NSX、Z32 フラッグシップスポーツカーに乗る楽しさ
カーメーカーには、それぞれその時代を代表するフラッグシップカーがある。それがスポーツカーであれば、憧れの存在であるし誰もが一度は所有したい衝動に駆られる存在だ。今回は、フラッグシップだったクルマの持ち主達に登場いただいた。
愛知県名古屋市在住の匿名さんは、平成2年式のホンダNSXを所有。そのクルマ遍歴は、ニッサンスカイラインRSから始まりGTS-R、R32と乗り継ぎNSXに至ったとのこと。「スーパーGTが大好きで、レースイメージのあるクルマを乗り継いでいるんです。トヨタ車を所有しなかったのは、当時はレースイメージが薄かったんですよね」と語る。ニッサンからホンダに乗り換えた経緯について聞くと「当時NSXは、中古でも600万円くらいしたんですが、知り合いが300万円前後で譲ってくれると言うので。当時所有していたR32GT-Rがちょうど車検だったこともあって、迷わず買い換えました。ニッサンからホンダに乗り換えることには、抵抗ありませんでしたよ。ホンダもレースイメージは強かったし」
このNSXは、スーパーGT好きのこだわりが満載だ。まずフロントフェンダーは、専門店に発注したワンオフ。それに合わせてフロント、リアのフェンダーをFRP製のものに交換しFR共にボリュームを上げている。ボンネットも、リアフェンダーは空力を考えたものに交換。足回りはBBSのDTMモデル、スペーサーを入れることでタイヤとフェンダーの幅を合わせている。
さらに、コックピット周りは、跳ね上げ式のステアリングでGTイメージを強調。シフトも5MTのHパターンから、シーケンシャルのシフトに変更。これぞGTカーと言った雰囲気を醸し出している。
普段使いとして通勤にも使用しているとのことなので使い勝手を聞いてみると「全く問題ないですよ。15万キロほど乗ってますが、エンジンも快調だし不具合は一切出ていないです。前後のフェンダーがアルミなので、ぶつけると専門店でしか直せないので、そこは気をつけてはいますけどね。妻から4人家族なのに、なんで2シーターなのかと言われたので家族用に、VEZELを買い納得してもらいました」
スーパーGTが好きでスポーツカーを所有。GTカーに憧れて、愛車をチューンアップしていく。なんともレース好きには羨ましい限りのカーライフだ。
ニッサンフェアレディ300ZXを所有しているのは、静岡県御殿場市在住のヒロシさん。まず、このZを選んだ理由と経緯を聞いてみた。「このクルマは平成10年の最終型のターボモデルで、5速マニュアルは数が少ないんです。もう欲しくて欲しくて、半年以上探しました。グレードも最高グレードの300ZXにこだわったし。ずいぶん手を尽くして、やっと手に入れたんです。気に入ってる最大のポイントは、やっぱりスタイリングです。とにかくカッコイイでしょ。勿論S30やS31もいいんですけど、この大きさとか存在感がたまらないんです。国内最初の280psモデルって言うところも気に入ってるポイントですね。それに家族が増えたんで、2by2じゃないとね」と語ってくれた。
スタイリングが最大のお気に入りポイントということで、チューニングパーツもこだわっています。「まず最高級グレードの証の300ZXのステッカーはないと嫌だったんです。エアロも純正っぽい感じの、目立たない海外製の物を付けていますが、それ以外は純正ですね。ホィールは、元々この色のホィールが売ってたんですが、見つからなくて同じモデルのシルバーの物を買って剥がして塗り直しました」あまり大げさではなく、さりげない感じのエアロが好印象だった。
エンジンの話になると、「先程言った通り日本最初の280psですから、多少パワーが落ちたにしても快適です。V6ターボですからバランスもいいし、8000rpm近くまで回るんですよ。ターボのおかげでトルクが大きいのも気に入ってるポイントですね。所有して6年になりますが、まだまだ乗るつもりです。壊れて直らなくなるまでは、乗り続けようと思っています」と32Zに対する強い思いを感じることができた。
やはりクルマには、格というものがあり、NSXやZには、時代を代表するスポーツカーとしての威厳がある。今回の取材では、フラッグシップカーに乗り続けるオーナーの誇りと喜びまで感じることができた。
(写真、テキスト 折原弘之)
折原弘之
F1からさまざまなカテゴリーのモータースポーツ、その他にもあらゆるジャンルで活躍中のフォトグラファー。
作品は、こちらのウェブで公開中。
http://www.hiroyukiorihara.com/
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
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[ガズー編集部]
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