夏の3連戦を前に鈴鹿でテストでした! ~SUPER GT 公式テストレポート~

6月30日(金)、7月1日(土)、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)にて、SUPER GT公式テストが開催されました。一般公開で行われた公式テストは、初日が平日であるにも関わらずレースウィークと見まごうほどと言ったら大げさかもしれませんが、雰囲気充分で沢山の方が来場され驚きました。来月行われる第6戦を見据えたテストな訳ですが、とりわけ第3ドライバーとして参戦する、ジェンソン・バトン選手と小林可夢偉選手は注目の的。ピット周辺、入り待ち出待ちと人だらけ。その効果は、絶大なるものであるのを感じました。

テスト初日、午前中は走り出しから雨でしたが、すぐに土砂降りに見舞われ、午後は雨も上がり時間が経つにつれ、路面が乾いて来て終盤はドライコンディション。2日目は、湿気のある蒸し暑い晴天でドライ、午後はさらに気温が上昇し、少し8月下旬の本番に近づいたコンディション。人間のカラダは夏仕様にはなっておりませんが、サーキットも気温は上がれど、路面温度はまだまだ足りないようでした。

※トムス東條エンジニアブログご参照。「S-GT 鈴鹿-雑感」
http://ameblo.jp/tsutomutojo/entry-12289217447.html

初日は、GT-R勢の巻き返しに、日産ファンはきっと歓喜。ホンダ勢も先月の菅生テストは感触が良かったですよね。シーズン後半に向け、今季の展開をいろいろ妄想したりと、ウェイトハンデ制ですので、動きがあるのは確実。そして、公式テスト時は、どれだけのウェイトを想定して走っているのか全くわかりません。LEXUS勢は、菅生、富士を戦績を良しと想定して積んでいたと思われますし、もちろんそれはどのメーカーでも考えられます。第6戦の鈴鹿1000㎞は、何が起こるかわからない長丁場。直近では、カテゴリー違いではありますが、ル・マン24時間を思い出してしまいます。ポールからスタートしたTOYOTA勢は、今年こそは盤石に思ってみていた方も多かったはず。それが、レース半分に届かないうちにマシントラブルにもらい事故と、かなり想定外の困難が待ち受けていました。もちろん、絶対勝つ法則なんてありませんが。今般もテストの結果からでは、読めない要素がたくさんあり過ぎますね。長く走れば走るほど、その悪い機会にぶち当たる要素も増える訳で…。過去には同じメーカー同士、同様のトラブルに立て続けに見舞われた年もありました。

※鈴鹿公式テストレポート SUPER GT公式サイトご参照 https://supergt.net/

長時間のレースとは言え、スプリントレースの様相を呈していて、技術力の高さをますます感じるのが鈴鹿1000キロ、シリーズ第6戦だと思っています。通常の大会とまったく見劣りしないレースが、6時間も続けられるのですから…。ですので、強いクルマ、速いクルマ、本番が楽しみでしょうがありません。

さて、前置きが長くなりましたが、話題のお二人。既に、3月の岡山国際サーキットで開催されたプレシーズンテストで19号車をドライブした小林可夢偉選手と、先月のメーカーテストで16号車をドライブしたバトン選手は、今般2度目のテストドライブとなります。バトン選手は、いわゆる“ハコ”は初めてとのこと。GT300クラスとの混走やドライバー交代など、ご自身で課題を持ち込んでの走行となったようですね。GT300が速いということを仕切りにおっしゃっていました。

小林選手は、会見などはなかったもののピットで坂東正敬監督からお話を伺ったり、様子を見ていた感じでは、たくさん走らせるという事でしたので、バトン選手同様、本戦の投入はありという訳で本格的にテストメニューをこなしていました。せっかくですから、走って欲しいじゃん! 小林選手は、今月27日(木)~30日(日)にベルギーで開催されるスパ・フランコルシャン24時間レースに、SUPER GTのGT300クラスのグッドスマイルレーシングからプライベーターとして参戦します。“ハコの可夢偉”を見る機会(スパには行けませんが…)も増えますね。当然来季も参戦となればと思うのは、盛り上がりますよね。バトン選手が、“ル・マン最速ドライバー(ポールポジション獲得)”も参戦していると言っていましたが、その素晴らしい肩書きも忘れてはなりません。

お二人に、来季に関して何か動きがあれば素直にうれしいです。バトン選手は、サーキット側主催のトークショーで、ファンから寄せられた「来年の参戦はあるのか?」の問いに、「鈴鹿1000キロが終わったら考える、来年は…、maybe…」と、含みを残しました。勝手に前向きな回答と捉えました(笑)。会見もトークショーも思いのほか時間が多くあった公式テストの2日間。あれだけSUPER GTについて語ってくれていましたので、レギュラードライバーなんて事になったら、素直に萌えます(笑)。SUPER GTは、大人気とは言っても、やっぱりメジャーなスポーツには認知度はまだ届いていないと個人的に認識、ちょっとでも国内のモータースポーツの名前を憶えていただくチャンスかなとも思います。F1ファンにも、こんなエキサイティングなレースがあるんだよ!来てね!と、言いたいですね。なかなか、F1ファンと国内モータースポーツファン、合い交えないところが、また面白いポイントでもありますが。

これから、第4戦スポーツランド菅生、第5戦富士スピードウェイ、第6戦鈴鹿サーキットと夏の3連戦が待ち受けています。それが終わると、国内では11月の最終戦のツインリンクもてぎまで開催はありません。特に、今年は最後“鈴鹿1000キロ”ですので、見逃すのはもったいない。ぜひ、夏休みでもありますしサーキットに足を運んでいただきたいですね。生の音にハマること間違いないですから!

(写真 折原弘之、テキスト 大谷幸子)

[ガズー編集部]