首都直下型地震や南海トラフ地震が起きたら、道路は規制されるのか?
いつ起きてもおかしくない大地震。特に、首都直下型地震と南海トラフ地震は、甚大な被害が予想されている地震です。このような大地震が発生したとき、道路は交通規制が実施されます。また、地震発生時に車に乗っていたら、どのような対応をとれば良いのでしょうか。大地震が発生したときの対応方法と規制される道路について説明します。
大地震が発生したときの車の使用について
国家公安委員会がまとめた「交通の方法に関する教則」には、大地震が発生したときの対応方法が記載されています。地震が発生したときは、原則として車を使用してはいけません。
ただし、津波から避難するためであれば車を使用してもよいと記載されています。
津波から避難するために車を使用して良いと改正されたのは東日本大震災の翌年2012年です。
運転中に大地震が発生した場合
車を運転中に大地震が発生したときは、急操作を避けて安全な方法で道路の左側に停止させます。停止したらカーラジオ等で地震情報や交通情報を聞き、情報や周囲の状況に応じた行動をとらなければなりません。
車を運転し続ける場合には、道路の損壊、信号機の作動停止、道路上の障害物などに注意しながら運転します。
車を置いて避難するときは、できるだけ道路外の場所に移動させてください。やむを得ず道路上に車を置いて避難するときは、道路の左側に寄せ、窓を閉めて、エンジンを停止し、キーをわかりやすい場所に置いて、ドアロックをせずに避難します。駐車をするときは、避難する人や緊急自動車などの災害応急対策の妨げにならない場所に停めてください。
運転していないときに大地震が発生した場合
車を運転していないときに大地震が発生した場合、原則として避難のために車を使用してはなりませんが津波は例外です。津波から避難するために車を運転するときは、道路の損壊、信号機の作動停止、道路上の障害物などに注意しながら運転してください。
災害が発生したときに通行止または交通規制となる道
地震などの災害が発生したときは、高速道路を中心に、多くの道路で通行止または交通規制が実施されます。規制される道は「緊急交通路指定予定路線」です。
緊急交通路とは、大規模災害が発生した時に救出・救助・物資輸送などの災害応急対策を的確かつ円滑に行うために、道路の区間または区域を指定して、緊急通行車両等以外の車両の通行を禁止・制限した道路です。緊急交通路に指定された路線は、緊急通行車両や規制除外車両以外の車両(一般車両等)の通行ができません。
首都直下型地震が発生したときに規制される道
令和2年8月の警察庁の発表によると、首都直下型地震が発生したときは、発災直後から都心部への車両の流入禁止規制・緊急交通路指定予定路線からの一般車両の排除等を実施するそうです。
また、道路損壊等による通行の支障の有無を把握し、関係都県警察・道路管理者と調整した上で、緊急交通路の指定等の交通規制を行います。
ただし、災害の規模や被災状況に応じて、最も効果的な災害応急対策が実施されるよう、交通規制の範囲が適宜変更されるため、常に最新の情報を入手することが大切です。
最大規模の地震発生時を想定したときの緊急交通路指定予定路線は、首都高速道路を中心とした高速道路、一般国道や都道となっています。
詳しくは、警察庁が公表している「緊急交通路指定予定路線等一覧」をご覧ください。
南海トラフ地震が発生したときに規制される路
令和3年6月の警察庁の発表によると、南海トラフの領域が震源とみられる地震が発生した場合は、発災後、道路管理者と連携して緊急点検箇所の点検を行うことを通じて、緊急交通路指定予定路線における道路損壊等による通行の支障の有無を把握するそうです。その上で、被害が甚大な地域については、必要に応じ、車両の流入禁止規制や一般車両の通行を禁止するなどの交通規制を実施するとなってます。
ただし、地震の規模により一部の路線の指定を行わないなど、災害や被災の状況に応じて最も効果的な災害応急対策が実施されるよう、交通規制の範囲が適宜変更されます。
南海トラフの領域を震源とする地震が発生した場合の緊急交通路指定予定路線は主に高速道路です。
首都高速道路、東京湾アクアライン、東名高速道路、新東名高速道路、小田原厚木道路、中央自動車道、富士五湖道路、名神高速道路、北陸自動車道、名古屋高速道路、知多半島道路、伊勢湾岸自動車道、東名阪自動車道、新名阪自動車道、阪神高速道路、ハーバーウェイ、山陰近畿自動車道、第二神明道路、山陰自動車道、中国自動車道、広島高速、阪神淡路鳴門自動車道、徳島自動車道、松山自動車道、九州自動車道など、関東から九州までの高速道路が規制されます。
詳しくは、警察庁が公表している「緊急交通路指定予定路線等一覧」をご覧ください。また、警察庁のサイトには路線図も掲載されています。
地震に備えてあらかじめ規制される道を知る
地震が発生すると避難するために車を使いたくなるかもしれませんが、原則避難するために車を使用してはなりません。ただし、津波は例外です。
また、道路は地震が発生した直後から規制が始まり、一般車が通れなくなります。運転中に大地震が発生したときの対応方法とともに、緊急交通路に指定されている道路を避けて目的地まで行くルートを知っておくことが地震への備えだと言えるでしょう。
(記事:齊藤 写真:AC 編集:GAZOO編集部)
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