清水草一が教える! モテたいなら、このクルマに乗れ! 第2回「彼女いない歴○年間のカーマニアがモテるには?」

カーマニアがモテるためには、いったいどうすればいいのか!?

それについて書く前に、まず「モテる」について定義したい。

「モテる」という語感には、「私と付き合って!」と女の子がワンサカ押しかけてくるようなイメージがあるが、そんなのは実現不可能。論じても無駄である。

このシリーズにおける「モテる」は、彼女を作ることである。

そして夢の結婚(=大勝利)にこぎつけることである! 彼女いない歴○年間のカーマニアが、彼女を作って結婚に成功するにはどうしたらいいか!? そういうことだ。既婚の読者諸兄はすでに勝利者であるから、高みの見物を決め込んでいただきたい。

ここに格好の素材となる男がいる。プライバシー保護のため仮名で「マリオ」と呼ばせていただきたい。

マリオが私の前に現れたのは、9年ほど前のことだった。その時のマリオ(当時たぶん34歳)は、あらゆる意味でモテないクルマオタクそのものだった。

まず、愛車はスバルの初代インプレッサWRX。彼はこれをGC8と呼んでいた。

そのインプレッサは、貧困と怠慢により不動状態だった。

マリオの不動インプ。草に囲まれている

車内は倉庫として活用(?)されており、ゴミが大量に積載されていた。ただし本人によるとそれはゴミではなく、宝物(古い自動車雑誌)とのことだった。

不動でゴミ屋敷状態の初代インプ。これ以上モテないクルマは、おそらくこの世に存在しないだろう。

こんなクルマのオーナーがモテるわけがない

クルマだけではない。本人もモテないすべての条件を兼ね備えていた。

髪型がダサい。というより髪型というものを考えたことがない。

服装がダサい。というより服とは体温を保つためだけにあると考えており、ファッションについては生まれてこのかた考えたことがない。

人見知りである。

気が利かない。

年収が低い(200万円台)。

学力が低い(卒業高の偏差値は36)。

それでいて、女性に対しては異常に注文がうるさい。具体的には「貞淑な大和撫子」が好みであり、タバコを吸ったり足を組んだりする女はそれだけで論外とのことだった。

しかしマリオは、どこか非常に魅力的な男で、「コイツを助けてやりたい!」と思わせる天性の資質を持っていた。当時は本人が「いずれは結婚して子どもをたくさん持ちたい」と当然のように考えていたため、私はおせっかいにも、なんとかそれを実現させてやろう! と思った。

私がまずしたことは、マリオに自覚を促すことだった。

オレ「マリオよ。ある統計によると、30代以上の独身男性が今後結婚できる確率は、3%しかないそうだ」

マリオ「えええ――――っ! 本当ですか!? 結婚なんて時期が来れば自然にできるものだと思っていました!」

オレ「そんなわけがないだろう! 結婚とは自らつかみ取る勝利だ! 今日から夢の結婚に向けて第一歩を踏み出すから覚悟しろ!」

マリオ「はい、わかりました!」

(つづく)

プロフィール

清水草一
モータージャーナリスト。慶応大学卒業後、集英社で「サーキットの狼」の池沢さとし氏の担当編集者となる。フェラーリを崇拝しており、「大乗フェラーリ教開祖」を名乗る。
公式サイト https://www.shimizusouichi.com/

企画・編集=ノオト

[ガズー編集部]