7年ぶりGT―R表彰台独占!とル・マン24時間などなど ~SUPER GT 第3戦鈴鹿~

今季もパドックから移動できないので、目新しい写真はないかもしれませんが、お付き合いのほどを。では振り返ります。

思うこと その1

今回は日産ファン待望のGT-R夏祭り!表彰台独占となりました。7年ぶりとのこと、おめでとうございました。GTファンとして見ていると、エースの23号車の戦績によりネットが荒れてしまうことが気になっていました…。今季は、開幕戦リタイア、第2戦の富士500㎞レースでは、3周目にエンジントラブルでリタイアでしたので、もう信じられないシーズンのスタートでした。日産ファンじゃなくても、GT500クラスの三つ巴が見たいという思いには全力で同意していたんです。今回の優勝で肩の荷が…な訳ないです!大変大変!

今季は、昨年のスケジュールと違い、昨年開催されなかったサーキットでの開催も予定されています。2020年GT500クラスが新車になって、同じスタートラインでデータなし。そして、菅生やオートポリスはGT-Rが得意なサーキット?ですよね。ニスモ復調となれば、心して臨まねば!です。怖い怖いとふと思った訳です。

思うこと その2

GT500クラスに参戦しているGT-Rは4台。ミシュラン2台、ヨコハマ、ブリヂストン。今回表彰台に乗ることが出来なかった12号車カルソニック IMPUL GT-R。悔しさはいろんなことを含めかなり大きいと思います。この悔しさが原動力となりいつか大輪の花を咲かせてくれるといいなと、若手ドライバーさんお二人を見て思いますね。簡単に言うなと言われそうだけどね。

こちらは、搬入日のドライバー交代の練習の様子。

練習は裏切らない。きっときっとその時が来る。頑張って!

思うこと その3

ゾーンに入ってました…と記者会見で述べた23号車MOTUL AUTECH GT-R松田次生選手。今回は、23勝目を23号車で、そして地元鈴鹿サーキットで達成という背景。三重県のご出身ですから鈴鹿は彼のホームですね。今回は、ピットを引っ張った作戦は有効ではなく、アンダーカットしていたクルマたちに先行を許していたのですが、ドライバーが後退した4番手のポジションから、オーバーテイクでトップに立ちました。勢いがあって、魂が乗り移ってる感のあった23号車は、2番手の時に前を行く同胞の3号車を捕らえるだろうと感じたのは、私だけではないかな。

ドライバーチェンジしてから10周以内で決着をつけたいと会見で語った松田選手。タイヤが元気なうちにということでしょう。きっちり仕事を成し遂げました。結局、11秒もの大差をつけて勝利。昨年の鈴鹿の2回開催での2回の連続優勝に加え、同じサーキットで3戦連続優勝は初とのことです。クインタレッリ選手は、会見で松田選手をほめてあげて欲しいと語りました。こういう気持ちを素直に吐露できる関係、素敵です。

こちらのベテランコンビは、とてもジェントルマンで好き。メーカーを代表する立場、人格とスキル、尊敬します。百戦錬磨、若い頃からいろんな修羅場を乗り越えてきた日産のエースのお二人。過去を紐解けば、だいぶ昔ですが松田選手はHonda、クインタレッリ選手はトヨタに所属していました。あれからそれぞれが移籍し日産でコンビを組んで9年とのこと。そんなになるんだねえ。昔の他のメーカーにいらしたことも覚えてます。彼らを超えないと23号車のシートを得ることは出来ないでしょうから、若手にも頑張って欲しいですね。でもまだまだ君臨していくと感じたレースでしたね。

思うこと その4

チャンピオン来た!1号車STANLEY NSX-GT! 予選は11番手と重量選手権(SWを課せられた車たち)のブリヂストン勢は、予選下位に沈みました。しかし、決勝で4位フィニッシュ。これは正直、予想外でした。みなさん素晴らしいのですが、こちらに今季、星エンジニアがARTAから移籍。カリスマエンジニアさんです。昨年サーキットで、お見掛けしていました、憧れの要注意人物(笑)が業界には沢山おりまして、その一人ですね。
現在、F1で活躍しているピエール・ガスリー選手がおりますが、日本で一年だけスーパーフォーミュラで走りました。いきなりタイトル争いをした彼を担当したのが、星エンジニアです。言われて思い出しました。ドライバーの才能を引き出すエンジニアもすごいですよね。ガスリーくん衝撃だったし、今も注目して見ているので。エンジニアさん、表にはなかなか出て来ないとは思いますが、ドライバーさんと共に注目してくださいね。

思うこと その5

たくましくなったなあと改めて思った37号車 KeePer TOM'S GR Supra平川亮選手。世界への挑戦がまた発表されましたね。

世界に出て行かないと!とは思っておりましたが、メーカーが世界で戦っている間にやらなければ!

  • 写真 トヨタ自動車

ここで、ル・マンウィナー小林可夢偉選手に少し触れさせてください。トヨタ自動車がF1から撤退をした2010年、若手育成ドライバーの目標が一旦失われた時期があります。彼はリザーブドライバーだったのですが、最後の最後のシーズンで入賞するなど、目覚ましい活躍を見せ、なんでもっと早くレギュラーで走らせてあげなかったんだろうと思いました。撤退が発表されたのちは、モータースポーツの草の根活動へシフトするというリリースが出たんですよね。衝撃だった。小林選手はメーカーから離れ、翌年からご自身でF1参戦を続けていました。

そのうち、WEC(世界耐久選手権)にメーカーが再び参戦し世界の舞台へ出て行きました。彼はどうなるんだろうと思っていたら、2015年、12年ぶりに国内でモータースポーツ活動を再開。翌年2016年にはWECのメンバーに名を連ねました。ここまで紆余曲折を経て、晴れて、今年ル・マンウィナーになりました。3度優勝を逃したのも彼に課された試練もありましたね。

長くなりましたが、平川選手を鈴鹿で彼を見ながら、来年はもう居なくていいぞと思いました(笑)。彼の仲良しのWRCの勝田貴元選手や、フォーミュラEに参戦する、一緒にスーパーGTで最年少タイトルを獲得したニック・キャシディ選手も世界の大舞台にいますから、ますます思いは強いでしょう。TGRの動画を見る限り、チャンスは確実に得たとようですので、このチャンスに期待し、応援したいと思います。アロンソさんでも難しいクルマなそうですが、今からテストして来シーズン、きっとシートに収まっていることでしょう。家族と一緒に欧州住んで、一緒に世界と戦う姿、楽しみにしています!

最後に…

コロナもまん延し状況は深刻。国内も今後レースが開催されるのかすらわかりません。しかし、モータースポーツの発展の為に、動いている方はたくさんいて、戦う人は世界も国内も熱い人でいっぱい。それを傍らから見られる幸せ。いつ自分の執筆活動が終わるかわかりませんが、今のうちにこの幸せを沢山味わいたいと思います。では、長くなりましたが、またね!とりあえず、スーパーフォーミュラ第5戦、もてぎ、行って来ま~す!

(写真 折原弘之 大谷幸子、テキスト 大谷幸子)

[ガズー編集部]

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