片岡龍也 ドライバーズコラム 第15回 メンタルトレーニング
もう、早い所では桜が咲いているかと思えば雪の降る所もある不思議な天気で寒暖差も激しく皆様は体調を崩していませんか?僕はどちらかといえば花粉症がちょっと辛いかな。
レーシングドライバーも花粉症の人が多いです。走行中どうなっているか皆さん気になりませんか?残念ながら皆さんが思うような面白いことは起きていません(笑)走行中は集中しているためクシャミも鼻水も止まっています。そのまま花粉の事を忘れられれば良いのですがチェッカーを受けてピットに戻ろうと集中力を切らしてしまうと、その瞬間からクシャミも鼻水も全開です!
ついでに集中力の話でもう一つ実体験を紹介しましょう!レース前は緊張からか多くのドライバーがトイレに行きます。きっと確率は100%に近いのではないでしょうか?しかしトイレに行ったはずなのにスタート直前に尿意(以後ヤツと表現します)を催してしまったのです!でも過去の経験からレースがスタートすれば気持ちがレースに集中してヤツの事は忘れるから問題ないはずでした。
ところがそのレースは雨が強くセーフティーカースタートになってしまったのです!!SCランではヤツを消すほど走行に集中できません(笑)1周2周3周・・・周回数が増えるたびにヤツの存在感も増します。どんどん増します。
そんな時にようやくレースがスタートしました!レーシングスピードになった瞬間に先ほどまでのヤツはどこへ(笑)集中力はヤツに勝ったのです! ・・・実はこの物語はまだ終わりません。直ぐに大きなクラッシュが発生したことでSCランになってしまいました。そうすると勿論ですがヤツの存在感が復活します。集中力をコントロールするのは難しいですね。でも安心して下さい、漏らしてませんから!!
前ふりが長くなってしまいましたが要は気持ちが大事ってこと、よくレース以外にも多くのスポーツでメンタルが強いとか弱いとか耳にしますよね。目に見えない部分なのにその人の挙動や呼吸で何となく緊張しているのか、興奮しているのか分かるから不思議です。
スポーツでは身体は鍛えますが心は鍛えていないケースがほとんどではないのでしょうか?いくら体を鍛え、技を磨いても心がそこについてこなければ本番で力を発揮できませんよね。そこで最近よく耳にするメンタルトレーニングですが具体的には何をすれば良いのか分かりません。
先日ですがFTRSヤングドライバーの宮田莉朋、平木湧也がメンタルトレーニングを受講しに行くと言うことで一緒に青山学院まで行ってきました。
メンタルトレーニングの講義を行ってくださるのはスポーツメンタルトレーニングの第一人者でもある高妻容一さんです。最近では琴奨菊関の琴バウアーでもしられるルーティーンを教えたことでも有名ですね。
講義の内容をあまり書いてもいけないと思いますが抜粋してちょっとだけ直ぐに参考になりそうなことをお伝えしたいと思います。まずはメンタルトレーニングというネーミングからも分かりますが1回だけ講義を聞いても身につきません。フィジカルと同じで毎日トレーニングする必要があります。今回の講義だけでも9時から17時まで行いました。
講義に参加している人はスポーツ選手だけでなく学校の先生、企業経営者、音楽、保護者など多種多様の方が参加していましたが話を聞いてみるとスポーツに限らず講義の内容は全てに応用の利くものであり誰が聞いても為になる話だったと思います。
では今すぐに実践できるメンタルトレーニングを3つご紹介しましょう!
① 笑顔(笑いましょう)②下を向くのを止めましょう。③大きな声で話しましょう。
どうですか?今すぐに出来そうですよね。胸を張って前を見て笑顔で大きな声のあいさつをするとそれだけでテンション上がります!そんな挨拶をされたらされた方もテンション上がると思います。
メンタルトレーニングは心理学に基づいた応用スポーツ心理学です。話を聞くとしっかりした裏付けのある指導であることが分かります。是非皆さんにも講義を受ける機会があれば受けてもらいたいですね。
高妻先生ありがとうございました。
片岡龍也ドライバーズコラム
第1回 プロのレーシングドライバーまでの道程
第2回 レーシングドライバーという職業とは?
第3回 ドライビング
第4回 BMW Familie!2015 レポート
第5回 ドリフトへ挑戦
第6回 D1ストリートリーガルデビュー苦労話
第7回 愛車でドライブ
第8回 シーズン始動!
第9回 タイヤテストのお話
第10回 サーキットを無理なく走ってみませんか?
第11回 新車到着!
第12回 初音ミクGTプロジェクトファン感謝祭
第13回 AMG 一気乗り
第14回 レーシングカートのススメ
第15回 メンタルトレーニング
第16回 ニュルブルクリンク24時間レースへ参戦します!
[ガズー編集部]