懐古、マカオ・グランプリ! ~8年ぶりのマカオ・グランプリ観戦レポート~
今回で、65回を数えるマカオ・グランプリに、8年ぶりに行って来ました。マカオの中心地の公道を使用して行われるレースがマカオ・グランプリ。WTCR、F3世界戦、GTなどが開催されます。レースウィークになると、喧噪どころか爆音が街に轟きますが、溶け込んでいて何事もなかったかのように、時が過ぎて行くんですよ。
今年は、大きな事故がありました。こちら(写真これしかなかったの…)のかわいいF3ドイツ人女性ドライバー、ソフィア・フローシュ選手の大クラッシュは、ネットでライブ中継されている事もあり、心配される声が世界中からあると共に、クラッシュ映像もどんどん拡散して行きましたね。現地にいるのに、どうなってる?今?とSNSをみんなで見ているという。パドックにいらっしゃるオフィシャルさんに伺ったら、ネット見てと言われましたしね(笑)。
日本に帰国したら地上波、それもワイドショーでも取り扱われ苦笑い。いや、いいのか…。別の意味でメディアに載る事に。ドライバーの命に別条もなかったからだと思いますが、同様にこの事故で坪井選手のお名前も拡散。もうほんと無事だったから良かったけどね。みんなこれを機にモータースポーツを見てという別の想いを持ちましたが、とにかくどうにか無事で良かったです。リスボアにいたオフィシャルさんが重傷というその後どうなったか心配ですけどね…。ただ、以前行ったときと同じ空気と人の流れ、懐かしさの込み上げるマカオGPではありました。
完全に変化した事がひとつ。もうご存知かと思いますがメインのF3の世界戦からF1にステップアップする時代ではなくなって来ているという事。F3とF1との間にF2(旧GP2)というカテゴリーが誕生しましたからね。だから、もうマカオGPなんて…という方もいらっしゃいますが、その意見も受け入れつつ、将来を夢見る若人の“数少ない”世界へのアピールの場である事は、今も変わらずと感じます。このキャリアは無駄にはならないのではないかとね。
今年も日本人の参戦やら海外の若人がたくさん参戦しました。
欧州勢と、トムス。このピットの並びは前年の順位やマカオGPへの貢献度なども実は加味されていたりするようです…
- ミック・シューマッハ選手
レッドブルは、例年ジュニアチームを送り込んでいます。他に、欧州の有力チームも参戦をやめていません。チーム名がだいぶ変わっていますけどね…。ミハエル・シューマッハ氏のご子息ミック・シューマッハ選手も話題に上りました。走り出しで速かったので。現地にいるメディアもこぞって、ピットの前に集まっていましたね。
今回のマカオウィナーのダニエル・ティクトゥム選手は、昨年勝っていますのでゼッケン1。スーパーフォーミュラへホンダ陣営から来年参戦する事が、鈴鹿サーキットでのルーキーテスト中に発表になっています。発表は、異例の早さでびっくりでした。マカオの戦績もポールトゥウィンと圧勝。グリッドで、テレビカメラが前にいたので、そこを避けて立っていたら、こちらに向かって来ましたので、なぜかスマホですがこんなショットが撮れました(笑)。人気出そうですね、かっこいい。
私が繁茂に行っていた10年以上前は、日本から欧州に武者修行に出たドライバー(トヨタで言えば中嶋一貴選手、小林可夢偉選手、平手晃平選手、大嶋和也選手、ホンダでは塚越広大選手)と、全日本のドライバーがマカオで戦うというのが圧巻でした。2006年は、小林選手は予選レースで優勝、平手選手も3位表彰台でした。
メディアセンターでの記者会見で流暢な英語を話すお二人の姿を見て、関谷さんが非常に喜んでいらっしゃいましたね。戦績もそうですが、会見は、当然英語で行われますので、物怖じしないで話すドライバーに感激。以前、TDP(トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム)は、英会話の勉強も必須でした、今はわからないけど。彼らは欧州にいるので、話せるようになるのも早かったのではと思います、10代から修行に行っていますので。関谷さんご自身も、英語が話せたら世界が違った…と今でもおっしゃっていますが、レーシングドライバー、語学も大切ですね。
