異例の開幕戦を振り返る ~スーパーGT 第1戦現場レポート その1~

無事に開幕できました!決勝結果は、私はこれまでの流れで素直にホンダ勢が勝つと思っておりましたので、思いがけない結果でした。

GT500クラストップ5をクラス1車両の TOYOTA GRスープラ(以下、GRスープラ)が独占、GT300クラスも JAF-GT のGRスープラが優勝と、両クラス、見事なデビューウィンの大団円となりました。おめでとうございます!

LEXUS LC500 の時もデビューウィン、トップ6まで独占していました。やろうと思ってできることでもないので、当たり前と思ったらダメです。そして、GT500クラス、みんな新車ですので。

オフシーズンは、ホンダ勢の速さに目を奪われてまして、GRスープラと互角に見えつつ、実は頭ひとつ抜けてるのかなと思っていました。

今回の開幕戦の公式練習でも速かったので、これは…と。ホンダ陣営のドライバーさんと話すと、いやトヨタはあなどれない的な発言で、3メーカーの新車が投入される年は、そんな立ち話もワクワクを助長しますし、三味線弾いてる談義もおもしろいです。

その審議は、開幕戦で判断されます。誰も三味線など弾いてない…と思うんですけどね。コロナ禍でスケジュールを再考した開幕戦が、夏になったことであらためてやり直したテストも、ホンダさんが速かったです。

日産GT-R勢は何か気の毒な展開でした。オフシーズンテストも全体的に奮わず。
決勝は、12号車 カルソニック IMPUL GT-R のいきなりのクラッシュ。ライバルとの接触で原因は不明ですが無残な姿に…。リアが大破してましたが、昨年の最終戦もよいカタチで終えていないのでとにかく残念です。

そして、エースの23号車 MOTUL AUTECH GT-R の接触など、何か流れがよくない…。奮起した3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R の7位が最上位。

どうしちゃったのかなというファンの思いがネットを駆け巡っていました。ファンのみなさんもなかなか厳しい。わたしがライバルチームスタッフだったころは、ニスモさん強すぎちゃって困ったぞ~だったのに。でもまだシーズン序盤巻き返してくれると信じております。頑張ってください!

では、簡単にレースウィークを振り返ります。今回は、日曜日に予選・決勝が一日で行われるいわゆるワンデー開催。設営の金曜日、土曜は車検と公式練習日という日程になりました。

設営日には、搬入の他に全車撮影が3時間かけて行われていました。昨年11月に開催されたDTMとスーパーGTの交流戦でもやっていましたが、スケジュールに余裕のあるときしかできませんね。

チームのみなさんは待ち時間も長く大変だったと思いますが、記念すべきできごとでした。見届けられてよかったです。サポートレースもないし、今しかなかったのかも。どーんと!初ですね。500クラスしか見えないかな(汗)。

写真 GTアソシエーション
写真 GTアソシエーション

開幕戦で行われる恒例のプロフィール撮影や集合写真撮影などは一切なく、本当に異例のシーズンが始まったという思いでした。

当初出ていた決勝日の大雨予報は回避どころか、晴天に恵まれようとは思ってもみなかったです。これは事前の持ち込みタイヤに影響あったかしらね?まあ、いつものことではありますが。

土曜の公式練習が始まるまで、ピット周りに時間をかけ富士のBピットとAピットを何往復したかな、ルーティンを敢行。結構長いので軽い運動というか年寄りの私にはキツイです(笑)。コロナ禍で休み過ぎましてますます運動不足。

コースサイドを歩いて写真を撮るカメラマンさんたちの万歩計にはかないませんが、まあよく歩きました。富士は長いからね、痩せないけど。ピット周りの挨拶まわり、今回はソーシャルディスタンス、遠くからご挨拶です。とにかく全部見て回りました。

今季は、マスクをしているのでお顔がよくわかりません…残念。顔を覚えるのが苦手だったりするので、しっかり拝見しないと次にお目にかかる際に忘れてます(苦笑)。

でも挨拶してくださる方がかなり増えましたよ。現場にずっとおりますが、やっぱり時間かかってよいから、気持ちを汲むレポートを書きたいなという思いが強いので、地道にピット周りで努力中。

無駄足でもいいんです。いろいろ話してくださっても書けない話が多いのがこの業界。いろんな背景を踏まえてレースをしているんだなと見ている自分がおります。まあ、しがない裏方の自己満足ですね。

いざ開幕!ということで公式練習走行は、みんなガンガンに攻めました。

理由があります。予選・決勝の予定されている日曜日は、当初大雨の予報は天候回復に転じたものの、山の天気は読めません。翌日の予選が悪天候によりキャンセルになると、この公式練習結果が予選結果として採用され、グリッドが決定してしまう可能性がありました。
ですので、本気度満点の走行になったのです。

やっぱりね「音」聴くとうれしいものです。そして、Jスポーツさんを視聴された方も多いと思いますが、ラジオやアプリには、サーキットで実況していらっしゃるスーパーGT公式アナウンサーのピエール北川さんの声が響いていました。彼ですよ彼、やっぱりねテンションあがります。盛り上げのツボを心得ていますからね。

足りないのは、お客さまの姿と拍手かな。やっぱりさみしかったね。ポール獲ったり、優勝してもたたえてくださるお客様がいない。拍手がない。ほんと仕方ないけどね。ドライバーさんも当初戸惑っていましたね。あれ?って。

ただ、ワンデー開催だと予選結果に一喜一憂している暇がありません。ポール獲ってもすぐ決勝、「次」な訳ですぐにチームに戻って話したいわけですよ。

仕方ないのを承知で書かせていただくと、何かこう味気なかったかな。予選のためにも、セッティングやら何やらそれに向けて人は動く。予選は予選なのですが、じっくり時間かけて、その様子を吟味したかったかな。
ええ、そんな影響もコロナ対策ですね、少しでも密を避ける意味で。

つづく。

写真 折原弘之、テキスト 大谷幸子

[ガズー編集部]

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