異例の開幕戦を振り返る ~スーパーGT 第1戦現場レポート その2~
では、ピンポイントで引きつづき現場を振り返ります。
レースデーは、みるみる天候が回復。無事に公式予選も実施できました。
Q1でコースレコードを塗り替えた8号車ARTA NSX-GTの福住仁嶺選手。期待の若手ですが、Q2のポールポジションのタイムよりも速かったですね。やっぱり世界を経験してきたドライバーは違うなあといまだに思ってしまいます。興味深いドライバーのひとりです。
16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTの笹原右京選手もQ1頑張りましたね。こちらは、スーパーGT経験なしのいきなりGT500クラスデビューのルーキー。彼の人柄が好きで、昔っから応援しています。
以前も書きましたが、笹原選手や福住選手など若手のドライバーさんたちは、カートなど草レースのカテゴリーで一緒に戦っていたようです。いまやGT500のドライバー。みんな自分でレール敷いてたどりついたプロのカテゴリー。きっと当時も草レースの雄として有名だったんでしょうね。ここはリサーチしきれておりませんが。
GT500クラスのポールポジションは、37号車KeePer TOM'S GR Supraでしたが、落ち着き払ったもんです。
ニック・キャシディ選手は、昨年の最終戦、DTM交流戦、今回で3連勝!この開幕戦直前に、来季のフォーミュラEのレギュラーシートを獲得したことを発表していて、もう勢いがとまりません。
速いのは言うまでもないですが、とにかくすごいというか、すげードライバーかと。会見でもこの件について質問が出ておりましたが、今後もトヨタと仕事がしたいと回答。これはスケジュール次第ということでしょうね。
相棒の平川亮選手も、速さに磨きがかかりノーミス、ポーカーフェイスともう若い二人はとどまることを知りません。最終的にこの開幕戦は優勝したのですが、その優勝記者会見で、昨年優勝したにも関わらず、タイトルを獲得することができなかったことに自ら触れ、その経験がますます自分たちを強くした要因になっていると断言しました。
昨年の最終戦の際、チェッカー直後の落胆ぶりは記憶に新しいです。タイトルを獲得するためにできること、優勝までやってのけたにもかかわらず、手が届きませんでした。
しばらく落胆は続いたようですが、あの経験はさらに人間的にも大きくしたのだと思います。山田淳監督がチェッカー後、頭をなでるシーンが脳裏をよぎります。男くさいチームの中の愛情も見て取れたことを、記者会見場で思い出しました。
今般、優勝したことで、ウェイトハンデがのしかかるシーズンです。
例年、シーズン半ばにあった長距離の大会は重すぎてやっとこさレースをしてましたが、それでも上位に食い込む健闘を見せてきました。
昨年タイトルを獲った6号車は120キロのウェイトハンデを搭載してレースをしていましたね、オートポリスで。そんなに重くてもレースできるんだと感心しました(笑)。プロってどこまでもスゴイ、ホントに。
決勝の際の14号車WAKO'S 4CR GR Supra、100号車RAYBRIG NSX-GT、38号車ZENT GR Supraの3ワイド、ご覧になりました?
無観客でなければ、グランドスタンドのお客様が特等席でした。たまらないシーンでしたよね。メディアセンターでずっとレースに集中しておりましたが、絶叫もできません。プロの真骨頂に心の中で拍手です。
バトルが至るところにあって、おもしろいレースでしたが、思いのほか荒れたレースでした。
エンジントラブル、タイヤのバーストも気になりましたね。路面温度と気温が予想以上に上がったのでしょうかねえ?
道具が逝ってしまい、コース上で成す術を失ったクルマを見るのは、無念です…。夏のレースという感じがしました、サバイバル。それでもまだ開幕戦ですけどね。
ポイント獲得は10位まで。夏の戦いは続きます。10月に2レースあるのも異例。データのない季節ということで、これはこれでおもしろいかもですよ。マニアックネタのピット作業に触れたかったのですが、またいつか。
GT300クラスのバトルも面白かったですね。GT500クラス経験のスキルを活かして暴れていたドライバーもいました。
GT-RにカムバックしたJP(56号車リアライズ 日産自動車大学校 GT-R ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手)、上手いなと。
GT300クラスの参戦のスタイルはさまざまですが、個人的に応援している5号車マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号の坂口夏月選手と平木湧也選手。3位に入ったことがうれしいですね。おめでとうございます!
メーカーとは無縁のドライバーさんたちです。ですので、のびのび頑張っているのですが(コラっ)、昨年も表彰台に乗り、今回も母さんうれしかったですね。頑張って!
今回は、コロナ禍で新しいスタイルでレースウィークを過ごしました。先般の公式テスト、開幕戦、第2戦と富士スピードウェイでの開催が続きますが、安全性を確認しながら、新しい開催スタイルを確実に実施したい為に同じ場所での開催となっているようです。
ここは、オリンピック中止で富士スピードウェイが使用できるという、不幸中の幸いに救われてますね。
またGTエントラント協会(GTE)という参戦している側が作っている団体があるのですが、そちらもGTアソシエーションと共にロードマップにガイドラインと、もろもろ頑張って活動してくださったようです。
検温は大会2週間前からオンラインで報告、体調などの報告や、ゲート前でも検温。各所に消毒液をチームでも用意。マスクは当然ですが、公式テストの時よりも、さらに厳重になっていました。
このカテゴリーを守るためです。開催がなくなってしまうと、冗談抜きに路頭に迷う人も出ますからね。たくさんの方がこのカテゴリーを守るために日々努めてくださっています、ありがとうございます!
- 細心の注意がそこかしこにしてありました。ピット側もね。スマートフォンで撮影
GTEの理事を務めている25号車HOPPY Porscheの土屋武士エンジニアのところを訪ねたら、チームのコロナ対策もばっちりでした。ピットから出る際に、履物を履き替えるということまで徹底していましたね。
開幕目前、東京都を含む首都圏の感染者が爆発的に増える報道に怖くなりながら富士へ向かったので、このような関係各所のご尽力に頭が下がる思いでした。
そして、優勝して抱き合うシーンもソーシャルディスタンス。この感動の規制も仕方ないのですが、そのようなことも含め、安心できる世の中になって早くなって欲しいと切に願います。
持ち帰った小ネタが多すぎて書き切れない…。
Instagram(https://www.instagram.com/yucco_ne_san/)も見てくださいね!
では、また!
写真 折原弘之、テキスト 大谷幸子
[ガズー編集部]
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