平川亮、スーパーフォーミュラ初優勝!灼熱のもてぎをトヨタ勢が表彰台独占 ~スーパーフォーミュラもてぎラウンド現場レポート~

言葉にしたくなかったけど無理…、もてぎホント暑かったです。8月17日(土)、18日(日)、スーパーフォーミュラ第5戦が開催されたツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)に行って来ました。

台風一過の酷暑で、予選日は38度まで気温が上がりフラフラでした。ピットの後ろにあるテント、あれはもうサウナでしたね。サーキットで観戦してくださったお客様に感謝ですホント。私が言うのもおかしいけれど。

来場を促しつつも、これは外出を控えた方が良いレベルの暑さなのかなと葛藤したりの現場。今回は写真をあまり撮らず省電力モード、体力温存で仕事をしていました。振り返ります。

金曜日のフリー走行でトップタイムだった平川亮選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。

昨年、チームインパルからスーパーフォーミュラに復帰すると、最高位2位までの目覚ましい活躍を見せたのですが、今季は戦績は低迷。ちょっと心配していました。今回は、しっかり速さを見せつけオーバーテイクで2番手からトップに躍り出るという見応えある勝ち方をしましたね。

とうとう亮が勝った!と思って眺めていましたが、初優勝は一回しかないから…とのコメントが、自分はそんなステージで生きてないので暑さも手伝って言われるまでピンと来なかったという。ダメですねえ。

待望の初優勝!ほんと良かった。ファミリーもさぞかしお悦びのことでしょう。

彼は、2017年に最年少SUPER GTチャンピオンをニック・キャシディ選手と獲得しました。

彼が普通自動車免許を取得する前から走っていた岡山サーキットは、今でも得意なコース。誰にも見えないレコードラインがきっと見えているのでしょう? SUPER GTでポールポジションを獲得したことがあるのですが、ピットに戻って来た彼があっけらかんとしていて、不思議な言葉を言いながら歩いてきたのを記憶しています。それから宇宙人だと思うことにしました。とてもユーモアのある青年で、どこから攻略しよう?と思ったことがあったっけ…。

昨年、ご結婚されお子様も生まれ一児のパパ。今季は生活環境も激変したことでしょう。でも、家族を持って“責任”も生まれてシーズンに、晴れてこの初優勝を掴み取ったことは人生のコンテンツ的にもビッグイベントで、これを機に自信もますますつくし、今後が楽しみ!

笑顔が大人になったなあとふと感じたりね。一皮むけるタイミングってあるじゃないですか。一般人の我が家の事例で申し訳ないですが、愚息がえっらく頼もしくなったんですよ、最近。

頼りにしちゃっている自分がいて、仕事がうまく行かないときとか愚息に愚痴をこぼしたりするのですが、的確な返事が返って来たりするのでびっくりです。平川選手と年齢も近いのですが、そんな社会人としてさらに大人になるタイミングを感じました。ま、我が家の場合、70スープラにぞっこんなので孫の顔は当然見られそうにないですけどね。

そして、2位の小林可夢偉選手(carrozzeria Team KCMG)。

今回も勝てたレースと言えばそうでしたが、タラレバを言うのは容易いですが、何より速かったのが一番のトピックだったかな…。やっぱり彼の気迫のある走りは見ていてワクワクします。元F1ドライバーというお墨付きもあるけれど、アグレッシブな走りはピカイチ。走りを見ていて伝わって来ます。私だけじゃないと思うんだよね。

レース後、「じらして取った方が気持ちいいでしょ。いつか必ず勝つから!」とおおらかなコメントをくださいました。終盤のプッシュもミディアムタイヤでも速かったから、まだアドレナリン流れまくりで、きっと悔しさもあったかもしれないのに、私は何というタイミングで話しかけちゃったのかなと。

過去にピット作業で優勝を逃したのは記憶に新しいというか、忘れられないシーンですが、今回は、最後のピット作業は12秒ジャスト。40秒の失敗から今やですよ…。速かったね。こうして機が熟して行くのかな。待つよ~いつまでも勝つまでね。

レース後、頑張ってって腕をポンポンってやったのですが、アンダーがびっしょり濡れてました。シャンパンファイトか汗なのか不明だけどね。エアコンの効いた部屋で行われた記者会見で、寒い寒いっておっしゃる訳ですよ…。ね。

3位のニック・キャシディ選手(VANTELIN TEAM TOM'S)は、戦略勝ちで12位から3位。

開幕戦を思い出しましたが、もちろん彼の速さもあっての結果。ピットのタイミングでコース上でクリアな場所を走れた事は大きいですね。タイヤを使わないで済むし、とにかく余計なことをしないポジション。フルタンクの走行でトップタイムだったし、自信を持って臨んだことでしょう。何もかも戦略も走りもハマったもてぎでした。

残りは、2戦。今回は、ディフェンディングチャンピオンのホンダ勢の山本尚貴選手は、ピットスタートになりしっかり戦うことが出来ませんでした。残念でした。でも、このたった1ポイントの差…、最終戦まで争いは当然もつれ込むでしょう。鈴鹿は、山本選手は得意ですしね。とにかく、レースが楽しみです。

そうそう今回は、若手の登竜門となっていたこれまでの全日本F3選手権が、スーパーフォーミュラ・ライツという名称で生まれ変わり、その概要が定例会見で発表されました。

F3に関しては、どうなるのか噂ばかりが先行していましたが、やっと安堵です。トップドライバーを目指すカテゴリーがなくなっては困りますからね。

(F3協会ウェブサイトをご参照 http://j-formula3.com/

今、モータースポーツもパワーユニットを含め、諸々過渡期に差し掛かっているのは、間違いないですね。でもって思うのは、フォーミュラのカテゴリーも、ハコ同様もっともっと盛り上がって欲しいモータースポーツ。そっと応援し続けます!では、また!

(写真:折原弘之 大谷幸子 / テキスト:大谷幸子)

[ガズー編集部]

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