2016 スーパーフォーミュラシリーズチャンピオン決定!~日本一速いオトコは、トヨタ国本雄資!~

10月29日(土)、30日(日)の両日に渡り、スーパーフォーミュラ最終戦が開催され、P/MU CERMO・INGING 国本雄資選手がドライバータイトルを獲得!チームタイトルも同チームが初受賞、チームにとってうれしいダブルタイトル獲得となりました。

レースレポートは、こちらをご参照くださいませ。

スーパーフォーミュラ 2016年 第7戦(最終戦)鈴鹿
TOYOTA GAZOO Racingレポート 予選 決勝
最終戦を前に、自力タイトル獲得のあるのは、6人のドライバーに絞られました。ラングワンツーは、奇しくもSUPER GTではコンビを組む横浜タイヤユーザーのチームメイト同士。関口雄飛選手と国本雄資選手

これは、何か偶然とは思えません、この二人の勢いがハンパないですから。他メーカーと当然乗り方の違って来るタイヤに沢山乗っているのは事実です。その良い影響の現れと考えられる事と、両カテゴリーとも二人の才能を伸ばす環境がチームに整っているのでしょう。それと本人たちの努力。伸び代いっぱいというのが適切な表現でしょうか。国本雄資選手、オフシーズンから自分を変えようとあらゆる努力を惜しまなかったそうです、悔しいシーズンを過ごしたという昨年の二の舞にならないように…。チームメイトがゼッケン1を獲得したということは、あてがわれるもう一台のゼッケンは、自然な流れで「2」。「ゼッケン2の屈辱」という言葉を、鈴鹿で聞きました。チャンピオンに一番近い環境だからこそ、同等の成績を上げたいという気持ちは強かったでしょう。会見では、昨年自分が次のチャンピオンになると予想した人はいなかったでしょうと語り、絶対次は自分がチャンピオンになるという強い信念を持っていたことを語り、安堵の表情に満ちていました。チームのみなさんも緊張から解き放たれ、笑顔に満ちていました。

ランキングトップで最終戦を迎えたITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛選手は、注目の的、今シーズンをエキサイティングにした立役者の一人でもあります。

星野一義監督の下、シーズン中2勝をあげ、その勢いのまま乗り込む最終戦は、タイトル獲得には優位に思えました。しかし、予選で残念ながら沈み、決勝も2レースともにノーポイント。これには、驚きを隠せませんでした。予選で奮わなかったことは、開き直りというリラックスをもたらしていたかもしれません。決勝は、“らしい”走りを披露してくれました。RACE1での他車の接触は、ライバルを後退させてしまったので、それはちょっと残念でしたが…。しかし、結果的にシリーズランキング3位で終えた事は、非常に評価できると思います。おもしろい存在になりたいと語っていた開幕戦。本当にそうなりました、来季も期待しています。

ランキング5位で鈴鹿入りしたディフェンディングチャンピオンの石浦宏明選手。一度、掴んだチャンピオンというポジション、もちろん誰にもその座を渡したくはないはず。

秘めた闘志を感じるのが、きっちり予習して来たところ。鈴鹿の得意なドライバーの走りやみんなの走りをDVDで学習して来たと会見で話していました。ドライバーの視点からそれぞれの走りを見れば、得るものが大きいのは間違いないですよね。会見でもそうおっしゃっていましたし。しかし、心配なのは多忙なこと。二人目のお子様が生まれた事は非常に喜ばしいことですが、ライフスタイルがかなり変わるはずです。「イクメン」であろう記述がブログからも読み取れますが、参戦するカテゴリーの多さからかなり多忙をきわめているはず。そんな中できっと赤ちゃんを抱っこしながら、もしくは家族の寝静まった中で走りを研究する(どちらも妄想)という地道な努力が、今回の大事な予選に現れたようで、2レース共にポールポジション獲得となりました。頭脳派と思っていますが、“らしさ”が垣間見えますね。レースは、予選のあの速さから2レース共に逃げ切ってしまうのではと勝手に思い込んでいましたが、トップチェッカーは叶わず…、シリーズランキング5位でシーズンを終えました。来季は、ますますチームメイトと切磋琢磨するシーズン、楽しみにしています。

今季、ホンダ陣営が満を持して送りこんだストフェル・バンドーン選手。来季F1へ参戦されるということですが、やっぱり別格のドライバーでした。

参戦当初、このカテゴリーに参戦しているドライバーたちから、なかなか簡単に勝てないと言われていましたが、第2戦を急きょ大抜擢されたF1に参戦の為欠席したにも関わらず、優勝2回ランキング4位でシーズン終了。大活躍で、強烈なインパクトを我々に与えたまま、日本を去ります。最終戦のピットウォーク、ピット前は大行列でした。来年のF1日本グランプリ、鈴鹿サーキットで凱旋、その雄姿を観られることが楽しみですね。そして、気がかりなのがRACE2の会見で、バンドーン選手が所属したドコモダンデライアン村岡監督が、来年も速いドライバーを連れてくると発言した件。チームもバンドーン選手の影響で大きく成長とおっしゃっていましたが、来季空いたシートにはダレが座るのだろうと、ワクワクして待ちたいと思います。

そして、アンドレ・ロッテラー選手。

今年は、序盤苦戦していたイメ―ジがありますが、気づけばランキング2位でシーズン終了です。珍しく、チームメイト中嶋一貴選手と共に優勝のないシーズン。名門チームに何が起きたのでしょうか。無冠のままタイトルを獲ることに抵抗があると、舘監督はおっしゃっていましたが…。2レース共に、2位表彰台。2レース目の終盤の追い上げは、バンドーン選手にコンマ7秒にまで迫る彼らしい走りでした。そんな怒涛の追い上げを見せてくれたロッテラー選手ですが、会見で日本のレースが最後になるかもしれないことを示唆。正式決定ではないけれども、WEC(世界耐久選手権)から、アウディが撤退されることが先日発表され、自分の進路が未定であるのでわからないと述べ、アウディのエースとして活躍するロッテラー選手の去就が一気に注目されることとなりました。海外の活動に専念することも考えられ、事実上日本が最後だとすると、鈴鹿でのあの走りを見られて良かったと思う反面、非常にさみしくもあり残念です。今後の報告を待ちたいと思います。

終わってしまいました…。さみしいですね…。
あらためて国本雄資選手、P/MUセルモ・インギング優勝おめでとうございます!トヨタエンジンも勝利ですね!TRDのみなさま、最強のエンジンありがとうございました!

来季は、先般発表されたB MAXチームのエントリーも興味津々ですね。今般の最終戦に、来季の準備のためにスタッフの方々がいらしてました。楽しみです!

また来季も、スーパーフォーミュラ、楽しみにしたいと思います。

(写真:折原弘之)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road