異変、変化、期待! ~スーパーフォーミュラ現場レポート~

スーパーフォーミュラ第2戦が、5月12日(土)、13日(日)の両日に渡りオートポリス(大分県日田市)にて開催され、予選日まで晴れ渡った九州でしたが、決勝日はまさかの悪天候、視界不良により安全を考慮して中止となりました。

阿蘇の外輪山の山合いに位置するオートポリスは、天空のサーキット。雲の中に入ってしまうと、ずーっと真っ白で見えません。霧との区別が難しいけれど、そんなお天気との戦いのサーキットでもあり、深い霧に見舞われることは今までもたくさんありました。しかし、今回は、自分のレース人生の中でも初めての経験、サーキットからの帰路に恐怖を覚えたほどでした、泣きたくなりましたね怖くて…。クルマに乗り込んだら目の前見えないし。あんなに見えないと、平衡感覚が狂うのですね。視界が開けたら吐き気がしまして、一気にクルマ酔い(涙)。ずっと前を注視してたからかな。これも経験です、学習学習。

レースウィークを簡単に振り返りますと、金曜日の設営日、湿気がなくて本当に気持ちの良い五月晴れ。見事に晴れ渡ったサーキットの光景から、まさか日曜日があんな天候になるとはね…。想像できませんが、ほんと残念でした。

オフシーズンから、ずっとリザルトの上位に名前があったイメージの20号車平川亮選手。何度も書いてますが、本当に乗れて(ここは、ら抜き言葉じゃないと意味が通じないと思ってますが…)いますね。何に乗せても速いとは思っていましたが。チームメイトの19号車の関口雄飛選手に至っても、かなりの刺激になっているはずです、二人とも良い感じだし。スーパーGTでは、トムスでクルマは違えどチームメイトですしね。

その平川選手が予選でポールポジションを獲得しましたね。満を持してという感があります。チームは、前戦で関口選手が2位に入り、雰囲気としてはとても良いはず。そこへポールと、チームインパルが今年はいい意味でひっかきまわすのか?と。それはそれでおもしろいじゃない?と思っています。

予選や決勝、いつも最後にチャンピオンがあがって来るだろうと、いつも心にスペースを作って見ています。仕事のSNSにしても、投稿する枠を取ってやっています。これは個人的にスケジュールを立てているだけですけどね。今回は、セルモインギングとトムスが不発と言ったら失礼ですが、あまり良くなかったですね。意外なほどに下位に沈んだのは、トムス。あれれ?でした。苦労してますね、開幕から。どした?

今回は、前戦の決勝中、チームメイト同士の接触がありまして、平川選手は3番グリッド降格が最初から決まっていました。だからこそ、ポールが欲しかったと話すのは、インパル高橋工場長。予定通り!とうれしそう。

星野監督は、そーっとやって来て、前回の失敗を引きずらないで伸び伸びやらせることが大事なの…と。ちゃんと関口選手には謝るようにとエンジニアに伝えたのは、前回書いたかな。まあ、そういう懐の広さを見せ、それに応える若者という事でしょうか?

失敗を攻めるのは、わたしが息子にやってしまういけない癖(笑)。心配が先に立ってしまい、また怒らせてしまう…。芽を摘み取って育てちゃって、本当に申し訳ないと思っているのですが、懐、広くないと人って育たないですよね…。加減が難しいね、わたしは単純に放置されて育ったので(笑)。

話が反れましたが、何より本人が自信を持ってやっているということ。これがいい!サーキットで会うごとに感じます。今回は、ポールポジションを獲得したので、話す機会も増え、オフィシャルステージでトークショーにも一人で出演していました。

そのトークショーをずっと見ていましたが、随分大人になったなあと。あれ?こうだった?と、失礼ですけどね。話し方がずいぶん大人になったなと。昨年、スーパーGTチャンピオンを最年少で獲ったからでしょうか? 彼のキャリアは、最年少という記録で満ちていますが、ビッグタイトルがそうさせたのか? 非常に良いことですよね。成長を感じましたと言ったら、失礼なのは重々承知ですがね。

決勝のスタートは、フロントロウがホンダの野尻智樹選手、松下信治選手。2列目が、コンドーレーシングのニック・キャシディ選手と平川亮選手のスーパーGTコンビ。この前のグループ、おもしろすぎません? 今までこんな若手だらけってありましたっけ? 数年前までは、外国人ドライバーしか会見に居なかった事もありましたよね。そして、常連ばかりという時期も。もちろんそれが悪いという訳ではありません。みんなの努力ですからね。とにかく、結末がどうなるのか、早くレースが見たかったです。

レースがキャンセルになったので、サイン会が急きょ設けられました、ドライバーやチームの方々の協力もうれしいですし、九州のファンの方のマナーも良い。時間の関係上、写真撮影が禁止なのは仕方なかったですが、貴重な一時間になったに違いありません。次こそは!ってまず、スーパーGTが秋に開催されますが、その時はぜひ晴れて欲しいですね!

話は戻りまして、ソフトタイヤは、まだ攻略にどのチームも手をこまねいている感じは否めなく…。だからこそ、おもしろそうな今季の展開。7戦しかないシリーズの1つがキャンセルになったのは、非常に残念ですが続きを第3戦が開催される来週の菅生ラウンドに期待したいと思います。このサーキットは、関口選手が得意ですが、さてホンダ勢とどう戦うのか? 楽しみにしています! それでは、また!

(写真 折原弘之、テキスト 大谷幸子)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road