無念!ル・マン24時間、チェッカー目前で初制覇の夢消える
伝統の第84回ル・マン24時間レース決勝が、6月18-19日に、フランス、サルト・サーキットにて行われ、スタートから23時間57分経過、残り3分というところで、TOYOTA GAZOO Racing TS050 Hybrid 5号車を駆る中嶋一貴選手はマシントラブルに見舞われ、TOYOTA 18回目のル・マン悲願の初制覇はならなかった。
チェッカーまであと残り5分というところで、“I have no power!”という中嶋選手からのチーム無線が公式映像で伝えられると、盤石かと思われたTOYOTA陣営に緊張が走った。ライバル、ポルシェ陣営の映像も流れ、その後信じ難いスローダウン。まさかの光景に言葉を失うことに。そして、残り3分、TOYOTAを襲った悲劇。とうとう、クルマを止めてしまった。それは、サーキットにいた26万人もの観衆、全世界でテレビなどを視聴していたファンに、大きな衝撃を与えた。チェッカーを受けるべく、再スタートを切るも状況が大きく変わるものではなかった。
レースは、TOYOTAの手中にあった。今回のル・マン24時間レースは、ミスのない、そして燃費、クルマの強さを明らかに感じ、誰もが23時間57分まで初制覇を信じていた。無念。
6号車は、手負いのクルマながらも、2位表彰台を獲得。ポルシェ2号車が、ル・マン24時間レース最多の18勝目を挙げた。
レース後、TOYOTA陣営、中嶋一貴選手には、全世界からSNSを通じてあたたかい言葉も寄せられているようだ。レースは、最後まで何が起こるかわからない、これもレースと言われればそれまでだが、今回の戦い方は、称賛して良いのではないだろうか?
優勝したポルシェのリリースにも、TOYOTA陣営を気遣うコメントが沢山見受けられる。ライバルのドライバーたちのコメントにも、TOYOTAをリスペクトする文字が。
FIA WECの公式ツイッターには、こんなレース後の光景が動画でアップされていた。ポルシェがTOYOTAへ拍手を送り、戦う同志がWECファミリーと紹介されている。これは、かなりうれしい光景。
「Big big ovation to @Toyota_Hybrid from @Porsche_Team! True camaraderie of the big #WEC family! #hatsoff #thumbsup」
TOYOTA GAZOO Racingは、来年、WRC(世界ラリー選手権)という大舞台にも復帰する。それに伴い、ル・マン24時間へのチャレンジを諦めてしまうのではないだろうか?という巷の噂も気になっていた。しかし、レース後、トヨタ自動車豊田章男社長から、来年も戻ってくるとの声明が出された。この言葉で、筆者は救われた。長年の願い、勝つまでぜひ参戦し続けて欲しい。
そして、残念がっているだけではつまらない。この戦いが、日本でも見られるのだ。
10月14 日、15日(予選) 16日(決勝)開催、WEC第7戦富士6時間レース。 ル・マンには行けなくとも、日本で楽しむことができる。これは、見逃すにはもったいない世界のレース。
また、直近には、今回ル・マン24時間レースに参戦した中嶋一貴選手、小林可夢偉選手、アウディのアンドレ・ロッテラー選手が参戦するスーパーフォーミュラ第3戦も、7月16日(公式予選)、17日(決勝)富士スピードウェイにて開催される。
ぜひ、観戦して欲しい!
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
随時、クルマに関する様々なイベント・テーマでレポートしていきます!
[ガズー編集部]
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