SUPER GT x DTM!ドリームレース初開催!また観たいと思うのは私だけ!?~特別交流戦現場レポートその2~
SUPER GTファンのみなさまが、GTロスにならないようにといつも思っているのですが、特別交流戦が終わった途端、自分がGTロス。設営、練習走行の2日間を経て、いよいよ予選・決勝となったら、さみしくなり…。
でも、レースそのものがおもしろかったという〆で終わったことが、自分の中でとてもハッピーでした。そしてネットを見ている限りですが、そんな思いを抱いた方が結構見受けられ、次回開催が今すでに楽しみという…。では、レポートの続きです。
11月21日(木)、22日(金)
集合写真の撮影が終わると、バタバタとSUPER GT勢のみの走行が始まりました。初めてのハンコックタイヤということで、タイヤテストの時間が設けられたんです。SUPER GTのタイヤは、みなさんよくご存じのブリヂストン、ミシュラン、ヨコハマ、ダンロップのメーカーが現在参入しています。
タイヤのそれぞれの違いはありますが、端的にDTMと比較すると、とってもグリップするタイヤでレースをしているんです。オフシーズン、シーズン中、タイヤの開発テストもありますしね。勝つための努力を惜しみません。
グリップ…、ネバネバすればするほど路面をキャッチしてくれますのでクルマも速く走ることができます。しかし、DTM勢のタイヤは、そこまで開発されたものではないらしく、逆にどうなるのか?めちゃくちゃ興味がありました。
昨年、SUPER GTのGT3車両で走っていた、欧州のファクトリードライバーに話を聞いたら、GTのタイヤはグリップするから、走るのが楽しいと言っていたのを思い出しました。
ワンメイク、これはもう楽しみでしかなかったです。短時間で攻略していく様がね。初回開催だけあってとっても興味深い。レポート1のタイヤ交換への興味と同じで、特別交流戦ならではの見どころが結構ありましたね。
練習走行日は、スタートシーンも注目していました。インディスタイルのローリングスタートは、迫力満点。スタート練習でDTM勢が前を走る時は、隊列の進み方が結構ゆっくり、日本勢が前だと、スピードを上げるのが速い感じがしました。2回の練習時の印象はそんな感じ。本番になったらじわじわ、ぎっちぎちに隊列が進んで行きましたね。
ブレーキ踏みながらの隊列は、なんかこう緊迫した“貯めてるバチバチなせめぎ合い”がいいね~!ってうまく表現できません。DTMだとクルマの接触は許容範囲みたいですが、今回は日本勢もスタート前から、しかも、最前列の日本勢同士が、接触しながら隊列が進んでいくという迫力はハンパなかったです。
あのインディスタイルは、ドライバーのスキルがないとできないことですよね。改めてプロってスゴイ!と思いました。ドライバー自身も、ヤバいと言ってる方がいましたね。きっと、若者が使う方のヤバイ(エキサイティング的な意)だと思います。でもだからこそ“危険”という意味も含んでいたのかな。とにかくヤバイスタートでした。
11月23日(土)、24日(日)本番!
ドライバー2人1組のSUPER GTですが、それぞれ2日間に分かれ予選・決勝に挑みます。予選は、Race1のポールポジションは、ニック・キャシディ選手(LEXUS)、Race2は、中嶋大祐選手(Honda)と日本勢でした。これは誰ということは抜きにして、予想通りなのかもしれません。
いざ走行が始まったらDTM勢が苦戦していたので。「クルマが遅いからね。」と言っていたDTMドライバーもいましたが、タイヤの使い方はよくご存じ。そこはさすがで、じわりじわりと簡単に負けることなく、帳尻をあわせてきていました。ベテランさんたち、侮れないです。
そうそう中嶋大祐選手、ポールポジションのDTM側のインタビューで、今回がレースキャリア最後のレースと、「引退」を英語でサラっと述べてビックリしました。英語だから気づいてない方も多かったかもしれません。そこで言うんだって感じです。
でも、ラストレースがここだからね…。中嶋悟さんがおじいちゃんになった時も教えてくれてね(ご結婚されて、そのうちお子さんが生まれてという経緯)。大ちゃんは、お兄ちゃん(中嶋一貴選手)よりもしっかりしてて長男タイプ(笑)。レースではない道に進むそうですが、30歳という若さ、今後の活躍も祈ってますね。大ちゃんバイバイ!また会えると思ってるからね!
