チャンピオン坪井翔 今季初優勝! 〜2025スーパーフォーミュラ第5戦 オートポリス〜

悪天候とリタイアの切なさと…どうしたら良いのかと思うレースウィークでしたねえ。終わってみればチャンピオン!振り返ります。

予選日はまたも成す術もなく…

  • お誕生日おめでとう!坪井翔選手

  • 山下健太選手、サッシャ・フェネストラズ選手も笑顔でお祝い

  • 岩佐歩夢選手からもおめでとう

土曜日は全く走れなかったのですが、チャンピオン坪井くんのお誕生日(5月21日生まれ30歳になりました)をちょっと早めで祝っていました。

オートポリスと言えば、霧が立ち込めることが多く山の天気は…ですが、わたしは昨年のSUPER GT以来で、あの時も土曜日全てキャンセルだったんですよ。またもや悪天候に見舞われてしまいました。雨女とかそういう言葉は嫌いなタイプです。リアリストなので。

  • 深い霧の中でも準備が進められる

  • 天候の回復を願う

予選のギリギリまで雨が止むのを願って待っていましたが、セッションが開始とほぼ同時にキャンセルとなりました。予選は翌日に持ち越しになりました。計時予選へと変更です。それはそれで好きですけどね。

年に一度の九州開催ですので、どうにか二日間で走る姿をみなさんに見せてあげたい。翌日の天候の回復を祈ってこの日はおしまい。まだ明るいうちに山を下りました。
ただ、2レースの大会が2度続いていて、すでに4レースこなしてきているので、裏方の自分としてはワンデーになっても慣れっこというね、少し安心しました。以前だったら、段取り大丈夫かなと心配するのですけどね。

予選・決勝日

  • 太田格之進選手/ DOCOMO TEAM DANDELION RACING

濃霧の中、サーキットに到着すると、スーパーフォーミュラ・ライツからのスタートでした。こちらはまた別で触れます。いきなり予選からの1日は、計時予選で40分間のセッションから。久しぶりの一斉スタートでワクワクです。サポートレースの時に明るくなった空がまた暗くなってきたのが心配でしたけどね。

  • (左から)予選2位 山下健太選手、1位 野尻智紀選手、3位 小林可夢偉選手

予選は、野尻智紀選手がポールポジションを獲得!伸ばしますね記録を。さすがです。そしてトップ3に、TGR勢が二人も!山下健太選手は2番手と安定感。前戦欠場の小林可夢偉選手が3番手。可夢偉くんは初優勝するんじゃないかとこの時にイメージしてしまいました。希望的観測と言うのは失礼ですかね。期待が膨らみました。チームもちょっとそんなムードありましたね。

計時予選だけど、多分トラフィックは大丈夫と思っていたら、アタックラップに気づかなかったクルマに引っかかってしまったケースがあって、これはペナルティが出ていました。両者もったいないことをしました。

一番良いコンディション、タイヤのうまみを活かし一発で決めていくので、好機を逃すというのは一大事。予選大事ですからね。どんどん路面ができていきますから、終盤にも機会を全車が待っていたようですが、2台がクラッシュし黄旗が振られてセッション終了となりました。

常にそのようなことも起きるので、今さらながら序盤で少しでも良いタイムを出しておくのが良いというのは誰もが考えているところ。ほんと難しいですね予選も。さすがトップカテゴリーです。

セッションが終わってポールポジションの野尻選手のクルマは、ウィングが取れていたので、重量違反ではないかとおっしゃる方が結構いらっしゃいました。スピンしてフロントウィングが落ちてしまったからでしょうね。でも故意にマシンの重量をダイエットした訳ではありません。予選後の車検では違反にはなりませんでした。ない状態で測定したらきっと違反。ちゃんと落ちてしまったパーツも一緒に測っているでしょうと言われました。なるほどね。ですよね〜でした。違反では?という反応の方が、私は意外でした。そこに考えが及ばないという無知でもありましたが。

ウィングを交換しないといけない野尻くんの方がかなりショックだったと思いますけどね。同じパフォーマンスができるのかどうかというところがね。わたしはどう調整するなど詳しくないけどね。まあ、ここまで(予選まで)無事に済んでよかった!しかこの時はなかったです。

ピットウォークにはたくさんの着ぐるみが来場していました。特に写真を撮ってないけどね、ごめん!

