片岡龍也 ドライバーズコラム 第5回 ドリフトへ挑戦

皆さん、こんにちは! レーシングドライバーの片岡龍也です。
今回は、レーシングドライバーから畑違いのD1グランプリ(http://www.d1gp.co.jp/)へ挑戦した時の話をしていきます。

レーシングドライバーは、マシンをなるべく滑らせずに無駄を省きタイムを削ることが体に染みついています。ですから、レーシングドライバーはタイヤを滑らしてマシンを横に向けてパフォーマンスするドリフトが苦手と言われていました。一度でもドリフトを見たことがある方なら分かると思いますが、とにかくシンプルに凄いと感じる事が出来るマシンコントロールですよね!?レースの方は、実際のスピードも速くマシンをコントロールしているのに、その感じがどうしても伝わりにくい所があります。僕も初めてドリフトを見た時にはこんなの無理だよって思ったくらいです(笑)。しかし、そんな中で幸か不幸か運命の出会いがありました!

運命の出会い?

2009年からSUPER GTで所属したレーシングチームバンドウでチームメイトになった織戸学選手とチーム代表の坂東正敬監督のお2人との出会いで、ドリフトの道へと足を踏み込みました。

織戸選手は、皆さんご存知のD1選手。D1会場などへ見に行きましたが、その時は見る物でやるものとは思いませんでした。では、具体的に誰の影響で始めたかといいますと、それは坂東監督だったのです。当時、坂東監督がドリフトの練習をしていてそれを見に行ったのが全ての始まりです。

ふらふらゆっくり走るドリフトを見て、これなら出来そうだと思ったのが一番の理由ですが(笑)。すぐにシルビアS14を購入し練習を開始しました。最初は、すぐにスピンするしパワーは足りないし色々と上手くいきませんでした…。

チューニングカーデビュー

これまで、レーシングカートからステップアップをしてきた中で、チューニングカーを所持した経験が無かった僕には、ドリフトをやる事が実質のチューニングカーデビューでした。適当な中古車を購入しそのままドリフトをして遊べると思っていた僕は、それがすぐに間違いだったことに気が付きます。

ドリフトをする為には、色々と改造しなければならなく、何となく始めた割にはお金が凄く掛かる。しかしながら妥協することは出来ず、シートを変えてブレーキ変えてステアリングを切れるようにして、車高を下げてオーバーフェンダーにしてパワーを上げてなどなど、とにかくチューニングをしていかないと、レーシングドライバーの性なのか、納得できませんでした(笑)。

クルマをいじるのも人任せではなく、自分でできることは自分でやっていました。そのための工具も結構買いそろえましたね。ジャッキ、スロープ、インパクトレンチなど…。

自分でいじってみると、普段のメカニックさん達の大変なことが良く分かりました。車高を少し変えるだけでも一苦労でしたね。

大会へ出場

肝心の走りも練習を重ねると意外と上手くなってきたので、調子に乗ってドリフト大会のMSCへエントリーしました! もちろん初級クラスです。ある程度練習を重ね、少しばかりの自信はありましたが、大会当日の緊張感は半端なかったことを覚えています。だって発進する時のクラッチを操作する脚が震えるくらいでしたからね!

そして華々しくデビュー戦を終える予定でしたが、予選一本目の発進でエンジンの回転を上げすぎて壊しました。結局1周も走らずにリタイヤとほろ苦いデビューだったわけです(泣)。

本格的なドリフトスタート

1年くらい自分で大会に出たり走行会に行ったりしていると、関係者の方がアップガレージさんを紹介してくれました。アップガレージさんがD1へ出場しているチームですから到底僕には無理な話ですし、僕が突然出られるような大会ではありません。この話は無理だなと思ったのですが、アップガレージの石田社長の計らいでD1の1つ下のD1ストリートリーガルへAE86でデビューすることになりました。

今週は、ここまで。次週は、僕のドリフト苦労話でスタートしたいと思います!

[ガズー編集部]