でもって、決勝は、Race1のポディウムは、日本勢が占めました。ニック・キャシディ選手のポールトゥウィン!彼はもう止められませんね。旬なドライバーです。2位に塚越広大選手(Honda)3位山本尚輝選手(Honda)が入りました。
ホンダのお二人の会見、とても清々しい気持ちになりました。まず開催まで尽力された関係者のみなさまへの感謝の言葉を述べたこと、これは社交辞令ではないと感じました。そして、改めてSUPER GTのおもしろさを感じたこと。また、この特別交流戦の開催を希望したこと。ドライバー自身が楽しんでいたことがわかるというのは、とても良いですよね。言葉で聞くことができで安堵です。初開催は実際どうなんだろうという気持ちで見ていましたので。
また、慣れないタイヤでレースをするということは、ネガティブな材料でしかないように思っていましたが、そこはみんな一緒。同じ道具で走ったらこれまでと違う何かが見えるのかも?なんて思ってみていました。短い時間で日本勢はその攻略に頭を悩まします。でもそれがカタチとなっていく。尊敬ですよ、ホントに。タイヤの個体差など、運?数字でわからないこともあったりしたのかもしれませんがね。
でもいざレースをすると、車種別になんとなく順位も分かれてきたりと、クルマの持つポテンシャルは、きっちり管理されていると感じたり、ドライバーやチームがそれを引き出す能力にかかっているんだなとか、今さらそこ?というような、いろんなことを素人の私も考えました。この“わかった風”でいるのが楽しいのかもしれません(笑)。わかった風、わかった風…。
今回のイコールコンディションで、同じSUPER GT勢に対し自分をアピールできたと話すドライバーがいました。シーズン中、苦労してきたドライバーですかね。もちろんこの特別交流戦だけの話ですよ。みんな一緒だからこそできるアピール。そのドライバーさん、いい走りしてました。
GTドライバー全員が、エンジンもタイヤも性能差のまったくない、そうだね…三輪車でよーいドン!する状況を思い浮かべてください。そこまですると、誰が一番だろうって考えると楽しくないですか? 極端な発想ですけどね。今回はもちろんそこまでではないですが、少しそれに近い感覚で見ていました。
今回の特別交流戦は、DTM勢は、DRS(ドラッグ・リダクション・システム)と、 Push to passは使用禁止となっていました。DRSはレース中に、リヤウイングの角度を調整できます。Push to passは燃料流量リストリクターで流量を調節できるものがついています。シンプルにレースがおもしろくなりますが、先月のホッケンハイムのDTMの最終戦は、こんなことができるクルマの中に、日本勢の3台がゲスト参戦。
そりゃ勝てるわけがないんじゃないかと思いました。日本勢は、丸腰だったと考えると、よく頑張りました!と頭ナデナデですね。初めの一歩、参加することに大きな意義があったということだと思うし。
Race2は、ナレイン・カーティケヤン選手(Honda)でした。インドのご出身の元F1ドライバーです。日本での初勝利となりました。おめでとうございます!2位に、マルコ・ヴィットマン選手(BMW)、3位にロイック・デュバル選手(Audi)となりました。
マルコさん、10年くらい前のマカオグランプリで見かけてちょっとファンになりました。DTMチャンプになったりと活躍してますね。家族と彼女との来日で日本でのバースデーを楽しんだようです。ロイックは、ついこの前まで日本で走っていた感じ?彼、未だに速いのはすごい。まだまだいけますが、イケメンで速いのは若干反則だな(笑)。相変わらず、イケメンオーラ全開でした。めちゃ早口の英語とウィンクが懐かしかったです。
書きたいことがたくさんありすぎて、長いからとりあえず〆。異なるカテゴリーを1つにするのは、エネルギーの要るもので難しいですが、交流戦はおもしろかったという感想は変わりません。また見たい!そう思いましたよ。またね! 以下ギャラリーです。見てね!
(写真:折原弘之 / テキスト:大谷幸子)
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
随時、クルマに関する様々なイベント・テーマでレポートしていきます!
[ガズー編集部]
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