  • 決勝スターティンググリッド

そして、決勝を迎え、地元ならではのお出迎えのもとオープニングセレモニーが行われ粛々とスタートを待ちました。

  • 決勝スタートシーン

  • 坪井翔選手/VANTELIN TEAM TOM’S

決勝がスタートすると、抜群のスタートを決めたチャンピオン坪井翔選手。5番グリッドからからするするっと前に出て2番手。そこからは危なげない走りでレースを展開します。

今回は、ランキングトップのドコモダンデライアンの太田格之進選手、牧野任祐選手が表彰台に登らなかったことが意外でした。予選から若干苦労していて、てっきり決勝でごぼう抜きかと思いきや、ごぼう抜きはそうだったのですが表彰台に届きませんでした。

前回不調だった無限野尻智紀選手は、2位表彰台。これはとても悔しそうでしたね。優勝から遠ざかっていますから、チャンスと思っていたのは間違いないですしね。TGR勢で山下健太選手が予選2位からの3位表彰台。一つダウンしてしまいましたが、今回の内容から行くと満足な様子。強さが安定してきました。それがとてもうれしいです。

Honda岩佐歩夢選手がトップ走行中、タイヤが外れたということでストップ。「これじゃ一生勝てないよ」の無線の言葉が耳に響きます。このカテゴリーは、ほんとドライバーの速さ以外にそういう総合力も問われるレース。難しいですね。前回は、山下健太選手が同じことでチャンスは逃しました。

明らかなヒューマンエラーの場合もあるし、何か他に原因のある場合もあります。今回は、すぐにタイヤが外れていないことから、もしかすると別な要因もあるのかも?とも思ったり。初優勝のシーンがよくあるこのオートポリス。途中で、今回は岩佐選手が初優勝の番かなと思った矢先のアクシデントでした。こればかりは、チームで解決して乗り越えないとですね。レース中のマシントラブルもありましたから、きっと私たちが思う以上にチームは大変だと思います。

これは他のチームでもそうですけどね。スーパーフォーミュラは、ドライバー1人にクルマ1台なので、クローズアップされるのもクルマよりも「人」が多く感じます。ミスにも注目されてしまいイメージが付きまとうところも。

でもどのチームも粛々と対策をしてなくなるよう頑張ってますので応援してます。全くなくなると良いけど、その時の路面のコンディションなどにも左右されているのかしらね。素人があれこれ言ってもですが、頻繁に起こるところを見ると、練習だけでは乗り越えられないこともたまに発生しているのだと思います。

現場でメカさんたちにお話をよく伺っていますが、その時々でトラブルパターンが同じに見えても違うことが多く。コース上以外でのアクシデントも永遠の課題なんだと思います。プロですから、チーム力にかかってくることなので、見守るしかないですね。そんなこんなでオートポリスは、TGR勢が復活した大会でした。

次戦

次の富士大会が、2レース。第6、7戦が開催される訳ですが、ここが天王山になりそうです。開幕から2大会がHondaさんのホームでHonda勢圧勝。TGR勢がオートポリスで少し元気になりました。富士スピードウェイというホームで迎える大会は、昨年も坪井翔選手が勝ち富士マイスターと呼ばれ躍進して行きました。チャンピオンになるまで、一気に駆け抜けましたよね。

Honda勢も6月にある富士スピードウェイでの公式テストで、もろもろアップデートやミスを補完したりと準備期間が設けられます。また、TGR-DCのドライバーの入れ替えもありました。入れ替えてでも走る機会を与えてもらえるドライバー育成の環境は、恵まれていますので彼らは感謝しなくてはと思います。いろんな材料が盛り込まれちょっと楽しみな大会となりそうです。

7月の富士大会は、大盛り上がり間違いなし!初めての方もぜひ足を運んでいただければと思います。

(写真:日本レースプロモーション 大谷幸子 / テキスト:大谷幸子)

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