2008年は、ホンダ塚越広大選手と大嶋和也選手が欧州のチームでチームメイトでした。マカオでの写真がこれ。大嶋選手だけでごめんなさい。懐かしい。メーカーは違えど、同じチームというのは、今思えばかなりご本人たちが神経質になりそうなシチュエーションですね。
また同年は、国本雄資選手のお兄さん、国本京佑選手が、なんと優勝を果たしました!佐藤琢磨選手以来でしたね。最年少優勝とアナウンスがあり、鵜呑みにして実際リリースもそんな流れで書いていたら、ニコラス・ラピエール選手が数か月早い事がわかり、原稿を何度も書き直した記憶があります香港空港で(笑)。深夜便で帰国して、また書き直して入稿したっけ。
国本選手は、レースウィークは、16位くらいからスタートして予選レースでは2位になり、決勝で優勝。走り始めは、こんな順位なのかと凹んでいたのを記憶しています。しかし、セッションごとにポジションをあげていくトムス方式。この決勝は、見事でした。どっかYoutubeで見られないかしらね。2位は、エドワルド・モルタラ選手。3位に入ったのは、今年F1のトロロッソで走ったブレンドン・ハートレー選手でした。
ハートレー選手、昨年は、WEC、 LMP1クラスのポルシェでしたね。ロン毛の青年で、レッドブルのレーシングスーツだったので、とても目立っていましてね。トムスの隣のピットだった事もあり、マークしてました(笑)。きっと、このおばちゃん邪魔って思っていたと思いますが、当時は見るだけですが青田買いも楽しいマカオGPだったので(笑)。きっとどっかで活躍するだろうと思ってマカオに足を運ばれるファンの方もいそうです。
ハートレー選手、一旦姿が見えなくなりましたが、最終的にF1ドライバーとして戻って来ました。先日のもてぎのホンダレーシングサンクスデーは、来季シートがなくなった事もあり?欠席でしたが、WEC富士で来日した際に、その事を思い出して、写真は、ちゃっかり撮っておきました。
それと、名前に記憶が調べてみたら、故ジュール・ビアンキ選手もおりましたね。エントリーリストでチェックした覚えがあったので。2014年のF1日本GPの事故で非常に残念な事となってしまいましたが…。
その翌年は、2009年には、トムスのマーカス・エリクソンがポールポジションだった。ただ、ポールを獲ると優勝できないジンクスが当時はあってね。若者が喜んじゃってメンタルが?らしく…。ジンクス通り優勝できなかったのです。翌年、F1行っちゃったけどね。私は、当時イベントがバッティングしていて、TMSF(トヨタモータースポーツフェスティバル)の為に、帰国しちゃって決勝は見られなかったなと。
さて、今シーズンSUPER GTで活躍したフェリックス・ローゼンクヴィスト選手もマカオを連覇しております。他に、スーパーフォーミュラ最終戦やSUPER GT最終戦、手に汗にぎる展開で、どきどきのレースを展開してくれたニック・キャシディ選手!彼は、マカオ3位表彰台からの全日本F3選手権参戦でF3のチャンピオンに輝き、やっぱり大物ルーキーだったなと、今更ながら感じさせてくれてました。
ブランクがあって申し訳ないですが、干支が一度だけ周った部分を振り返っても、やっぱり尊敬すべきドライバーの名前が連なっているなと感じます。来年は、メインレースのF3がなくなると聞いて、慌ててマカオ行きを決めた私ですが、F3の規格がそれぞれの国によって分かれてしまい、ほんとになくなるのかなという思いですが、ぶっちゃけ信じておりません(笑)。F3なんだかんだやるんじゃないの?と、こんな感じです。
先の事は全くわかりません。ただ、この面子を見ていると、若人がチャンスをつかむ場であって欲しいので、続けて欲しいとうのが自分の願いですね! マカオは、以前と違い、ますます英語が通じなくてなっていてびっくり。大陸からの往来が増えているのかな?そんなムードも感じつつ、フツーにレースが行われているあの環境、やっぱりうらやましいなと思いました。来年も行きたいね!
もっと書きたい事があったんだけど、長い…。では、また!
(写真 / テキスト:大谷幸子)
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
随時、クルマに関する様々なイベント・テーマでレポートしていきます!
[ガズー編集部]
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