数に存在します。ご自身のお子さんに必要なチャイルドシートはどのタイプなのか。大切なお子さんを事故の衝撃から守りつつ、クルマでのお出かけを快適なものにするためにも、最適なものを購入するようにしましょう。

    今回の座談会では、子どもの人数が異なる3人のママに話を聞きました。子どもは基本的に後部座席に座らせ、パパやパートナーが運転する場合には、ママは助手席に乗るようにするのが、子どもと平和にクルマ移動をする手立てかもしれません。ウォークスルーできるクルマを選んだり、授乳やおむつ替え用に3列シートを活用したりと、ママならではの視点でクルマを選んでいることが分かりました。

    (文:先川知香/写真:雪岡直樹/編集&ディレクション:奥村みよ・田村恵美(PASSERBY GRAFFICS)+ノオト)

    [GAZOO編集部]