カーマニアは人妻にモテる!?:清水草一が行く! モテないカーマニア調査隊

モテないカーマニアのフナタン(36歳独身)にスポットを当て続ける当連載だが、フタナンの写真を見た週刊誌編集者から反応があった。
曰く、「フナタンはモテるんじゃないでしょうか?」と言うのである。
「最近、癒し系の小太り男性がスキ! という若いコが多いんですよ。フタナンは絶対モテるタイプだと思うんですけど!」

フナタン、実はモテるタイプ? 愛車の一台、NAロードスターと

それは否定できない。私もフナタンの顔を見、話をしていると、強い癒しを感じる。このままずーっと死ぬまでフナタンと一緒にいたいとすら思う。同じ思いを抱く女性がいても不思議はなかろう。
担当リナ(人妻)「私の周りの人妻軍団には、フナさんすっごく人気あるんですよ! みんな『フナタン大好き!』って言ってます(笑)」
うおおおお、まるで酒池肉林ではないか!
しかしフナタンは女性ではなくクルマを取ってしまった。女性をナンパするのではなく、モテないポンコツばかりナンパして生きている。どうしてなのか。だいたいなぜフナタンはクルマが好きになったのか!?

フナタンを褒める人妻たち。左が担当リナ

フナタン「きっかけは、幼稚園時代に見た『西部警察』の再放送でした」
オレ「えっ! 意外と激しいところから入ったんだね。じゃ最初のアイドルはスカイラインRSとかZ?」
フタナン「いや~、そっちじゃなくて、引っ繰り返ったり燃えたりする230とか330の方でした」
ブワーッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!
幼稚園時代、まず心を奪われたのが、大破する230や330の日産・セドグロ!
つまり雑魚である。
そうか、フタナンは幼稚園時代からモテないクルマが大好きだったのか……。

日産・セドリックの4世代目330型。4ドア・ハードトップ2800SGLと4ドアセダン2800SGL

フタナン「でも、その後しばらくは、クルマからは遠ざかっていたんです」
オレ「じゃ中高時代は女に悶々としたの?」
フタナン「普通にしましたねぇ」
まったく正常である。決して大破するセドグロに心を奪われ続けたわけではなく、女性への健康な欲望も燃やしたフナタンだったのだ。
人間を突き動かすもの、それは欲望。欲さえあれば何でもできる。私は若い頃、8割は女のことを考えていた。好みの女を見つけると脇目もふらず突撃した。その結果、結婚という大勝利をつかみ取った。しかしフナタンは36歳独身彼女なし。聞くのを忘れたが彼女いない歴は恐らく10年を超えているだろう。なぜなのか!?
オレ「じゃ、フナタンがいま思い浮かべる夢の恋愛ってどんなもの?」
フナタン「夢ですか?」
オレ「たとえばオレは、美女と高級温泉宿でシッポリなんだけど、フタナンは?」
フナタン「うーん、今思えば、学生時代、制服同士でデートとかしてみたかったですねえ。そういう経験をまったくせずに過ぎてしまったので、それを思うと今でもワーッと頭を抱えたくなります(笑)」
どどどどーしてそんな、今さら死んでも不可能なことを夢見るんじゃ! 36歳独身彼女ナシモテないクルマ4台付きなんだから! せめて「初代パルサーの助手席に和久田麻由子さん(NHKの清楚系女子アナ)を乗せてドライブしたいです」くらいの夢を語れやアホンダラ!

こちらもフナタンの愛車・初代パルサー

(つづく)

プロフィール

清水草一
モータージャーナリスト。慶応大学卒業後、集英社で「サーキットの狼」の池沢さとし氏の担当編集者となる。フェラーリを崇拝しており、「大乗フェラーリ教開祖」を名乗る。
公式サイト https://www.shimizusouichi.com/

企画・編集=ノオト

[ガズー編集部]