注目のドライバー福住仁嶺選手がGT500クラスへステップアップ!など諸々振り返り~SUPER GT×大阪オートメッセレポ~

さて、レポートの続きです、大阪オートメッセ、SUPER GT関連を振り返ります。イベントには、昨年のGT300クラスチャンピオンの高木真一選手や福住仁嶺選手、武藤英紀選手と前述のレポートで取り上げたGT500チャンピオンの大嶋和也選手が参加されていました。

向かって左 福住仁嶺選手、右 高木真一選手
向かって左 福住仁嶺選手、右 高木真一選手

今回は、ゲストの中で一番若い福住仁嶺選手とご一緒するのも楽しみにしていました。ホンダ陣営は現在F1に参戦していることもあり、メーカー所属のドライバーが頂点を目指し海外で学ぶ環境があり、今年は日本人ドライバーが3人(F2/角田裕毅選手、フランスF4/佐藤蓮選手、岩佐歩夢選手)、海外で参戦します。

トヨタ陣営も近年WRC、WECの海外のカテゴリーで育成プログラムを開始し、海外で頑張っているドライバーがこちらも2人(WRC/勝田貴元選手、WEC/山下健太選手)いらっしゃいますね。F1に参戦していた頃、頂点までたどり着いた中嶋一貴選手と小林可夢偉選手は、もう大ベテランの域。世界の大舞台で今も現役ですよね。

話を戻しますが、福住選手(23歳)も、すでに海外経験を3年積んで昨年より日本に戻り、SUPER GTとスーパーフォーミュラに参戦されています。昨年はGT300クラスのチャンピオンを獲得し、GT500クラスへ理想的の形でステップアップとなりました。チームメイトは野尻智紀選手です。スーパーフォーミュラも、昨年同様ドコモチームダンディライアンレーシングからホンダ陣営のエース山本尚貴選手と参戦、今年も素晴らしい環境が彼をサポートします。

サーキットでお見かけしていて、なかなかユニークな若者だなと勝手に注目しておりました。今時の子…の感覚ですが、この業界の世代のボーダーラインはどの辺でしょうかね?周囲は若くてついていけない宇宙人感覚を持つ世代と、自分が若いときに30代くらい以上をおじさん、おばさん感覚で捉えていたあの感じのボーダーって…。

福住選手、海外に行かれる前に全日本F3選手権に1年参戦していたので、お顔とお名前を覚えていて、翌年、あれ?今年はいなくなった?なんて思った記憶が。海外に行かせてもらえるなんて、サラブレッドだなあと思っていました。
ここんとこ20代の若手の成長著しい国内カテゴリー。メーカーの育成も将来のために、このまま継続して行って欲しいと思っていますが、そんな有望な若者たちが揃う中でしっかり活躍中の彼に、ちょっとですがお話を伺ってみました。それでは、どうぞ!

――いきなりですが、お名前が素敵ですよね?ご実家はお寺と伺ったのですが

福 住:僕の父は僧侶なんです。高野山に行ったときに、高野山にいた母と出会い結婚したんです。

――レーシングドライバーとなったルーツを教えてください

福 住:父がレース好きで、そもそも父がレースをやりたかったのですが、それは叶わなくて、自分たちにその機会を与えてくれました。兄がレーシングカートを始めたこともあり、5歳のときに自分も始めました。兄は、小学校の後半でレースをやめましたが、自分はそのまま続けました。そして、2013年SRS(鈴鹿レーシングスクール)に入りスカラシップを獲得し、2016年から3年間(GP3で2年、最後の一年はGP2へ参戦、レッドブルアスリートにも選出されている)海外でレースをして、昨年から日本に戻り、GTとスーパーに参戦しています。

――海外に行かれたときの語学力は、どんな感じだったのでしょう?(トヨタ山下健太選手にも希望が見えた瞬間。かなり苦労されているみたいなので…)

福 住:フランスの田舎町に2年、イギリスではレッドブル本社の近くに1年住んでいたのですが、最初フランスに行ったときは、英語をまったく話すことができませんでした。海外に行くとなったとき、日本語もまともに話せていないような状態だったので(笑)、勉強しましたね。今は大丈夫なのですが、チームとコミュニケーションをとれるまで、とにかく勉強をしました。

