完璧すぎる勝利!坪井、山下チームの容赦ない強さ 〜SUPER GT 第8戦モビリティリゾートもてぎ〜


4戦連続悪天候という不名誉記録も最終戦だけは更新を止めて欲しい!土砂降りからの秋晴れのもてぎに行って参りました。

今回は、GT500クラスは36号車が今季2勝目を挙げ、タイトル争いを大きくリードしました。そして、GT300クラスは、なんと今季3勝目を挙げた88号車! ここまで大活躍したランボルギーニは過去にいましたっけ?

GT3車両が奮起していますが、終わってみれば今季強さを発揮するクルマが、タイトル取りの仕上げにかかった感じになってしまいましたね。一気にポイント差がつきました。では振り返ります。

予選日

前日の搬入日は、オートポリスからと同じ、蒸して汗ばむ陽気、一応晴れからのスタートでした。いつもと言ったらいつもですけどね。最終戦ではなくなったので、サクセスウェイトが半分に減るラウンド。近年ノーウェイトの最終戦だったため、また戦い方が少し変わるのかなと思って見ておりました。「お前に何がわかるんだ」と問いかけながらね。

  • 64号車 Modulo CIVIC TYPE R-GT/ Modulo Nakajima Racing

まずひとつ思い出してください。予選方式が第5戦から変わりました。GT500で言えば、ダンロップ、ヨコハマ勢が2セットタイヤを多く使用できることになった救済措置(予選の前まで使用可能、タイヤ開発を促進するため)。これは大きいと思うのですが、ぜひこれを活かした戦いをして欲しいと期待していたので、ようやく実施が叶いました。

予選はウェットコンディションでしたので、その時もまたレギュレーションが違います。GT300クラスはQ1組分け廃止。Q1の結果を受けQ2で14位以上と15位以下に組分け。Q2ではタイムを合算せず(ドライは合算)。GT500クラスは合算タイムでグリッドが決まるのは変わりなく。大まかにおさらいしておきます。

  • 64号車 大草りき選手(左)と伊沢拓也選手(右)/ Modulo Nakajima Racing

今回はダンロップを履く64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTがポールポジションを獲得しました。おめでとうございます。ルーキーの大草りき選手は初ポールだったし、Honda陣営盛り上がりました。2位に8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8も来たのでHondaワンツー。

  • 36号車 au TOM’S GR Supra/ TGR TEAM au TOM'S

そして、ランキングトップの36号車au TOM'S GR Supraがなんと3番グリッドを獲得。もうね、ありえないよ(褒め言葉)。山下健太選手が、前とのトラフィックを避け減速をしたときは、トラブルかと焦りましたが、しっかりアタックできました。グリッドが2列目とは、このコンビのスキルを考えると申し分のない位置でしたね。

日産勢が元気がなかったね。予選で沈んでしまいました。あららでした。昨年までは、雨から恩恵を受けていた状態だったのに…。タイヤブランドの変わった初年度は苦労しているということなのかな…この時点では。もてぎは抜きにくいレイアウトだけど、最近のレースは何が起こるかわからないので、決勝の予想がつきませんでしたね。

ただ、しっかりダンロップタイヤがポールを獲得したことは良くて、ヨコハマが上位に来なかったというか、2台ともに下位に沈んだことで、何かこう深刻に悩みましたね。今季ずいぶん厳しいなと。悲しかったなあ。

GT300のポールは、31号車 apr LC500h GT小高一斗選手と中村仁選手のコンビ。中村選手はまだ18歳かな、前日にホテルの駐車場でお見かけして声をかけたんだけど、期待のルーキーですね。小高選手25歳がとってもお兄さんに見えます。

小高選手、久しぶりのポール!おめでとうございました!何も言うことはない、頑張っていただくだけ!小高選手、いつかは500にあがって欲しいのでね。とにかくガンバ! 中村選手は、とにかくミニマムでステップアップできるよう、3年でGT500とスーパーフォーミュラにあがるのが目標です!若者たちのお顔、覚えてください!

