嗚呼、春!開幕目前のわさわさ ~スーパーGT公式テスト岡山・レクサス陣営~

みなさま、こんにちは!岡山国際サーキット(岡山県美作市)で開催された今年一回目のスーパーGT公式テストへ行って参りました。サーキットでエンジンサウンドを聞くと、早くレースが見たくてたまらなくなりますね。こんなに好きになったのは、何故なんだろうと自分でも思いますが。

昨年末よりテストを重ね、晴れて公にお披露目となるのは、毎年この岡山テストが最初。おとなしくしていましたので、やっとGTマシンたちに会えました。例年、話題満載のスーパーGTですが、今季もあれこれありますね。今般の岡山でのF1ワールドチャンピオンのピットの裏は、警備員お二人体制でしたよ。サーキットのパドックレイアウトが若干狭くなってしまうので、100号車のピット裏は歩けない!すんごい人でした。

毎年、テストは公式戦以上に“出待ち入り待ち”の人垣が出来ますね。ファンの方にしてみたらチャンスですものね、サインもらう。シーズン入ってからも、レースを観に来て欲しいですよ。

さて、岡山テストを見て思うのは、多分みな同じ感想かもしれませんが、今シーズンは三つ巴なのかなと。昨年は、レクサス強すぎました。ただ、同陣営で星をわけてしまったので、タイトルを獲るのは苦労した印象ですがね。

NSX GTが速かったですが、昨年の開幕戦の決勝で上位を独占したレクサスのポテンシャルも信頼のあるままだとは思うし、GT-Rの昨年の最終戦のパフォーマンスは、何かしら同陣営に良い進化をもたらせているだろうし、そう思うとぶっちゃけ読めないというのが正直なところです。

レクサス陣営は、チャンピオン1号車と36号車、6号車、19号車は、詳細はわかりませんが、大きなトラブルはなくそつなくテストをこなしていました。傍からみて、苦戦していたのは39号車。ドライバーお二人のお顔が冴えない。コメントのやり取りも、納得いってないのは、すぐにわかりました。

テストですので、今、深く聞くのもね…というまあ話は伺っても、書かないで開幕を待つスタンス。それまでにチームは絶対対処するから。ダメなまま開幕に来ないでしょ。ニュースサイトにそちらはお任せです、はい。富士テストで様子見ましょ。これがアップされる頃には、テストも終わってるかもしれないけど。

レクサス陣営は、ドライバーの入れ替えが3台ありましたが、既にチームと合流して4か月が経過。今更心配する事もないかなと。6号車は、先日の岡山は大嶋和也選手が一人でテストに参加。タフ過ぎてびっくりな2日間でしたね。そもそも岡山は、6号車は戦績が良い印象。大嶋選手は、ポールも獲っていますし、ここは勝ちたいはず。ってか、ここ数年大嶋選手の速さが結果に繋がらないのが気になっております。

これまでのテストでは、新しいチームメイトのフェリックス・ローゼンクヴィスト選手も、大嶋選手と遜色ないタイムを刻んでいたとのことで、何も問題ない様子。久しぶりに、優勝の声がきけるかな? お互いの座高の高さの違いが…というオートスポーツの記事が気になりますが、富士テストで確認して来たいと思います(笑)。いや、笑いごとではないのか…。

WEC組のスーパーGT参戦は、うれしいですが、5月のGT富士は中嶋一貴選手、小林可夢偉選手が不在。ローゼンクヴィスト選手もフォーミュラE参戦の為、不在のレースがあるとか。フル参戦と中々ならない彼らの戦績を生かしてくれる代わりのドライバーは、いるのか? 昨年まで乗っていたドライバーが代打なのか?クルマは同じだし、ブランクもないし、そうだとは思いますがね。かけもちもドライバー、大活躍ゆえ致し方なく…。どのレースも楽しみな昨今です。


しかし、ここでレクサス勢にとって、大変残念な事案が発生しました。これは痛すぎる…!スーパーGT、スーパーフォーミュラで輝かしい戦績を残して来たのは、最強のエンジンがあったから!ですが、そのエンジン開発のトップが現場から去ることになりました。え?ですが、サラリーマンとは悲しいね。異動になられてしまい、モータースポーツからしばし離れることとなりました。個人的には、一時的なことと思いたいですが、レクサス、トヨタ陣営にとっては痛いでしょう、いくらなんでも…。

その方は、TRDの佐々木孝博エンジニアなのですが、岡山テストが現場の最後という事で、脇阪寿一監督のお声がけのもと、2日間のセッションが全て終了した後、レクサス陣営みなで送る会を行いました。呼ばれて来てみたら、みんながいたということで、佐々木エンジニアは大変びっくりされていました。当然ですよね、全員集まっているんだもん!びっくりでしたよ私もね。

走行直後の時間は、走行データをみながら次のレースだったり、次のテストの話をしたりの貴重な時間。それを一番わかっていらっしゃるのは、佐々木エンジニア。そのことを気遣っている姿がまた素敵で…。1991年に入社され、1994年からシャシ、エンジンとレースに携わるようになったそう。裏方に興味がめちゃくちゃある私も、いや、私ごときもいつも相手していただきお話をさせていただいていました。私ごときが…。

これまでの輝かしい戦績を、これからも受け継いで、TRDのみなさんとチームが頑張ってくれるのは言わずもがなですが、とても寂しくなりますね…。サーキットで出会った方々は、私にとって宝物。いろんな方が、レースを支えています。彼らのチームとの平等な関わりは、仕事の成果に繋がっています。私なんかは、ただの外野。でも、いつも、少しでも楽しく時間を共有できる素敵な方でした。これからは、のんびりレースをご覧になることができると思いますので、引き続きよろしくお願いします。サーキットで待ってますからね!

春は、出会いと別れの季節。テストでピットにいる方々を見る限り、チームの中もかなり入れ替わっていますが、そんなの珍しくないのがこの業界。でもね、好きなんだなって思うレースが。職人気質だから、自分にあった環境を求めて動く人もいますしね。勉強の為だったりね…。いろんな感情の芽生える春ですが、自分も裏方ですので、お役に立てるよう頑張らなくちゃと思いました。では、また!

(写真、折原弘之)

 

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road