僕のおもちゃ箱完成! ~レーシングドライバー谷口信輝選手自慢のガレージ紹介~
今回は、写真教室でおなじみの折原弘之カメラマンが、レーシングドライバー谷口信輝選手のガレージにお邪魔させていただきました。
谷口選手と言えばプロドライバーの中でも屈指の“クルマ好き”。先月49歳になられたそうですが、年齢不詳のかっこいいドライバーさんですよね。
その谷口選手の魅惑のカーライフについてお話をうかがってきました。
きっと、こちらのガレージは谷口選手のカーライフの中のほんの一部分なのだと思っています。クルマを楽しむスケールの大きさがあまりにも違いすぎますから…。
ガレージの紹介の前に、谷口選手をご存じない方のためにこれまでのレーシングドライバーとしての戦績を紹介しておきます。
プロドライバーとしてのキャリアの出発点は、2001年のD1 Grand Prix参戦。
ここで谷口選手は、世に名を知らしめました。同年このカテゴリーでチャンピオンを獲得。
SUPER耐久へも参戦し、翌2002年からSUPER GT GT300クラスへも参戦とプロとしての活動を広げていきます。そして、スーパー耐久では2002年、2005年、2008年から2013年となんと8回、SUPER GTでは3度シリーズチャンピオンを獲得。
2013年から始まった激戦と言われるTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceのプロフェッショナルクラスでも4度のチャンピオンと、数々の輝かしい戦績を残しています。
今季もSUPER GT とTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceに参戦。SUPER GTでは、GT300クラス(GOODSMILE RACING & Team UKYO)に片岡龍也選手をパートナーとして実に9年目のシーズンを迎えました。
ざっと見た限りでもこれまでトップドライバーとして君臨してきたことが容易にわかりますね。
さて、本題。クルマ好きとして知られる彼が現在所有しているクルマは、Mercedes AMG GT53
4Door Coupe、Mercedes AMG A45 S 4 MATIC、日産 シルビア S15、日産 180を2台、日産 GT-R 35、トヨタ スポーツ800、トヨタ アルテッツァ、トヨタ ハイエース グランドキャビン、レクサスRC F と、実に10台ものクルマを所有しています!
10台もの愛車たちを使用用途によって乗り分けているそうですが、これだけ所有すると保管するのも一苦労。
製作中のクルマは、ショップや板金屋さんに置いていたりしますが、他はたくさん駐車場を借りて所有しています。
そんな中、屋根付きの駐車場が欲しくなり、かなりの時間を費やして自宅近辺を探したそうですが、なかなか見つからず、途方に暮れていると、知人から「見つからないならガレージを立ててあげようか」との申し出があったそうです。
所有されている土地に谷口選手のガレージを立て、賃貸のガレージとして谷口選手が借り受けるということで話がまとまりました。ご好意に甘えたかたちです。きっと強固な信頼関係に基づくお話ですよね。
ガレージを所有するということは一歩前進しましたが、次は費用の問題が立ちはだかりました。シャッター付きのガレージを新たに立てるとなると、初期費用がかなり高額になりますが、ご好意に甘えてよい金額と谷口選手は考えなかったようで、5年分の賃料を一気に支払うことで初期費用に充当していただいたそうですよ。
男気発揮、気持ちに対して気持ちで答えるという、谷口選手らしい行動ですね。どちらの側の立場に立ってもうらやましい人間関係です。
そんな流れから晴れてガレージを手に入れた谷口選手。ガレージ作りにさっそく着手です。まず棚を作り工具セットを入れ、床材を敷きました。手にしているタイルを用意したのですが、作業など全て業者さんにやっていただいたそうです。デザインがとても素敵ですよね。
当初はそれで満足していたそうですが、ある日「ガレージをレースのピットみたいにしたい!」と思い立つ谷口選手…。
手始めに内側の壁を黒く塗り、アクリル版にスポンサーロゴを入れた板をはめ込み、工具棚の下に、飾り棚を入れ込みヘルメットなどを配置。
ガランとしていたガレージ内は、ピットパーテーションを立てたようなサーキットのピットへと変貌を遂げました。
さらに工具箱の内部も、カーボン調のカッティングシートでドレスアップ。たまりませんね。
細部までこだわったスタイリッシュなガレージとなりました。工具もインテリアと見まごうほど、ピカピカに輝いていますね。
現在このガレージの中には、S15シルビアとドリフト練習用の180、Hi-Rと言うスクーター、RC30と言うレアなバイク、オフロードバイクが収納されています。
最後にこのガレージを持ってみての感想を本人から…。
「一言でカーライフといっても、それぞれのスタイルがあると思います。レーシングドライバーとしての僕がクルマに愛情を注ぐのはごく自然なことです。
そして、ここまでクルマを自分好みに仕上げてきました。次は、そんなクルマたちをカッコよく保管する場所が欲しくなり、その結果、周囲の協力もありこのガレージを作ることにたどり着きました。
僕の大切な“おもちゃ箱”の完成です。今は、このおもちゃ箱をしっかり楽しんでいます」
とのことでした。
何ともうらやましいカーライフですね。レーシングドライバーというのもそうですが、ここまでクルマと人生を共にしていると、そのライフスタイルにまでも憧れます。
この「憧れ」こそ、プロへわれわれが描く目線ですよね。真似できない人間関係まで築くことができているのは、谷口選手の人間性からなのでしょう。
次回は、所有するクルマからアレをピックアップしレポートします。では、また!
(写真 / テキスト:折原弘之、編集 :大谷幸子)
折原弘之
F1からさまざまなカテゴリーのモータースポーツ、その他にもあらゆるジャンルで活躍中のフォトグラファー。
作品は、こちらのウェブで公開中。
http://www.hiroyukiorihara.com/
[ガズー編集部]
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