こちらもシーズンイン!このカテゴリーもおもしろいよ! ~スーパーフォーミュラ開幕戦現場レポート~
スーパーフォーミュラ開幕戦が鈴鹿サーキットで開催されました。新型車両の話題もさることながら、SUPER GTに続き2週連続で行われた開幕戦は、決勝で、天候は違えどGT同様に荒れたレース、セーフティーカーが4度も入りました。ちょっと振り返りますね。
新型車両SF19を掌握し、早急に攻略したチームがシリーズを牽引していくことは想像できるのですが、今年の2回のオフテストを見ていると、こんな短期間でもうレースしちゃうんだと、今さらながら驚きました。もちろんテストメニューの詳細は、メカ音痴の私にわかる由もありませんが、このクルマを解析していく力は、スタート地点が同じなだけにチーム力が問われるんだろうなと。
今回、優勝したニック・キャシディ選手。昨年ランキング2位でチームタイトルを獲得したコンドーレーシングから、SUPER GTと同じチームのVANTELIN TEAM TOM'S(以下、トムス)に移籍しました。オフのテストでは、トムスが上位に来ることはなく苦戦しているように感じましたが、チームメイトの中嶋一貴選手と共に、予選でQ3に進出できず元気なかったですね、この時は。
決勝の中嶋選手は、予選同様“もらい事故”で本当に気の毒でした。首が痛いというのが、ショックと言っていましたが、普段起こってしまった事には、気持ちの切り替えが速いドライバー。首を痛めてしまったのは心配ね…、お大事に。
ニックの決勝は、チームの戦略勝ち。チームの早急な決断が功を奏しましたね。予選下位に沈んだら、鉄板のミニマムピットインの戦略ですかね。もちろんコンディションにもよりますけど、ソフトタイヤのパフォーマンスは、明らかにミディアムより分があったので、さっさとミディアムタイヤからスイッチしたのは正解でした。
ただ、やはりテスト、開幕戦の予選まで観る限り、まだまだ課題は多そうなポジション。ニックも、今回は戦略がハマったけれども、これ以降のレースは簡単ではないとコメントしています。表彰台で両脇に来たチームは安定していますから…。
その安定した2台は、2位のチャンピオンのホンダの山本尚貴選手。充分に速いだけではなく、鈴鹿が得意な結果でもあるかなと。彼もチームを移籍しましたが、影響なく今年も手強い相手ですね! 3位には、コンドーレーシングの山下健太選手が入りました。トヨタ勢で大本命な彼の安定した速さは、参戦3年目で大輪を咲かせる予感がします。オフからずっと速かったし、思い起こせば参戦初年度から素晴らしいパフォーマンス、本物でしょコレ!って思います。
ホンダさんのアレックス・パロー選手は、オフテストで常にトップに名前があり、またチームメイトの欧州帰りの牧野任祐選手も侮れないルーキーで、F4の頃から個人的に注目していました。牧野選手が、予選で豪快にポールポジションを獲得しちゃいましたね。やっぱり来た!と思った訳です。
10年ぶりのポールポジションと聞いて、10年くらい前、もっと前からかな?誰もこちらのチーム、中嶋さんちに勝てない(大げさな表現ですが一番ハマる…)時期があったのを思い出しました。強かったんですホントに。奇策(?)の2ピット作戦をやってみたりと、何が強さの秘密なんだろう…と、当時トムスのスタッフだった私は思っていました。そして、所属するアンドレ・ロッテラー選手と“中嶋さんちみたいになりたいね”と話したものでした。
その中嶋さんちから、ロッテラー選手は移籍して来たんですけどね。当時も、きっとクルマ開発で、一歩リードする「何か」を見つけているんでしょうねえ…と、話していたものでしたが、今回もそんな感じ。速さは、頭一つ飛び抜けていますね。
そうそうトヨタ勢のトップチーム争いが、近年、熾烈です。少し前(大雑把でごめん)は、トムスの一人勝ちの時期もありましたが、石浦宏明選手がカムバックした事で、セルモインギングが大躍進。チームメイトの国本雄資選手(今季は、コンドーレーシングへ移籍)もタイトルを獲得しました。そして、昨年はコンドーレーシングがドライバータイトルは逃しましたが、チームタイトル獲得とキャシディ選手(今季は移籍)と山下選手の若手の活躍が、勢いがあって止められない感じでしたね。
そんな中、トヨタ勢は、さらに若手を投入しました。JMS P.MU/CERUMO・INGING(以下、セルモインギング)に、今季、坪井翔選手が加入。彼は、SUPER GT GT500クラスと、今季はトップカテゴリーに堂々のデビューです。今回の予選は、勢い余って縁石に乗り過ぎてしまいましたが、決勝は5位フィニッシュ。決勝では、ラップタイムも安定、フレッシュタイヤを履いて迫って来た後続もきっちり押さえ入賞しました。合格点のデビュー戦でしたね。おめでとうございます!チームメイトの大ベテラン石浦宏明選手は、不運のリタイヤというびっくりなシーズンの始まりです。どう立て直して来るのか、期待しています。
坪井選手、ミスしてしまった予選を、立川祐路監督が、この勢いも必要だししっかり走れるドライバーだからどんどん行って欲しいとコメント。監督の立場、現役ドライバーとしての目線、とても心強いバックアップと感じました。当たり前なのかもしれないけど、しっかり言葉にして外に発信してくれるのは、信頼関係強固になりますね。
で、スーパーフォーミュラ開幕戦決勝のヒーロー。ヒーローなんだけど、運が味方してくれなかった小林可夢偉選手!速かったですね。1回目のセーフティーカーで、ステイアウトした時、ピットに入るのが安全策だと思っていたので心配しましたね。そして、リスタートする度、とてつもない速さでギャップを築こうとするのですが、セーフティーカーが味方してくれない…。マージンゼロのリセットでリスタートを繰り返しました。
でも、ピットの義務を果たしていなくても、レースは終了になる可能性もあるし、後ろがリタイヤすることもあるだろうし、先の事などわかりません。彼は、安全策を取るよりコース上に留まることで勝つ可能性はあるという信念を貫いたってことなんでしょうね。クルーがピットインの準備をしていましたが、あれでピットに入らないんだから、本人の意志で走り続けたのかな。ファイナルラップでピットに向かい、ピットインの義務を消化。彼の開幕戦は終了しました。
どこまで可夢偉くんらしんでしょう。元F1ドライバーですから、スキルは言うことない。でも勝っていないのが不思議ですが、過去に勝っていておかしくないレースを何度かしています。ご自身でも過去2回は勝てているなあ…とおっしゃっていました。スーパーフォーミュラで、可夢偉くんの伸び伸びした走りを見るのが、私は好きです。もちろん、レースウィークはみんなナーバスですので、そっと見守るだけですけどね。
チームもレベルアップしました。「あとちょっと待ってて!」と、昨年末だったかな、言われました。もちろん、優勝するってことですよ!ちょっと待ってて…。今年こそ、見たいですね!優勝を!機は、とっくに熟してる!頑張って!
という訳で、スーパーフォーミュラもおもしろいですよ!見てね! では、また!
(写真:折原弘之 / テキスト:大谷幸子)
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
随時、クルマに関する様々なイベント・テーマでレポートしていきます!
[ガズー編集部]
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