これぞプロ!バチバチの闘志が伝わるレース! ~スーパーフォーミュラ第6戦現場レポート~

まず、あんな大雨だったにも関わらず、「行って良かった!」と、わたしのInstagramにコメントが入りました。めちゃくちゃ、うれしい!申し訳ないくらいうれしい!という訳で、気分が良くなったところで振り返り。雨、雨、雨、大変なレースウィークでしたが、終わってみれば、レースそのものが面白いという大団円な感想しかない!そんな、スーパーフォーミュラ第6戦が、9月8日(土)、9日(日)、岡山国際サーキット(岡山県美作市)で開催されました。

  • 動画:スーパーフォーミュラ公式YouTubeチャンネル

秋雨前線が停滞した中でのレースウィーク、土曜から雨がジワジワ降り始めました。残念で仕方なくホントに…。でもね、予選、白熱して面白かったんですよ。いよいよ、小林可夢偉選手が一番になる時が来たのか?と思ってみたり、毎度そうですが、予選、誰が上位に来るのか読めない展開なのです。

タイトル争いにからんでいるホンダ陣営の山本尚貴選手、ディフェンディングチャンピオンの石浦宏明選手が、まさかのQ2落ち。もちろん、決勝では、ただで沈む彼らではないので、心配はしておりませんでしたが、翌日レースが出来そうにもない天気予報でしたので、番狂わせがあるのかないのか、そこもポイントでした。

そして、Q3関口雄飛選手と小林可夢偉選手の二人だけが、1分24秒台で、1分24秒446、466。モニターの数字が遠いから、同タイム!と叫んだメディアの方もいましたが、関口選手がまずポール。レースは「明日」だから、いつも通りの雄飛で、話しかけても笑いません(笑)。わかっているんだけど、声かけちゃうじゃないポールだし。そして、自分でも、「レースは明日、レースは明日」って確認するんですよね(笑)。

迎えた決勝日、昼には大雨に見舞われ、スタート進行のディレイを2回経たのち、SCランでスタートしましたが、SC明けから“雄飛vs可夢偉”の戦いが魅せてくれましたよね。お互いミスをしたと言っていますが、果敢に攻めてのミスとリカバリーの速さは、やっぱりお見事。可夢偉選手は、トップ走行中にコースオフ、その際に3位の平川亮選手の前でコースに戻ったのですが、マシンは完全にカラダと一体になっていて、しゃべりそうでした、ここ入るよ~って(笑)。すみません、変な感想で。

独自の感想を続けますと、クルマの動きに意志が伝わっているのが強く感じられ、闘志も画面から訴えて来ました。今回の面白は、特にそこにあった気がしますがいかがでしょうか。モータースポーツは、そうじゃなくちゃね!というポイント。ドライバーの表情が見えないからね。SCラン明けのスタート、びったびたに雄飛の背後に迫る可夢偉くん。あの時点で、みなさん萌え萌えになりませんでしたか?


仲の良い雄飛、可夢偉両選手のレース時のスイッチの入り方、心地良い。お互い海外経験も豊富である日本人離れしたアグレッシブさを持っているという印象があるけれども、“信頼感”のもとで戦っていますよね。

レース序盤で二人は接触し、可夢偉選手のフロントノーズが破損しバタバタしていました。これにオレンジボールが出るのか、ドキドキしながら見ていました。出たらつまらなくなるから…。出なくてとりあえず良かったです。この後も、レース中、二人でバトルをしていて面白かったから。中段での、山本選手や松下選手の抜きつ抜かれつのバトルも、これも面白かった。カメラワークも大変だったのではと思います。ありがとうございます、たくさん見せてくれて。

  • (わたしのスマホで…)
    (わたしのスマホで…)

途中、赤旗中断になった際、チームインパルにピットに行ったら、星野一義監督、可夢偉、雄飛選手がいらっしゃいました。ん?可夢偉くんは、インパルでくつろいでいました。ちょっと面白かったです。前戦のもてぎのレースが場内では放映されていましたが、レースが始まっているのに、ドライバーがそこにいるので、星野監督焦っていました。わたしもあれ?と錯覚を起こしましたね。もてぎの振り返りをドライバー二人でしながら見ていたら、レース再開のアナウンスがあり、みな雨のグリッドにそれぞれスイッチオン状態で戻って行きました。切り替え速くて、びっくりです。

可夢偉選手の初優勝は、いつになるのかな?かなり近い感じがしますが、残り1戦となりましたね。目前で、上手の手から水が漏れてしまいます。今回は、7秒ほどリードを稼いでも、ちょっと運がなかった。でも、きっと勝つとガンガン勝ち続けそうな気もしていますよ。ドライ、フルポイントの時に拝めることに期待!

そして、悪天候の際にレースをやりたいかやりたくないかの質問は、それは自分の今置かれている状況によって考え方も違いますよね。安全面で言えば、やらないに越したことはない。しかし…。個人的には、この質問と雨男、雨オンナなどの話題があまり好きではありません(笑)。リアリストなんです、わたし…。

(これは、スマホで失礼)
(これは、スマホで失礼)

今回、岡山国際サーキットさんが用意したプログラム(グレースケールで撮影するとメッセージが浮かび上がる…)は、7月の西日本豪雨の被害を見舞うものであったことも忘れないで欲しいポイント。しかし、史上最大の台風や北海道で大地震も起きてしまい、岡山へ入る直前に日本の元気が大きく失われました。

そして、折しも海の向こうでは、全米オープンの錦織圭選手や大坂なおみ選手の準決勝が行われていて、朝それを見ながら、スポーツは元気や勇気を与えると感じました。モータースポーツもそうあって欲しいと。今、日常が失われた方々に、何を言っても、物理的な困難は何も拭い去れませんが、スポーツには、パワーがあると。

大雨のサーキットで、不自由な思いをされた方がたくさんいらっしゃいます。悪天候、そして時間切れ…となれば印象の悪いものになってしまうのは否めず。しかし!今季一番!いや、毎回一番と感じますが、変則的なスケジュールとなってしまったイベントが、行って良かった!見て良かったと感想をいただける素晴らしいレースとなりました。自分もそう思います。最後までレースを見てくれた方に感謝。そして、ぎりぎりまで、レースを行える環境を作ってくださった方々にも感謝ですね…。

今季の最終戦は、スーパーGTチャンピオンのニック・キャシディ―選手がポイントリーダーで迎えます! 今年は、2ヒートではなく、1レースで最後を締めくくりますよ。SF14社シー最後のレース、平成最後のスーパーフォーミュラ!ぜひ、鈴鹿へ足をお運びください!お待ちしています!

(写真:佐藤正勝 / テキスト:大谷幸子)

[ガズー編集部]

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