盤石のチャンピオンを追いかけるトヨタ勢 ~スーパーフォーミュラ第3戦現場レポート~
スーパーフォーミュラ第3戦が、スポーツランド菅生(宮城県柴田郡村田町)で開催されました。シーズン序盤の2戦が、天候に翻弄されたレースでしたが、今般、ちゃんと走ることができるレースとなったこと、良かったと思います。タイトルつけるのに、時間がかかってしまいました。いろんなことを書きすぎましたが、ちょっと振り返ります。
- 2位表彰台獲得 carrozzeria Team KCMG 小林可夢偉選手
今回は、予選方式が変わりました。Q1が2回に分けられて、10台ずつでアタックすることに。予選時、前のクルマと最低でも200メートルほど車間距離を取るのが理想なそうですが、現在20台の参戦があるので、単純に4000メートルは必要。
ここ菅生は、約3700メートルの全長ですから、コース上でトラフィックが起きるのは必至。この変更は、とても良いと思いましたね。ドライバーたちからも好評でした。全戦、そうしてほしいというドライバーもいました。
実際の予選は、Q1から順調に進んでいたのですが、Q3が物議を醸しました。1分以上を残して赤旗によりセッションが終了となったのです。
ポールポジションを獲得した山本尚貴選手以外がアタックする前で終了でしたので、ドライバーからも、見ている側からも消化不良という言葉が出てしまいました。ポールを獲った山本選手も、そんな主旨の発言をしていましたね。Q3のセッションそのものが、短いので1分は貴重。だから、ちょっとだけ残念だったかな。
トヨタ勢は、Q3に進出したのが、小林可夢偉選手の1台だけという、とても厳しい結果。ドライの予選で、ここまで上位にホンダさんがくるのは驚きでしたが、逆に、トヨタ勢が上位を占めて、落胆したことだってホンダさんはある訳だし、勝負は勝負と…。
- 得意な菅生も今回は奮わず ITOCHU ENEX TEAM IMPUL関口雄飛選手
予選結果を見ると、雨でも降らない限り優勝は厳しいかなと思いつつ、決勝は、トヨタ勢はなんだかんだいっても強いので、おもしろくなるのかな。と、そう思いました。
曇りと小雨、霧雨、たまに大粒の雨だけど短時間…。時折青空、レース中も青空が見えたり、ちょっと風があったり。天候について書く欄に、書いて良ければレースウィークはこんな感じでした。梅雨時の開催を決定するのは、オーガーナイザーさんもかなり勇気のいるものだったと思います。
ここ10年くらい?4輪のレースカテゴリー、国内でも増えてますし、海外のレースへの参戦も増えていますよね。メーカーの動きも大きく変わりました。いつもどこかでレースウィークです。今回は、ドイツのニュルブルクリンク24時間レースともかぶっていました。
菅生のレースウィークは、いつものように慌ただしく動いてましたので、ほとんど見られませんでしたが、SNSを見ると、あちこち気持ちが飛んでいきます。モータースポーツ、現地には行けないけれど、たくさん開催されるのは、嬉しい限りです。
そんな中で、スケジュールを編成するのは大変だと素直に思います。あちらを立てれば、こちらが立たずでしょうか。モータースポーツ、花盛りで嬉しいことなのですが、とうとう、梅雨時にビッグレースをやるんだ!と、当初は思いました。
6月に入れないと、間が開いてしまうのもありますが、結果的に、梅雨だけれどドライコンディションでレースができて良かったです。若干降りましたけど、路面を濡らす程度でした。屋根のないサーキットですので、そこが心配ですよね、お客さん逃げ場がないので…。
- 14番手から4位 VANTELIN TEAM TOM'S ニック・キャシディ選手
さて、予選で下位に沈んだクルマは、早めのピットインでソフトタイヤで追い上げるというのが、このシーズンの定番になってきましたが、今回もそうでしたね。ソフトタイヤが、最後までもってしまうので(この言い方、ごめんなさい)、そんな戦略をとるチームは多く…。今回も、オープニングラップを走り終えてから、ピットに飛び込むクルマが多かったです。
3周目で入ったクルマでさえ、燃料をどれくらい入れたかはわかりませんが、燃費走行で戦ったそうなので、ガス欠のリスクを背負ったクルマは何台かいたでしょう。セーフティーカーが入ることを考慮するのも、戦略の一つ。そうかそうかと改めて思ったり。
結果、セーフティーカーに助けられたクルマもあったようですね。ギャンブルとまでは言いませんが、ここは必ずと言って良いほど、レースが荒れたりしてセーフティーカーが入るので、そこは考慮しますよね…。
- 終盤、着実にポジションを上げて行ったcarrozzeria Team KCMG 小林可夢偉選手
決勝は、スタート直後の1コーナーへの攻防と、序盤のピットインからしばらく膠着状態。レースが動いたのは、68周のレースで50周を越えてからでした。ピット未消化の上位陣が動いたのと、単独スピンがきっかけになったのですが、終盤にセーフティーカー、2回入りました。
小林可夢偉選手、2位まで上がりましたが、トップを追いかけるには、ちょっと足りなかったかな。今回も面白いようにクルマを抜いていって、さすがだなと思いましたよ。
- チェッカー後、表彰式へ向かうcarrozzeria Team KCMG 小林可夢偉選手
可夢偉くん本人は、記者会見で、「セーフティカーのタイミングがもう少し早く出てくれていたら良かったんですが、僕がトップを走ると、だいたいろくなことがなくて…。後ろに行くと助けてくれないし。先週の2位(ル・マン24時間レース)に続き、僕を助けてくれることはないんだな。と、改めて2週連続で感じました」とコメント。
きっと“また2位”と思ったかもしれませんが、シルバーコレクターだとも思ってなく…。ただ、彼が勝つ時は、何の助けもなく、勝つ!助けなんか必要なくね!と思っています。根拠は、これまでの走りを見ればね!
- ポールトゥウィン!DOCOMO TEAM DANDELION RACING 山本尚貴選手
- 18番手スタートから5位入賞 KONDO Racing 山下健太選手
終わってみれば、トヨタ勢5台入賞していました。そうなったかと。ランキングは、山本選手のぶっちぎりで、さすがチャンピオン!ですが、残りの4戦もますます楽しみです。いろんな攻防が見たいじゃない?それがレースの醍醐味だしね!SUPER GTだけじゃなく、このカテゴリーもおもしろいから、ぜひ見てほしい!では、また!
(写真:折原弘之 / テキスト:大谷幸子)
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
随時、クルマに関する様々なイベント・テーマでレポートしていきます!
[ガズー編集部]
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