別名走る応接室 ~谷口信輝選手のハイエース グランドキャビンがスゴすぎる~

谷口信輝選手のカーライフの続編です。10台も所有しているのは、前回お伝えいたしましたが。その数ある愛車の中から、今回はハイエース グランドキャビンを紹介していきましょう。

このクルマは主に、小規模なイベントに参加される際に控室を兼ねて使用しているクルマだそうです。

それまではアルファードに乗っていらして、2018年にこのグランドキャビンに買い換えました。
買い替えの理由としては、ある日ふと、「キャンピングカーみたいなクルマにしたいと思ったから」とのことでした。
そこで、10人乗りのグランドキャビンを選びましたが、10人乗りを4人乗りに変更、申請もしなおし車検もちゃんと取得しました!とのことです。さすが。

このハイエースは納車された瞬間、CRS(シーアールエス)というハイエースやキャラバン専門チューニングショップに入庫しました。

内装、足回りからエアロまで、一気に施工。この業者さんにだいたいのイメージを伝えて、あとは好きなように作ってもらったそうですよ。

谷口選手のアバウトなオーダーから施されたチューニングは以下の通りです。

まず外装。谷口選手のルーティーンであるフェンダーを張り出させ、タイヤをフェンダーのツライチまでオフセット。
ホイールは、ESSEX NEO CLASSIC DISに変更しています。

フロント周りは全てCRSオリジナルパーツで、ドレスアップ。
スポイラーやヘッドライトだけでなく、ボンネットまで交換してフォルムを変えています。

テールランプやドアミラーまで変更。特にドアミラーは、助手席側にフロントアンダーミラーが付いているのですが、どうにもそのミラーがお気に召さなかったそうで、カメラ付きのドアミラーに変更しました。

谷口選手の個人的な意見ですが、通称“ガッツミラー”はハイエースをチューニングする上で、目の上のタンコブで、細部まで美しく仕上げるには、どうにも外したくなるパーツだったそうです。

続いて 動力系ですが、エンジン自体には手を入れていません。ただしBLITZのスロットルコントローラーを入れることで、スタート時の“もたつき”やレスポンス、エコドライブをコントロールしているとのことで、グランドキャビンのような大きくて重量のあるクルマにはオススメだそうです。

運転席周りは、乗り降り時につかむグリップ、シフトレバーを交換。
ステアリングもカーボンと革巻きのコンビネーションに変更されていました。

もうひとつ面白かったのが、パワーウィンドウスイッチのガードです。これは愛犬を乗せたときに、ワンちゃんが誤って窓を開けないためのガードだそうです。愛犬ドライブあるあるですね。

続いて運転席と助手席のシート。
BRIDEのバケットシートを採用。バケットシートとはいえ、リクライニングもしますし、シートヒーターも付いているそうです。

そして最大のポイントが肘かけ。肘かけの付いているバケットシートは、あまりないそうです。かなりこのシートがお気に入りのようでした。

そしてリヤシートは、このクルマの重要なポイントのひとつ。そもそもの用途が、スペースが小さいイべントに参加したときの休憩や着替えのためですから、オットマンを付けて、モニターも装着しました。お部屋感増し増しです。

こちらは、恐ろしくキレイで豪華なカーペットが敷いてあると思ったら土足禁止、さらに驚いたのが靴箱まであったことでした。
なんとドライカーボン製!どこまでもこだわる谷口イズムが、こんなところまで生きていました。

そして最後にラッゲージルームと言って良いのか、現在は自転車が入っているこのスペース。荷室ということでしょうが、なんともキレイに作り込んでいます。

あまりにスタイリッシュなスペースで、自転車がリビングに置かれたインテリアにさえ見えますね。自転車の選手であれば、この一台でほぼ完結できるほど見事な作り込みでした。

このクルマの感想を聞いてみると、
「現状、とても満足しています。大きい割に取り回しも楽だし、控室としてもほぼ完璧です。筑波サーキットなど小さなサーキットのイべントだと居場所がないですからね。重宝しています。」
とのこと。

イベント専用の待機場所として使うには、これ以上ないクルマでしょう。谷口選手を取り巻くスタッフが「走る応接室」と呼ぶのも納得のいく一台でした。
完璧!

レーシングドライバーとしても、クルマ的にも、憧れしか抱かない谷口選手のカーライフ。
これぞプロ!素敵すぎて真似もできず、逆に唖然としてしまいますが、きっと「次」なる何かへ進むときがくるのかもしれません。そのときも、ぜひ追いかけさせていただこうと思います。

まずは、コロナ禍でストップしていたモータースポーツ活動が少しずつ動き始めましたね。サーキットでの活躍に期待したいと思います!

では、また!

※シートメーカーの表記に誤りがありましたので訂正いたしました。

(写真 / テキスト:折原弘之、編集 :大谷幸子)

折原弘之

F1からさまざまなカテゴリーのモータースポーツ、その他にもあらゆるジャンルで活躍中のフォトグラファー。
作品は、こちらのウェブで公開中。
http://www.hiroyukiorihara.com/

[ガズー編集部]

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