織戸学 ドライバーズコラム 第11回 130R YOKOHAMA(レーシングシミュレーターSHOP)

みなさま、こんにちは!レーシングドライバーの織戸学です。今日は、レーシングシミュレーターのお話です。

多くのレーシングドライバーや、ジェントルマンドライバーさま、お客様にご愛用いただき本当に感謝です。当初はオープンするまでの2、3か月間は、毎日機械と向き合い、ソフトを理解し、細かな設定変更やチューニングを繰り替え、少しでもリアルなドライビング感覚に近づける努力をしていたのがとても懐かしく感じます。

レーシングシミュレーターは、ハード系のパーツチョイスで操縦感覚が大きく変わってします。剛性感やポジションや画面の見え方でね。
最初にシミュレーターに乗った時に、これは本当に素晴らしいと思い、僕なりに色々と調べて、今の機械に巡り会いました。アメリカのSIM会社に修行に行き、2機購入しました。

では、130Rのシミュレーターの良さはどこにあるのでしょうか??
単なるゲーム機と違い、ステアリングのインフォメーションもあり、シートに取り付けられたアクチュエーター機構により、架空の横G縦Gを発生してくれます。実車と同じように操作をしないと綺麗に速く走れません。サーキットを走る上での基本的な操作、止める、曲げる、加速、この3つをリズム良く繋いでいくのですが、どうしてもリアルなサーキット走行では、焦りや、スピード感覚などで、この3つのリズムのリンクが雑になりがちです。このリズムを、シミュレーターを使いながら頭で考え、脳から伝達し体に覚えさせることが可能になってくるのです。

実際に、僕自身が一番効果を感じていて、今まで一つのコーナーを曲がるときに、5つくらいしか考えていなかったタイヤのグリップ感覚が、今ではその倍近いシビアなコントロールが可能になってきました。

特に、ブレーキングコントロール。ブレーキリリースする時のタイヤの荷重コントロールからの、ステアリングワーク、タイミング、タイヤを4輪転がしてコーナーへアプローチ。そこからのスロットルでのタイヤへの荷重コントロール。要は、全てのタイヤをどのように、どのタイミングで、荷重を抜く、かけるかという操作になってきます。自分が行うドライビングの操作から、クルマの動きを感じるのでは無く、自らの操作で、クルマやタイヤに指令を与えていくドライビングに変化してきました。

面白い結果としては、プロドライバーはやっぱり速いです。数周でこの中でのタイヤのグリップ感覚や情報を感じて走っているからなんですね。やはりプロドライバーです。

またシミュレーターは、データーロガー機能も備えており、速いドライバーとの比較も瞬時にできます。これは本当に有効に活用できるのです。どこが違うのか、何が違うのか?一発ですよ。

130Rでは、ドライビングスクールも行っております。お客様の持ち込んだビデオを見てアドバイスをしたり、シミュレーターをドライブして頂いたり、斜めうしろから操作を見る。これは本当に勉強になります。ドライバーが意外と気がついていない、癖やリズムが本当に見えてくるのです。初めてのサーキットも勉強できますし、普段では絶対にドライブできないマシンも安全に走行体験できちゃうのです。

2年前より、オリジナルのシミュレーターマシンも開発しました。フレームをゼロから作り、フレーム作りのための機械も購入して、見た目の高級感も運転感覚も納得できるMAX ORIDOオリジナルシミュレーターが完成しました。まだまだこの世界は、これからの可能性を僕は秘めていると感じます。今後も、さらに新しい取り組みを進めて行きたいなと考えております。

次は、もっと手頃な感覚で、ドリフトやラリーなども楽しめるマシンでの世界観を作ってみたい。日々頑張ります。

MAX 織戸

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road