ガチンコ勝負!同点決戦は、ホンダに軍配! ~スーパーGT 最終戦 現場レポート~
100号車の山本尚貴選手、ジェンソン・バトン選手、シリーズチャンピオン獲得おめでとうございます! 8号車の野尻智紀選手、伊沢拓也選手!最終戦優勝!こちらも、おめでとうございます!
お見事でした!NSX速かったですホントに。レクサスも食い下がりましたが、最終戦にふさわしい手に汗握るレースでシーズンを締めくくりましたね!GTって面白い!と再確認させてくれたヒーローたちに拍手です!GT300クラスは、65号車黒澤治樹選手、蒲生尚弥選手が優勝し、チーム結成5年でチャンピオン獲得です。おめでとうございます!
という訳で、振り返りましょう。予選は、前に行った方が有利なのは、特にもてぎのセオリー、抜きどころのないサーキットだからね。ホンダさん、予選順調。タイトルの権利のあるレクサス36号車が、まさかの予選失敗で最下位。ここまで来るともう開き直るしかなく…。予選直後の中嶋一貴選手は、呆然としていたけれど、スタッフは気にせずいつも通りにせっせと働くチーム。レクサス1号車も6番手とビミョーなポジション。レクサスの援護射撃もないのかと思われるレクサス陣営は、中段に沈んだ予選でした。
迎えた決勝は、100号車と1号車のピットのタイミングがキーだったでしょうか。当然お互いを意識していたけど、しすぎたのか意外に引っ張りましたね。そこで、周回数をあらためて確認して、今回のレース距離は250キロだからすぐ終わっちゃうなあと思った私です。
36号車がピットの準備を始め、1号車も平川選手がヘルメットを被っていたので、100号車より早めに動くのかとピットに行ったら、あれ?1号車が動かない。しばし待っていましたが、タイヤ無交換も視野に入れていたそうで、あれこれ迷っていたみたい。ピットにクルマが入るぎりぎりまで、小枝エンジニアと平川選手が話していたのが印象的でした。あれ?もう入って来ちゃうよ?ってね。
レース後、小枝エンジニアが、タイミングを見誤った僕のミスと…、タイトルを逃してしまったことに対しコメントをくれました。結果的にタイヤ無交換は厳しかったし、タイミングとしては、やっぱりもっと前だったのかなと。まあ、終わってしまえば見ている側は、後から何とでも言えるのですがね。やっぱり慎重になりますよね、タイトルかかってますから。
一貴が、「100ピットに入ったよ!」と、大きな声で1号車のクルーに言っていましたが、結局、ニックのタイムも落ちて待てないタイミングになった1号車と「10秒」の大切なマージンを100号車が築いたタイミングが、偶然同時になってしまったこと。ここがキーでしたね。このタイミングの同時ピットは、何もうまれないからね。
1号車は、38号車が100号車の前に出るタイミングで、若干、抑えてくれた(?)ことにだいぶ助けられたかなと思います。バトン選手は、「イシウラサンブロックハ、スバラシカッタ」的なコメントを会見でしていました。38号車は、速さもあったし当然レースですから、ずっとブロックする事もなく、どんどん前に離れていきました。ホンダ64号車も抜いて2位にあがっていてびっくり。
ちらっとしか映っていなかったですが、最後、トップの8号車にテールトゥノーズとなるところまで追い上げてましたね。素晴らしい仕事が映ってなくて、すぐに気づきませんでしたが、“セルモらしさ”が、最終戦で出ました。ほんとレース巧者です。チャンピオン候補となって良いはずでしたが、来季に期待です。
若さと速さを兼ね備えた1号車と今一番日本で速いベテランとF1ワールドチャンピオン100号車との戦い。終盤、やっぱりチャンピオンまで行く人は、違いますね、全く動じませんでしたよね。さらに集中しているのが、画面から伝わって来ました。GT300車両の処理も全く危なげなかった。そこでのミスがタイトルを遠ざけますから、終わってから10歳くらい年を取った気分とおっしゃるくらい集中してお疲れになったようです。バトン選手、山本選手を最後まで立てるところも素晴らしかったです。
記者会見では、ちょっと長くなり早く帰りたそうな素振りを見せていたバトン選手。あれはチームに一刻も早く戻ってみんなと勝利を分かち合いたいんだなって思ったよ。早く戻してあげたいけど、お話も聞きたいし難しいね…。表彰式とグランドフィナーレと最終戦は、なかなかチームに戻れないからね。
高橋国光監督も、僕が話すと長くなるよ…と言いつつ、会見では5分半お話になりました。メーカーとして8年ぶりのタイトルですし、監督自身プライベートでのチャンピオンは60年ぶりとの事。募る思いは沢山あるでしょう。おめでとうございました。
監督のコメントを全部早回しで訳したソニア(通訳の伊藤ソニアさん)さんは、GOOD JOB。いつもドライバーや監督が話したことを全く端折ることなく、そして意訳せずにそのままお話されるのは、さすがベテラン通訳さんです。
グランドフィナーレで、山本尚貴選手は、優勝した8号車の伊沢拓也選手、元チームメイトに感謝の言葉を口にしました。きっとこの1年、いろんな想いが巡ったと思います。伊沢選手は、会見でチームメイトが変わってチャンピオン獲ったと考えると悔しいと吐露。これもね、よくわかりますよね。勝者は、一人(GTの場合は、一台ですね)なんだなあと思う瞬間でした。最終戦の優勝は彼らですが、最後はシリーズチャンピオンが決まりますので、扱いが小さくなってしまうけど、この言葉は耳に残りました。
今季、フラットに見て、レベルの高い素晴らしいドライバーさんたちがSUPER GTに参戦され、ジェンソン・バトン選手のようなF1ワールドチャンピオンというこの上ない肩書の方も加入し、さらに面白いシリーズとなりました。レクサス陣営もそれはそれは素晴らしいドライバーさんたち。タイトル争いに残ったトムスは2台体制ですが、出入りの激しい戦績ではあるにしても、4人のドライバーがみんな速くて今季は最強だったと思います。2台どちらも行けるというのが、最大の武器と感じましたがいかがでしょう。
トムス東條エンジニアと話したら、関口雄飛選手、移籍して来ましたが、彼は以前ヨコハマタイヤで戦っていました。トムスは、ブリヂストンタイヤ。当然、タイヤの特性もクルマの走らせ方も違って来ます。しかし、慣れるのは早かったと言います。チームのカラーも丸っきり違うので、最初は大変そうだったけど、今は大丈夫とのことでした。
移籍するドライバーさんもそれなりに大変で、その環境を自分の「場」とするまで時間が必要ですよね。そこはフツーの社会人。そして新しい環境で自分の力を発揮するというのも、プロですから「仕事」です。今シーズン、チームも変化の年だったと思いますね。お疲れさまでした。
ホンダは、スーパーフォーミュラを含む大躍進。来季はどうなりますでしょうか?日産の逆襲は当然あり。レクサスは、悔しさが原動力となりますよね。終わったそばから、GTロス。寂しいですが、ストーブリーグに注目しながら、来季を待ちたいと思います。
あとは、3メーカーのお祭りに行ってみるかな?
長くてホントごめんなさい!ここまで読んでくださっている方いらっしゃいますかね…。写真は、Instagramへ投稿して参りますね!よろしく!
(写真:折原弘之 / テキスト:大谷幸子)
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
随時、クルマに関する様々なイベント・テーマでレポートしていきます!
[ガズー編集部]
今シーズンもバトルがすごい!「スーパーGT」の記事
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