――サーキットで見ていると、メーカー問わずいろんな関係者と話しているのを見かけますが、かわいがられキャラでしょうか?(あえて、彼の素敵な個性として聞いてみたよ)

福 住:そうだと言われたこともありますが、海外に行く前に日本でもレースをしていたので、みなさんとも話しますし、かわいがってもらっていると言われればそうかもしれませんね。

――チームやチームメイトの野尻智紀選手(SUPER GT)はどのような感じでしょう?(チームに対する気持ちを素直に述べてくれたのですが、日本語をたまに忘れているときがありましたので若干編集 笑)

福 住:チームはみなさんご存じのように元F1ドライバーの鈴木亜久里さんのチームで、プロフェッショナルであるのは言うまでもありません。亜久里さんがドライバー目線で見てくださるので、ドライバーのことも非常によくわかってくださるし、また厳しくもあると思っています。いつも良いチーム作りに頑張っていらっしゃいます。昨年もこちらのチームでしたが、GT500クラスに上がったことで、昨年以上にプレッシャーを感じています。野尻先輩は優しいです。本当に真面目でレースに対して非常にストイックですし、チームはどうしたら強くなるのか?など、そういうことを常に考えている姿を見ているととても尊敬できます。

――今年の抱負をお願いします!

福 住:今季もスーパーフォーミュラとSUPER GTへ参戦します。昨年は、高木選手と走らせていただきGT300クラスでチャンピオンを獲得することができました。2018年に参戦していたF2で、シーズン中に色々苦しんで思うような成績を上げられなかったのに、ARTA(AUTOBACS RACING TEAM AGURI)の鈴木阿久里さんとホンダさんに拾ってもらい、昨年より日本でもレースを続けていられることになりました。感謝しています。SUPER GT GT500クラス、スーパーフォーミュラ、今年もまた最高峰のカテゴリーに参戦できます。今まで以上に“プロ”にならなくてはと思っています。野尻さんからもたくさん学んで頑張ります!応援よろしくお願いします!

ありがとうございました。少し前に書いたGT500クラスの妄想レポートでも触れていますが、可能性を感じるドライバーさん。頑張ってくださいね!

向かって左がピエール北川さん、右が、こにわさん 写真イマイチごめんなさい!
向かって左がピエール北川さん、右が、こにわさん 写真イマイチごめんなさい!

そして最後になりましたが、イベントを盛り上げたMC陣について紹介させていただきますね。
MCは、モータースポーツと言えばこの方、SUPER GT公式アナウンサーでもある、ピエール北川さん。そして、SUPER GT公式応援団長、こにわさんが盛り上げてくださいました。サーキットの場内アナウンスを聞いたことあるかな。彼の盛り上げは本当にワクワクするんですよね。発する言葉に愛があってわかりやすいMCで有名です。レースが始まる前の「Are you ready?」の呼びかけは業界全国区。サーキットでレースが始まる!という高揚感に包まれます。今度じっくりご紹介したいと思います。

今度は、もっとちゃんと写真撮りますね
今度は、もっとちゃんと写真撮りますね

SUPER GT公式応援団長のこにわさんは、サンミュージック所属のお笑い芸人でもあります。芸人さんはとても器用で、頭が良いと私は常々思っています。人前で芸を見せるのが仕事だから度胸もあります。レースの盛り上げについて話すと、一日26時間あってもきっと足りないでしょう。ご職業の印象と全く違って、本当に真面目です。いろんなスポーツに自腹でもお出かけになって、その目で確かめてから…という方ですね。地上波のテレビで出演されることもあり、彼がもっと有名になることもモータースポーツを少しでもメジャーにする手段の1つでもあると勝手に思っております! SUPER GTでは、ピエールさんとオフィシャルステージでドライバートークショーを盛り上げていますので、オフィシャルステージにぜひ行って見てくださいね!

長くなりましたが、新型コロナウィルスの心配をしつつ、レースにイベント、早く正常に営業できる世の中になって欲しいですね。終息を切に心から願っております。それでは、また!

(写真/テキスト:大谷幸子)

[ガズー編集部]

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