温泉街ではない、名神 草津パーキングエリアの利用価値が高い理由

  • 名神高速道路上り線草津PA

    名神高速道路上り線草津PA

今回テーマとする草津パーキングエリア(以下 草津PA)は、滋賀県草津市にある名神高速道路にあるパーキングエリアです。群馬の草津温泉ではございません。草津温泉のある群馬県草津町と滋賀県の草津市を間違える方が、外国の人を中心に意外にも多いらしいです。

そのため、滋賀県のJR草津駅には、英語表記で「ここは草津温泉の草津ではありません」という説明と、滋賀県草津市と群馬県草津温泉の位置を記した日本地図が掲載されています。(写真なくてすいません)

滋賀県草津市役所には、草津温泉と勘違いした問い合わせが多い日で5件前後あるそうです。お返事は、「温泉はないけど琵琶湖はあります」と観光誘致しているとのこと。

その滋賀県草津市は、東海道と中山道が接する宿場町として江戸時代より栄えてきた街で、京都市や大津市から近いこともあり、滋賀県内で2番目に人口が多い街です。

そんな草津市にある草津PA、近年さまざまな理由で、高速道路利用者の人気が徐々に高くなってきているそうですが、その理由とは。

草津PAは、高速道路分岐の要所に位置している

  • 写真:GoogleEarth

20年以上前、草津PAはそれほど特徴あるパーキングエリアではなかったと記憶しています。ところが、2000年代に入り草津PAを取り巻く環境が変わったことにより、重要度が高まってきました。

2003年、名神高速道路のバイパスとしての役割を担う京滋バイパスが全線開通。京滋バイパスはパーキングエリアがないため、大阪方面に向かう方にとっては、京滋バイパス分岐の直前にある草津パーキングエリアは、大事なパーキングエリアになりました。

2008年、新名神高速道路の亀山JCT~草津田上ICが開通。伊勢湾岸道・東名阪自動車道と合わせて名古屋方面~大阪方面を移動する際の最短ルートとなったのです。

2010年、第二京阪道路が全線開通。京滋バイパスの途中地点にある久御山JCTと接続したので、名古屋方面から大阪中心部への最短ルートになり、さらに需要が高まりました。

草津PAから大阪方面へおよそ10キロ先に大津SAがあります。大津SAは、施設が充実しているうえにサービスエリアからみえる琵琶湖の景色がキレイなため、人気のあるサービスエリアです。しかし、位置的に京滋バイパスや第二京阪道路を走行するドライバーは、大津SAを利用することができません。

あらゆる路線から利用可能なため草津PA利用者が増えきてきたのでしょう。

上下線にガソリンスタンド・コンビニなど利便性が高い

交通の要所として、その期待に答えるべく利便性を高めてきました。

2008年2月、上下線のガソリンスタンドを隣の大津SAから移転開業しました。この結果、京滋バイパスや第二京阪道路を走行するときの、給油ポイントがない区間の距離を短縮することを実現しています。

草津PAは場所的に以下の特徴があるため休憩、給油するドライバーが多いと思っています。

  • 東京方面へ向かうときは、給油ポイントがない区間を抜けて、初めて訪れる最初の給油ポイント
  • 分岐の要所のため、体力や気持ちの面で(なんとなく)休憩して、体勢を整えたい
  • 東京から約450キロほどのところにあり、給油するタイミングにあたる車種クルマが多い

2018年4月、上下線で24時間営業のセブンイレブンがオープン。

他にもシャワールームやコインランドリーなど、長距離ドライバーにありがたい施設もあります。

草津PAに立ち寄れば、高速道路で必要となることをなんでも一度に叶えてくれる充実した施設が完備しているのです。

草津PAは、利用客数の増加にともない上下線ともにリニューアルが実施されています。

上り線のパーキングエリア施設は宿場町をモチーフにしたつくりとなっていて、外観も楽しめます。

お土産コーナーは、名古屋・滋賀・京都・大阪・神戸と地域別にお土産を並べており、また扱っている地域もひろく、見ていて楽しくなります。行ってもいない地域のお土産を買ってしまうのが、草津PAエリアなんです。懐かしい、東京駅や梅田にあったアリバイ横丁ほどではございません。

新名神全線開通を控えつつ、それでも草津PAの充実度は変わりません

群馬の草津温泉ではない、滋賀県の草津にある草津PAは、江戸時代の宿場町のような、移動する人に愛される休憩地としての地位を確立しています。

ただし、この先数年に新名神高速道路が全線開通する予定のため、大阪中心部や中国・四国地方への最短ルートが新名神高速道路を通るルートに変わる可能性があります。そうなると、名神高速道路を利用する車は減少し、草津PAを利用する人も減る可能性があります。

新名神高速道路が全線開通した後も、少し遠回りしてもいいから草津PAを利用したいと思えるPAであって欲しいと思います。みなさんも、関西方面へ足をお運びの際や関西地域から東京・名古屋方面へ向かう際は、名神高速道路の草津PAで休憩してみていただければと思います。

のっぴードライブログ

(テキスト/写真:のっぴー 編集:GAZOO編集部)

コラムトップ

MORIZO on the Road