究極の「安くてモテるクルマ」とは!?:清水草一が教える! モテたいなら、このクルマに乗れ!

ランボルギーニを買えばキャバクラでモテる! ただしドアが上に開くランボルギーニを買うには最低でも2千万円必要! 「フザケンナ! 2千万円あったら家を買うわい!」
そのようにご立腹の読者諸氏もいらっしゃることだろう。が、考えてみて欲しい。2千万円で買える家のことを。想像するまでもなく、かなりフツーかそれ以下の家である。それを見て「ステキなお家!」と抱き付いてキスしてくれる女性がいるだろうか?
 「ウルサイ! とにかくクルマに2千万円は出せん! もっと安くてモテるクルマを教えろ~~~~~っ!」
よろしい。では教えよう。中古のジャガー・XJである。
ジャガーは英国の高級車。上品なたたずまいで女子人気も高い。もちろんジャガーだからと言って、「乗せて乗せて~!」と女性が押しかけてくることはないが、多少のプラス評価は間違いない。
そのなによりの証拠に、あのモテないカーマニアのマリオ(仮名)が、唯一妙齢の女子搭載に成功したのが、当時乗っていたジャガー・XJ(先々代型)だったのである。

インプレッサとジャガーの2台態勢で、我が世の春を謳歌した当時のマリオ

なぜ貧乏人のマリオがジャガー・XJを買えたのか?
ヤフオクで23万円だったからである。
 先々代ジャガー・XJは、その信頼性の低さゆえに、中古価格が猛烈に安い。しかしパッと見は数百万円の高級車。古いほうがかえってやんごとなき血筋を引く者にすら見える。
マリオの場合も、当該女子に「ステキなクルマですね」と誉められたそうである。と言ってもデートはきっぱり断られたので、効果はその程度だが、そこから先は本人の責任。クルマ側としては、女性に「ステキなクルマ」と言ってもらえれば、責任は十二分に果たしたと言える。
マリオの場合、本人に多くの問題があり、デートには至らなかったが、元LEON副編集長にして自動車評論家の九島辰也氏も、つい3年ほど前、先々代ジャガー・XJを足にしていた。こちらは見るからに「モテモテのナイスミドルの愛車」という風情だが、値段はたったの78万円だったとのこと。これ以上モテコスパの高いクルマは他にないのではないか!?

九島辰也氏が乗っていたXJも実は激安だった

「んなこと言ったって、信頼性が低いんだろ? 安くて故障しないモテグルマはないのかよ!」
ある。先代ジャガー・XJである。
こちらはオールアルミボディを持つ新世代ジャガー。信頼性は飛躍的に向上したが、どことなく見た目が野暮ったかったせいか、人気は超低空飛行となり、現在中古車が47万円くらいから買える。野暮ったいと言ってもパッと見は先々代ジャガーと大差なく、まず女子には見分けがつかない。これこそが究極の激安モテグルマだ! これを買ってダメなら何をやってもムリ! マリオのように脳内嫁をもらってくれ! もうわしゃ知らん!
 (おわり)

プロフィール

清水草一
モータージャーナリスト。慶応大学卒業後、集英社で「サーキットの狼」の池沢さとし氏の担当編集者となる。フェラーリを崇拝しており、「大乗フェラーリ教開祖」を名乗る。
公式サイト https://www.shimizusouichi.com/

企画・編集=ノオト

[ガズー編集部]