決勝日

決勝日は、朝早くサーキットに来たけど、朝焼け風の景色も見られてほんとに良い一日のスタートが切れました。イベント広場は混雑していて、いつものもてぎ。朝から牛串のかおりが漂ったり、あちこちでステージの声が聞こえてきたりと賑やかでいい。戻ってピット周りをしてからスタート進行。

  • 64号車 伊沢拓也選手(左)と100号車 山本尚貴選手(右)

決勝前のグリッドはDJパフォーマンスでBGMあり。私は洋楽が好きだからウェルカム。そして、ポールポジションのグリッドに100号車の山本尚貴選手がいらしていたのは、とても印象的でした。

伊沢拓也選手と以前GTでコンビも組んでいましたし、スーパーフォーミュラでは監督とドライバーという立場。側からみてもお二人でいるのをよく見かけますので、仲良しだよねと思って見ています。この光景にたくさん写真を撮ってしまいましたが、なかなか良い画角がないので、グリッドウォークの後半にまた行ってずっと撮っていたらグリッドウォークが終わってしまいました(笑)。

あれは虫の知らせだったのでしょうかね。11月5日に、Honda山本尚貴選手がご自身のSNSで、スーパーフォーミュラからの引退を発表していました。

今シーズン、噂話が耳に入って来る時間もなく、メールをチェックしていたらスケジュールの中に、引退記者会見の文字があり固まってしまいました。そして、とうとうこの時が来てしまったか…と感慨深かったですね。泣きそうでしたよ。

妙にあのファインダーをのぞいていた時間に何か違和感を覚えたのは、それだったのかな。まあ無理やり繋げている感じでもあるけど、そう思いたい自分とね。違和感、自分の中でそう答えを出したのが今この原稿を執筆している自分。写真を撮りまくったくだりまで書いて他の仕事をしていたので…。記者会見が鈴鹿で8日(金)にあるので、しっかり見て来たいと思います。

話を戻すと、SUPER GTの決勝は、Hondaさんのホームではありますが、TGR勢は得意なサーキットでもあると念頭において見たら本当だった。

でも、エンジントラブルと思われるアクシデントが3台のGRスープラを襲い、これはこれで37号車のようにタイトル争いから実質脱落すること(可能性ゼロではないけれど)となったクルマもあったので深刻な問題でしょう。最終戦までに対策をして来るのはわかっているけれど、ここはTRDさんに頑張ってもらいましょ。

8号車が奮起して2位表彰台。ここは、タイトル争い候補と開幕前に思っていたので、今シーズンの苦戦が意外というか。優勝ももちろんしているけどね。TGR 38号車も頑張って3位。今季3回目の表彰台!うれしいことだね。セルモ復活なるかというか、ちゃんと新しい体制で立て直して来ていて、ファンの方もうれしいと思います。

GT300は、今季3度目もてぎのめっぽう強い88号車 VENTENY Lamborghini GT3が勝利!記者会見で、ずいぶん小暮卓史選手やもっさん(元嶋佑弥選手)のお顔を拝見するなあと思っていたら、3度目だもの当たり前ですよね。

EVOは無敵なのか。小暮選手がGT500で走っていた頃、今もそうだけど上手いし速いしで天才でしたからね。「後ろから正面衝突」の無線は、名言(迷言)でしたが。

GT3車両が活躍するのも市販車レースですので、うれしく感じます。欧州車とJAF GT車両ほか、みんな切磋琢磨して戦うのいいじゃんね。

息子が初めてSUPER GTを見た時、300の方が見たことあるクルマばかりでおもしろいと言ったのを思い出しました。とても身近に感じたようです。フェラーリとか我が家にはないけどね(笑)。クルマの形がそのままだからというのが、当時おもしろいと言った理由でした。本格的にクルマに興味を持ったばかりの12、3歳だったかな。サーキットでエンジンの音を録音して着メロだか目覚ましのアラームだったかな?それに使っていましたね。懐かしい…。

そんなこんなで、激戦GT300も魅力的なこのレースもいよいよ残すところ最後。第5戦鈴鹿大会が台風で延期となったことで、今年は12月が最終戦となります。まだレースを楽しめますよ。オフシーズンが短くて済みそうです。

その前に怒涛の11月、具がぎっしりの今月をまずは乗り越えないと。まだまだ現場報告ができますのでよろしくお願いします!それでは、また!

(写真:折原弘之、GTアソシエイション、大谷幸子 /テキスト:大谷幸子)