個性充分なステーションワゴンが相棒 ~グロリア、ステージア~

星の数ほどある車種の中から、なぜそのクルマを選んだのか。何に惹かれて相棒に選んだのか。十人十色の理由があり、こだわりがあるはず。そんな素晴らしいエピソードや、愛車自慢を聞きたくて取材を始めた。今回は、ステーションワゴンに乗る2人のオーナーに、そのこだわりと愛情の深さを聞いてみた。

平成元年のグロリアワゴンに乗る、埼玉県越谷市在住の食堂を営む萬福さん。彼のクルマ遍歴はちょっと変わっていて、以前は、S30のZを5~6台所有していたとのこと。なぜ同じクルマをそんなに所有したのかと聞くと、その内訳が面白い。サーキット用、ドラッグレース用、左ハンドル、2BY2、街乗り用。と全て仕様違いのZを乗っていたとのこと。現在は1台だけS30を残し、このグロリアと普段の足に三菱ディオンとダイハツムーヴを所有している。

グロリアを入手した経緯は、友人の中古車店に入ってきたのを見て、「面白そう」と思ったのがきっかけで即買いしたとのこと。「なんか古くて面白いんだよね。今日も富士スピードウェイまで来るのが、やっとって感じで。いつ止まってもおかしくない。それにこのクルマって5MTで、そこもすごく気に入っています。エンジンも2ℓのV6で乗り味が良くて、パワーは無くて上は全然回らないんだけど、トルク感がいい。エンジンは特にいじってなく、エアクリーナーが変わってて(購入時には変わっていた)、ストラットバーが入ってるくらい。でも楽しいから、これでいいんだ」と、実に楽しそうに語ってくれる。ちなみに家族はクルマに関しては、さじを投げていると言うか理解してくれているとのことだった。

最後に旧車の魅力について聞いてみると、「なんといっても楽しい。今の時代のクルマより味がある。このグロリアのV6も面白いよね、4発みたいなフケ方だしトルクは6発だし、とにかく乗っちゃうと楽しい。今168,000km乗っているけど、エンジンもまだまだ元気だし、乗れなくなるまでは付き合うよ。あと、3列目シートが付いてるんだけど、後ろ向きに乗るんだよね。昔のクルマは面白いね」と顔をほころばせる。

そして、このクルマの謎の部分を聞かせてくれた。それは、左側のCピラーに当たるところに付いている、謎の鍵穴だ。おそらく、はめ殺しと思われる一番後ろの窓の開閉用ではないかと想像している。だが現状は硬くて開閉できていない。強引に開けて壊れるのも嫌なので、無理に謎を解こうとは思っていないらしい。もし読者の中で、この鍵穴の意味をご存知の方がいたらぜひ教えてあげてほしい。

続いては平成10年式のステージアを所有する、愛知県名古屋市在住のハンドルネームわっちゃん。今回乗ってきたのは、ピカピカに磨き上げられたステージアRS Four。わっちゃんさんは、東海3県のステージア仲間と東海ステージアオーナーズクラブの4代目管理人をされているとのこと。細々とではあるが続けていて、仲間とのつながりを現すクラブのステッカーが貼ってあった。

ピカピカに磨き上げられ、時の流れを全く感じないクルマに、ただただ驚く。本人は「だいたい週末は、洗車しますし、ガレージに入っているから汚れにくいんです」と。そんなわっちゃんさんのクルマ遍歴は、最初のクルマが三菱エテルナサヴァと言うレアなクルマに始まり、仕事の関係でステーションワゴンを所有した後、R32GT-R、現在も所有のR34GT-Rと乗り継いだ。そこに、家族用として買い足したのがこのステージア。チャイルドシートが装着してあった。

そのステージアは、RB25のターボ。改造箇所は多数で、純正のエアロパーツでサイドとリアをかため、Fスポイラーに社外品を装着。ボディの補強にステージア260のボディ補強パーツを流用。ブレーキは、スカイラインのローターと対向ピストンキャリパーを装着。300km/hメーターに、3連メーター、BLITZのR-VITなどが装着されている。

そしてわっちゃんさんのこだわりポイントが、4本出しマフラーと電動シート。「マフラーはワンオフなんです。4本出しは、既製品ではなかったので、作ってもらいました。マフラー内に可変バルブみたいなものが付いていて、音質や音量も調整できるんです。それに、見た目も迫力あっていいでしょ。シートはスポーツタイプがよかったんですが、最上位クラスの革シートしか電動の設定がなかったんです。ですから、その電動シートを買ってきて、分解して自分で作り直したんです。革シートは、長年乗るとボロボロになるし、スポーティなシートが好きだったんで作るしかなかったんですよ」と語ってくれた。

そして「本当は家族用に買ったクルマだったので、あまり改造する予定ではなかったんです。でも、そこそこいじってしまったので、今後も少しいじろうかなと思っています。とりあえず、純正のサイドステップとかも探してます。現在190,000kmほど走行していますが、ステーションワゴンは好きなので乗り続けますよ。壊れるまで」と、今後も愛情を注いでいく予定らしい。

(テキスト、写真 折原弘之)

[ガズー編集部]