圏央道を走行するときに気をつけること
首都圏(1都7県)には、皇居を中心に4つの環状線(都心環状線、中央環状線、外環道、圏央道)があります。一番外側に位置するのが圏央道(正式名称:首都圏中央連絡自動車)です。
圏央道の通るルートとほぼ同様のルートとして、一般道の国道16号線がありますが、16号は渋滞が激しい国道なんです。そのため、首都圏の道路交通の円滑化、沿線都市間の連絡強化などを目的に圏央道は建設されました。
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青線 圏央道のルート(引用 GoogleEarth)
圏央道は、東京都心から約40~60キロの範囲を環状線で結ぶ高速道路で、東京郊外の都市間の移動に便利です。たとえば、東京の八王子市から神奈川県の茅ヶ崎市まで一般道だと約1時間20分かかるところを、圏央道を利用すると約50分でいけます。
また圏央道は、東名・中央道・関越道・東北道・常磐道・東関道とつながっているため、首都圏外へのアクセスも格段によくなっています。
さらに、いずれかの高速道路に大渋滞や通行止めが生じている場合の迂回ルートとしても利用できるため、ルート選択肢が増えることも大きな意味をもっています。
そんな便利でメリット満載の圏央道ですが、東名や中央道のような通常の高速道路とは少し違うため、それを知らずに走行していると、思わぬ状況になる可能性もあります。しかし、圏央道の利便性はとても高いので、気をつけたいことを理解してメリットをしっかり享受できるようにしましょう。
分岐が多く、間違いやすい
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海老名JCT
圏央道は、多くの高速道路とつながっているため、ジャンクションの数が多く、しかも50キロ前後の間隔でジャンクションがありますので、ジャンクションで間違いの可能性が高まります。圏央道走行が初めてだったり、集中していないとその可能性はさらに高まります。さらに、圏央道のジャンクションはだいたいが本線で分岐があった後すぐに次の分岐があるため、正しい方面にいくためにはかなりの集中力が必要です。
たとえば、八王子JCTで圏央道から中央道の下り線にいきたい場合、まず本線の分岐があってその後100メートルほどいくと、東京・八王子方面にいく上り線と甲府・河口湖方面へいく下り線の分岐が現れるといった具合です。
また、東名の厚木インターのような分岐してすぐのインターを利用したい場合も、どのようにいけばインターにたどり着けるか迷うことがありますので、よく調べたうえで走行したほうがよいでしょう。
万が一、利用ジャンクションやインターを通りすぎてしまった場合は次のインターで降りて、料金所の係員の方に事情を説明するとUターンさせてくれることもあります。
給油ポイントが1か所のみ
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圏央道で唯一の給油スポットである菖蒲PA
圏央道で一番不便だと感じることは、サービスエリアがなく、パーキングエリアが少ないことです。しかも、休憩ポイントはすべて小規模なんです。さらに、ガソリン給油ポイントは関越道と東北道の間にある埼玉県の菖蒲PAにしかなく、100キロ以上給油ポイントがない区間もあります。そのため、ガス欠になりそうになった場合は、インターを一度降りて近くのガソリンスタンドで給油するしか方法はありません。
たとえば、東名の足柄SA~圏央道の菖蒲PAは138キロ離れているのですが、その間で給油ポイントは一切ありません。圏央道に限らず、最近建設された高速道路はサービスエリアやパーキングエリアが極端に少ない区間も多く、それにともない給油ポイントも少ない傾向です。
この傾向は、既存の東北道や中国道の地方部でもあてはまります。サービスエリアの利用客が減少し、ガソリンスタンドは採算がとれないため閉鎖されているところもあります。
昔と違い、高速道路は燃料をいれたくてもガソリンスタンドはないかもしれないと疑い、事前に給油ポイントを調べておくことが必要です。
区間によって、車線数や制限速度が変化する
高速道路の制限速度は、交通量や地形、高速道路の建設状況、車幅や路肩の広さやカーブ、勾配の激しさなどで決まってきます。圏央道は車線数の変化が多いために、制限速度の変化も多いと感じます。
圏央道の車線数
- 海老名JCT~久喜白岡JCT 片側2車線
- 久喜白岡JCT~大栄JCT 片側1車線
- 松尾横芝IC~木更津東IC 片側1車線
- 木更津東IC~木更津JCT 片側2車線
圏央道は片側2車線の区間では制限速度80キロが基本で、一部区間では制限速度が100キロの区間も存在する一方で、片側1車線区間では制限速度が70キロに低下します。車線数の増減や制限速度の変化にしっかり対応するためには、標識や標示をこまめに確認することが大事です。
特に片側1車線の区間は、車がじゅずつなぎになることが見受けられ、あおり運転になる/される状況が生まれやすいと感じます。前車との車間距離を十分にあけて、余裕をもった運転をするようにしましょう。
圏央道の特徴を理解して快適に利用しましょう
圏央道は山間部の区間が長いためトンネルの数も多く、長い距離のトンネルがたくさんあります。トンネルの走行時間が長いと景色の移り変わりがなく、漫然運転になりやすいため気をつけたいところです。休憩ポイントが少いため、次の休憩ポイントまでの距離をつねに把握しておくように心がけましょう。
また、2022年春に圏央道の相模原ICと八王子西ICの料金所がETC専用になることが決まってます。ETC車載機やETCカードをお持ちでない方は、要注意です。
気をつけるポイントをしっかりおさえられていれば、圏央道は利便性が高く快適に走行できる高速道路のため、満足のできるドライブができます。
私も、圏央道が開通してから名古屋・大阪方面や関越道・東北道方面へのアクセスが格段によくなったため、以前よりいろいろなところへドライブにいけるようになりました。
みなさんも、圏央道を上手に利用していろいろなところへドライブへ出かけてみてはいかがでしょうか。
(テキスト:のっぴー、写真:AC/ GoogleEarth、編集:GAZOO編集部)