2年目で優勝、さて3年目はどうなる? ~スーパーフォーミュラ現場レポート~
早いもので、スーパーフォーミュラはシーズンを折り返しました。第2戦オートポリスでのレースが悪天候により中止になっていますので、実質3戦を戦って来ました。個人的にはもっと沢山レースが見たいですが、みなさまはいかが?スーパーフォーミュラ第4戦富士スピードウェイを少々振り返りたいと思います。
今シーズン、トヨタ勢の優勝がないまま迎えた第4戦、ホームコースではぜひ勝利したいところ。しかし、大雨特別警報という名前の警報が西日本に出ていたこの期間、甚大な被害が広がり心配していました。そんな週末、土曜の予選のクライマックス、Q3は雨に翻弄されましたね。セッションがスタートする際、中嶋一貴選手ひとりだけレインタイヤを装着してコースインしました。その直後、雨が降り出しピットは大いに湧きました。間違いなく、ライバルたちも含め誰もがあの状況なら中嶋選手がポールポジションを獲得と思ったはずです。
しかし、レインタイヤは、雨を沢山含んで発動するもの。降り出した際は、結構な雨量が来ると思われたのですが、ライバルたちがレインタイヤに交換し、再びアタックを開始すると、中嶋選手を上回るタイムを刻み始めました。雨量が足りなかったようですね。タイヤを投入するわずかのタイミング。これが明暗を分けました。ポールを獲得したのは、コンドーレーシングのニック・キャシディ選手。昨年の菅生ラウンドに続き、2回目です。今回はそのまま優勝するだろうと何となく思いました。何となくね、何となく…。
決勝はニックの勢いは止まりません。やっぱり“乗れてる”(あえて、い抜き言葉)。しかし、チャンピオンチームもさすがです。今シーズンは、予選で奮わない?と心配しておりましたが、今回は、きっちり上位に来ましたし、レースペースは、ニックより速かったですよね。石浦宏明選手によると、“うちのクルマは富士にあっているんです”との事で、ここは得意。チームメイトの国本雄資選手と共に、表彰台にあがりました。今回、解説者として招かれている、脇阪寿一TOYOTA GAZOO Racingアンバサダーの解説も決勝レースを非常にわかりやすく、そして盛り上げてくれました。
コンドーレーシングの田中耕太郎エンジニアは、昨年、ニックがポールポジションを獲得した際に、「うちは、まだそこまで達していない」とポールを獲っても優勝はまだ先だろうと、本心か謙遜か、おっしゃいました。優勝した暁には、「中華街でお祝いをして、マッチ(近藤真彦監督)しばりのカラオケに行こう!」と、冗談をまじえながら決勝の朝、話したんですよね。今回は、そっとしておきました(笑)。なんかね、今回は、勝つんだろうなあと思ったので。ニックは、時にはしゃいでいたりといつも通り。若いって勢い止まらないし、このチームの二人は、緊張とかしないのかなと…。余談ですが…。
近藤真彦監督率いるコンドーレーシングのメカニックにお話を伺ったら、前戦でピット作業を落ち着いて処理できたので、今回も大丈夫でしょう!とお墨付きをいただいておりました。昨年、ニックのチームメイトの山下健太選手がポールポジションを獲得した際は、ピット作業でミスがあって…。その際は、健太選手は、いいんですとアッサリ。新人だったからでしょうか。いや信頼しているチームの事は、特に攻めないスタンスだったのかな。
あらためて振り返ると、昨年新人二人を預かったチーム、体制も昨年から強化し、そんな中でポールポジション獲得を二人が経験する…。優勝もポールも簡単な事ではないですよね。そして、2年目でついに優勝。昨年から、スーパーフォーミュラファンは注目していたと思います、このチーム。
決勝後、トップ3記者会見に出席された近藤監督は、「昨年、F3チャンピオンを二人預かり3年で育てようと思いました」とコメント。3年後の目標は不明ですが、目覚ましい成長を遂げるコンドーレーシング。ライバルたちは、自動のジャッキを持ち込み、ピット作業のタイムを削る事も頑張っていましたが、これまで同様、コンドーレーシングは手作業で行い、12.9秒という速さでコースに送り出しました。完璧でしたね。これは自信に繋がると思います。ちなみに自動ジャッキは、すぐに導入しない考えでした、近藤監督は。
そして2位に入ったチャンピオンの石浦宏明選手は、どんどん周りのチームが強くなって大変ですよねえと。その石浦選手が所属するセルモ・インギングの成長もびっくりである事を忘れてはなりませんね。あっという間にチャンピオンチームですよ。しかも連続で。
他に興味深いチームもあります。毎回、ピット作業は、こちらもドキドキしながら見ています。以前、若手のメカが緊張してしまうので、ごはんが食べられないと言っていて、レースが終わるとよく私のところを訪れ、なんか食べるものないですか?とかわいい事を言っていたなんて事もありました。懐かしいね。その緊張感たるや…。私には当然無理です(笑)。
来月の第5戦は、ツインリンクもてぎで開催されますが、真夏の開催でピット作業のミスがよく起こるラウンド。メカさんたちを応援しつつ、楽しみにしたいと思います!
では、また!
(写真:折原弘之 / テキスト:大谷幸子)
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
随時、クルマに関する様々なイベント・テーマでレポートしていきます!
[ガズー編集部]
同じライターの他の記事
最新ニュース
-
-
「さようなら。ありがとう」スズキ『スイフトスポーツ』現行モデルの生産終了に、SNSでは惜別の声
2024.12.23
-
-
-
歴代最強のハイブリッド搭載! トヨタ『4ランナー』新グレードをチェック[詳細画像]
2024.12.23
-
-
-
初代VW『ティグアン』はかなり本気度の高いSUVだった【懐かしのカーカタログ】
2024.12.23
-
-
-
これが本物のワークスパワー! モビリティリゾートもてぎでの合同試乗会に潜入
2024.12.23
-
-
-
ホンダ『プレリュード』、米国でも25年ぶりに復活へ…次世代ハイブリッド車として2025年投入
2024.12.22
-
-
-
名機・A型エンジン搭載の歴代『サニー』が集結…オールサニーズ・ミーティング
2024.12.22
-
-
-
軽自動車サイズの布製タイヤチェーン「モビルシュシュ」が一般販売開始
2024.12.22
-
最新ニュース
-
-
「さようなら。ありがとう」スズキ『スイフトスポーツ』現行モデルの生産終了に、SNSでは惜別の声
2024.12.23
-
-
-
歴代最強のハイブリッド搭載! トヨタ『4ランナー』新グレードをチェック[詳細画像]
2024.12.23
-
-
-
初代VW『ティグアン』はかなり本気度の高いSUVだった【懐かしのカーカタログ】
2024.12.23
-
-
-
これが本物のワークスパワー! モビリティリゾートもてぎでの合同試乗会に潜入
2024.12.23
-
-
-
ホンダ『プレリュード』、米国でも25年ぶりに復活へ…次世代ハイブリッド車として2025年投入
2024.12.22
-
-
-
名機・A型エンジン搭載の歴代『サニー』が集結…オールサニーズ・ミーティング
2024.12.22
-