連戦となった富士大会の予選日を振り返る… ~スーパーGT第2戦 現場レポート~
梅雨が明け、真夏日の続く毎日。火の中にでも飛び込む勢いで、富士スピードウェイに向かいました。世の中は連休だったのですね(曜日感覚のない私)、高速激混み、渋滞に見舞われまして、久しぶりにイラっとしながらでしたが…。
- 予選 ポールポジション記者会見
GT500クラス、8号車 ARTA NSX-GT のポールポジション!FRとなったNSXが来ましたね。開幕戦で、Q1で最速ラップを叩き出したのが8号車の福住仁嶺選手だったってことはとてもしっかり記憶していました。
相棒で先輩にあたる野尻智紀選手も、そこを気にしていたようです。今回のQ2予選直後のインタビューを記者会見場に移動しながら、場内の音声で聞いておりましたが、そのことに触れていました。
手前、野尻智紀選手 後方、福住仁嶺選手
予選後のポールポジション記者会見では、気持ちが落ち着いたのか個人的なことで…とその内容の詳細には触れませんでしたが、気にしていた“負け”は今回克服。満足のいくアタックだったようで何よりです。
翌日の優勝会見で、またここに戻ってきたいと強く語っていました。とてもハートの強いドライバーだし、思ったことを包み隠さず言うところ、とても今の子(失礼)らしいというか、常にそんな印象を私は持っています。すべて自分のレースにプラスになる発言、気持ちよいのですよ、話していてもね。
GT500クラス2番手は、17号車 KEIHIN NSX-GT。ノーハンデ車が全開で来ました。開幕にギリギリ間に合って参戦したベルギー出身のベルトラン・バゲット選手ですが、日本語がどんどん上手になっていきます。100号車 RAYBRIG NSX-GT の牧野任祐選手と立ち話をしているところで、興味深い情報をつかみました。ワイドショー風(笑)。
カートでトレーニングをしていたみたいですね。開幕戦で見事優勝をとげた37号車 KeePer TOM'S GR Supra のニック・キャシディ選手などや蒼々たるメンバーの名前が出てきました。開幕戦の優勝会見でも耳にしたのですが、優勝してる!ポール獲ってる!というメンバーでしたね。カラダに負荷がかかりとてもよいトレーニングになるそうです。
オリンピックの水泳の選手が、自粛期間に自宅の庭でビニールプールで足を固定しトレーニングをしていましたが、常にそんな状況下に身を置いて、準備万端にするというのは、やはりプロだと思いました。
そして、開幕戦や第2戦に偶然にして戦績が残っている方々だったので、びっくりでした。全員の状況をつかんでいる訳ではありませんけどね。シーズンの波に乗るまでは、何かしらみなさん準備をしてきたと思います。ここからは、短いスパンでレースもありますので、心配ないかな?
- 38号車ピット内 左から、村田卓児エンジニア、石浦宏明選手
開幕戦で祭りを繰り広げたGRスープラ勢は、しっかりもらったウェイトハンデの順におとなしく…の予選結果でしたが、38号車 ZENT GR Supra が元気ないのが気がかりでしたね。もう少し上に行ってもよいんじゃないかと。
富士と言えば、この立川祐路選手の独壇場。富士マイスターですよね。石浦選手も何度も優勝していますが、他のドライバーには見えないレコードラインが、立川選手にだけは見えていると千回くらい書いておりますが…、どしたかな~。
12号車 カルソニック IMPUL GT-R が4番手と、Q1の平峰一貴選手から元気よく、23号車も5番手と少し元気のなかったGT-R勢が復活しました。ほっ…。
39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra は、今回も参戦できなかったヘイキ・コバライネン選手の代わりに阪口晴南選手が代役で参戦。GT300クラス96号車 K-tunes RC F GT3 に今季エントリーしていますが、これはよいチャンスをもらいましたね。今後のために!と思ったら、Q2、3番手と非常にがんばりましたね。花丸です!
- 阪口晴南選手
- 右、脇阪寿一監督
設営日にチームに聞いたら、コバライネン選手は既に日本に入り、次の第3戦鈴鹿大会のために待機していらっしゃるそうです。開幕戦の山下健太選手と今回の阪口選手と代役の二人もほんとがんばってくれましたが、コバライネン選手はやっとチームに加わることができうれしい事でしょう。SNSでたくさん“いいね!”をしてくださって、待ちわびているんだろうなあと、オンラインで感情が伝わってきます。チーム全体もだいぶ入れ替わりがあるので、脇阪寿一監督のもと、新しい体制でスタートがやっときれるかなと思っています。がんばって!
- 手前、阪口良平選手、後方、小高一斗選手
でもって、GT300クラスです。ポールポジションを獲得した6号車 ADVICS muta MC86!若手、小高一斗選手がどーんとポール。これびっくりでした。今季初参戦となるJAF-GTの6号車ですが、エンジニアは昨年まで39号車…だけではなく、敏腕エンジニアとして有名な田中耕太郎氏が担当です。
富士スピードウェイのBピット(1コーナー寄りのB棟)に行くと、耕太郎さんがのんびり(?)仕事をしていて不思議な感じ。結局、どこにいらしても存在感を示す仕事っぷりをしていて、ほんとさすがだなと思いました。わたし、昔っから憧れのエンジニア。もちろん他にも敏腕エンジニアはいらっしゃいますけど、一緒に飲んでもおもしろい人なのですよ(笑)。
この6号車は38号車の兄弟車というのは、過去に書いておりますが、セルモインギングチームの車です、おぼえておいてくださいね!ちょっと苦労して作ったクルマみたい。これは、おいおい取材します。メカさんたちは、百戦錬磨、38号車でGT500の経験者も。また、過去に参戦していたクルマで300クラス経験者もおりますが、きっと経験値を増やす意味で新しく加入している社員さんもいそうですね。がんばって!
つづく!
写真:折原弘之、GTアソシエーション、大谷幸子 テキスト:大谷幸子
[ガズー編集部]
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