俺が男にする!大物ルーキー関口、星野監督の下で初勝利! ~スーパーフォーミュラ第4戦~
8月20日(土)、21日(日)、ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)で開催されたスーパーフォーミュラ第4戦で、ルーキーの関口雄飛(ITOUCHU ENEX TEAM IMPUL)が他を圧倒する走りでポールトゥウィン!今季初優勝を遂げた。チームは、前戦の富士に続いて連勝。勢いが止まらない。
前日の公式予選で、ポールポジションを獲得した際も、大物ルーキーの活躍にサーキットは大いに沸いた。Q1の段階で、今回から投入されたソフトタイヤ2セットを温存し、ミディアムタイヤで最速をマーク。速さのある二人だからこそ取ることの出来たチームの作戦勝ちだ。残りのQ2、Q3は、ライバルたちが、ソフトのニュータイヤ1セットやユーズド1セットでQ3に進んでくると予想され、ニュータイヤで2回アタックできるチームは優位に立った。
しかし、満を持して予選に臨んだQ2で、チームメイトのJ・P・デ・オリベイラがアタックを失敗。Q3へ進出できなかった。Q3では、もちろんソフトタイヤの新品でアタック、ポール獲得となった。関口本人も、予想通りことがうまく進み、非常に冷静。星野監督は、オリベイラを気遣いながらも、関口の仕事に上機嫌だった。
TOYOTA GAZOO Racing 公式サイト スーパーフォーミュラ第4戦予選レポート
決勝レース、スタートをしっかり決めトップに立った関口は、最後までポジションを譲らず、後続を大量リード。「つまらないレースをしてごめんなさい」と謙虚なコメントを残したが、非常に暑い中で集中力を切らすことのない見事な走りで初優勝。ルーキーとは思えない戦いぶりで、レースウィークを〆た。
2位争いも最後まで熾烈で、2位には、アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)3位に石浦宏明(P.MU/CERUMO INGING)が入り表彰台をトヨタ勢が独占。結果的にトップ5までを占め、ニューエンジンも快調と大団円で終えた。4位に石浦宏明(P.MU/CERUMO INGING)のチームメイト国本雄資が入り2台ともに好成績、チームランキングではトップに立っている。
オフシーズンに、新たに迎えた新人を名将星野一義監督(ITOUCHU ENEX TEAM IMPUL)は、「俺が男にすればいいんだろう?」と語ってくれたが、早速参戦4戦目で優勝と、誰よりもドライバーのことを考え、良い道具と環境を用意したうえで行う采配は、ドライバーも信頼し安心して戦うことができるはず。「限界まで攻めたうえでのスピンは、ドライバーは命がけなんだからそれを責められない」と以前語っていた監督のそのスタンスは、ご自身が精神状態ぎりぎりのところで長くドライバーとして戦って来たからこそわかるものであり、チームも監督のもと戦っているという団結力を強く感じるのがこのチーム。今回は、スタートが万が一失敗したときのことを考え、ピットワークの練習にも力を入れたそうだ。
予選日の朝は、「今日は晴れるね!」と一言おっしゃりサインガードへ向かった監督。かなり雨も降り始めていたので、少し疑念を抱いた。数十分単位と言ったら大げさだろうか、目まぐるしく天候が変わった一日。併催のスーパーフォーミュラの予選後のF3決勝では、グリッドは晴天、いざスタートとなったら直前で土砂降りとなりスタートディレイという状況。晴れの根拠は何だったんだろう。
台風接近の余波からの荒天、予選時の天候など誰が予想出来ただろう。予言通りドライコンディションでのアタック合戦となり、偶然だったとしても「風」はそこに吹いているのかなと感じた。予選日朝、土砂降りの中で行われたフリー走行は、2台は下からのワンスリー。しかし、笑顔の監督は、ドライに賭けたのだろうか。今シーズン、数々のせつないシーンに登場しているこちらのチーム。とうとう神様が味方についたのか、それともご自身が神だったか…。
決勝後のトップ3の会見では、ランキングの話は時期尚早とのことで多くを語らない監督だったが、関口がポイントリーダーに立ったのは事実。僅差ではあるものの、シリーズ後半戦が非常に楽しみな展開だ。ドライバーの凄さもさることながら、星野監督の動向も見ていて楽しいレースウィークだった。
次戦は、九州熊本地震で被害に遭ったオートポリス(大分県日田市)の代替大会が、岡山国際サーキット(岡山県美作市)で開催され、2レース制というフォーマット。9月10日(土) 公式予選、決勝レース30周、9月11日(日) 公式予選、決勝レース51周。タフで濃い内容の2日間になりそうだ。
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
随時、クルマに関する様々なイベント・テーマでレポートしていきます!
[ガズー編集部]
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