心が揺さぶられるレース、大好きです! ~スーパーGT第4戦現場レポート~
年に一度の海外ラウンド、スーパーGT第4戦・タイ(6/29-7/1)! 今年も熱いレースでしたね。無事に帰国しましたので、振り返ります!
まず、オフシーズンから第3戦までずっとサーキット通いが続いて、ここでぽっかり空いたスケジュール。せっかくタイに行かせていただけるなら、少しでも早く現場に入りたいと思い、チームの設営日に併せて、日本から出発しました。伝える仕事、取材が土日の2日間だけじゃもったいないと思ってね。
この時期タイは、雨季。滞在した期間も毎日午後6時前後から、シャワーのようなスコールに見舞われましたね。最終日、日曜の決勝の夜は、スコールと雷がすごくて停電したんですよね。びっくりしました。チャン・インターナショナル・サーキットのあるブリーラムという町は、雷の通り道だとか。そんな道があるのは知りませんでしたが、しっかりタイの風土を味わって来ましたよ。
さて、レース結果はご存じでしょうか? タイでのこの結末は、誰が予想したことでしょう。毎度結果などわかる訳がないのがレースですが、まず公式予選、スコールがあがって間もなくのコンディションで、コースはどんどん乾いて行き、どのタイミングでレインタイヤからスリックに切り替えるのかが鍵でした。Q2の小林可夢偉選手の時は、スリックに換えてからマシンに不具合があってもう一度ピットに入っています。だからそれさえなければ、フロントローは行けたとチームスタッフ。そして、その難しい路面の攻略は、WEC、ル・マン24時間でさまざまな路面を走り、長いスティントでもガンガンに攻めて走っている可夢偉選手ならではと、チームのみんなが称えていました。
ホンダさんが一番時計。今季絶好調ですね。そこは驚かなかったですが、レクサス勢は、今季未勝利でしたので、頑張らないといけない。さて、決勝はどうなる?という予選結果を見て心配しました。正直、ポディウムに1台でも乗ってくれればという思いでしたね…。ごめん!
迎えた決勝朝。39号車サードの佐藤勝之社長とお話をさせていただきました。時間があると、メーカー問わずレース関係者のみなさん、お付き合いしてくださるのですが、この“雑談”は非常に貴重なんですよね。書ける内容ではないことの方が多いですが、レース最前線のお話は貴重で、信頼関係を損なわないよう私も大切に伺っています。
その佐藤社長ですが、やはり可夢偉選手の予選を絶賛。さすがだと。みなさん盛らないので、こちらも素直にお話を受け取ることができます。そして、可夢偉選手のチーム加入が決まった時は、大変なことになったと思われたそうです。素晴らしいドライバーを預かることになった、さあどうしようと。それはそれは、プレッシャーだったことでしょう。だからこそ、早く結果が欲しかったと。
国内を走るようになってから、なんだかんだ結果に結びつかないことも多く、速いのに主役になれないイメージがあります。スーパーGTに関しては、開幕戦では予選Q1落ちでQ2担当だった小林選手は、予選アタックはしておらず、第2戦富士はWECで欠席、第3戦の鈴鹿は開幕戦同様で予選を彼は走ってなく、決勝はファーストスティントを担当したコバライネン選手がスピンでリタイアと、思えばほとんどレースを経験していませんでした。レースするのは、開幕戦以来と言っていて、振り返るとこれはこれでびっくりですよね。
見事39号車が優勝を遂げ、パルクフェルメが落ち着き、表彰式が始まる前、佐藤社長がほっとされたのか私を見つけてくださりハグハグでした。いやー、私汗臭くてごめんなさい。朝の雑談からの続きのようで、とにかく安堵感がハンパなかったですね。おめでとうございます!
精悍なお顔で、少しスリムになられたなあと思ったら、12キロもダイエットされたんですって。私も糖質制限ダイエットを若干しましたが、タイ飯の旨さに絶賛リバウンド中…。それはさておき、終わってみれば、レクサスが上位4位までを占めました。
小林可夢偉選手と36号車トムスの関口雄飛選手のバトルは、見応えありましたね。終盤、36号車のピットにも行きましたが、エンジニア、クルー、みなさん非常に気合入っていました。テレビに映る中嶋一貴選手の表情も力強かったですよね。めちゃくちゃ集中していて、鋭い目つきでした。
可夢偉選手の鬼ブロック、6号車大嶋和也選手が得意なタイでの猛追…。そんな中、迎えたファイナルラップで雄飛の戦線離脱は、ビジュアル的にもココロにも衝撃的すぎました。レースに強いあの雄飛がリタイアとはね。信じられませんでしたね。
レース後、メカニックが「あと1秒の給油でした…」と。撤収作業に忙しくしていたので、That’s all. です。給油を攻めていた訳ではなく、ドライバーが速くて…ということだったみたいだね。36号車は10位からトップ争いですからね、攻めに攻めた二人のドライバー共に速すぎたのかな。そして、レクサス勢の追い上げが実りました。ウェイトハンデ制が、ちゃんと機能しているとも感じましたよ。
タイは、レース後、ドライバーさんたちが直ぐにサーキットから居なくなってしまいます。一旦、ブリーラムからバンコクへ移動するので、会見が終わるともう居ないんですよ。オートスポーツさんがトムスの東條エンジニアから話を聞いたというので、私は他の仕事で行く時間が取れなかったので記事を楽しみにしていました。東條さんもブログを直ぐアップしてくださったので、様子はわかりました。
36号車の衝撃が大きくて、一番記憶に残ってしまいました。悔しさもしっかり言葉で現す雄飛。私は大好きです。個性のあるドライバー、いいじゃない。どのメーカーがからんでも心が揺さぶられるレース、観て良かったと思うレース、いいよね。今回は、記憶に残ったレースでした。うれしさも悔しさも…。次の富士も楽しみにしていますよ!日本に帰ってくるスーパーGT!お楽しみに!
レースは、Instagramでも振り返っておりますので、是非ご覧ください!
https://www.instagram.com/yucco_ne_san/
(写真 / テキスト:大谷幸子)
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
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