谷口信輝 ドライバーズコラム 第4回 運転が上手くなるには?

こんにちは!レーシングドライバーの谷口信輝です。

クルマの運転の上手な人、そうではない人、いろいろいますが、初めから上手い人はいません。運転が上手くなるには、やはり経験を積むこと。一般的な運転もそうですが、サーキットで速く走るようになるのも、マイレージ(距離)を稼ぐ事が必要です。運転は誰でも上手くなれます。距離を稼ぐのに、お金や時間が必要となるのでなかなか大変なだけ…。

レーシングドライバーは、サーキットを走る量が圧倒的に多いので、勝手に上手くなっていきます。後は、上手くなりたい気持ちがあるのか?です。ただ走るだけでも成長はしますが、ドライビングの理屈を勉強できれば尚良いです。

最近では、シミュレーターが日本のあちこちにあるので、そこでマイレージを稼ぎながら、そしてデータロガーを見ながら勉強するのが一番安全で濃いトレーニングになると思います。

もちろん、実戦に勝るものはないですが、ある程度のレベルまではシミュレーターで十分です。むしろ時間や天気、他人を気にせず常に同じコンディションで走れるという点では、シミュレーターは最高です。そして何より、そこにプロの走行データがあり、比較してもらえ、走行シミュレーターだけでなく、頭のお勉強もできるのがとてもいいですね。クラッシュしても費用がかからないし。

では、シミュレーターの料金を高いと思うか?安いと思うか?ですが、僕は安いと思います。そこに専属のトレーナーがいるわけですから。ゲームセンターとは違いますよ。

(ここは東京バーチャルサーキットです)

プロドライバーとアマチュアでは、コーナーを曲がる速度が違います。プロドライバーは頭のネジが足りず、ど根性でコーナーに飛び込んでいる訳ではありません。みなさんは、カーブに勢いよく入るのは怖いですよね?なぜ怖いのか?

それは…、コーナーに飛び込んだ後、どうなるかわからないからです。曲がれないかもしれない。タイヤが滑るかもしれない。そしてその対処の仕方もわからない。だから怖い。
プロドライバーは、クルマの動きを全て理解していて、さらに対処の仕方も知っている。だから怖くないのです。お化け屋敷が怖いのも、真っ暗でどこで脅かされるかわからないから怖い。もし、そのお化け屋敷の仕組みを隅々まで知っていたら、全く怖くないはずです。

ということで、クルマの動きを知りましょう。いわゆるタイヤがどうなろうとしているのかを感じること、タイヤが滑ろうとしているのか?グリップしようとしているのか?それを感じる事がドライビングの一番大事な所です。それを感じないと、ブレーキも、ステアリングも、アクセルも、すべてロスします。

そして“それ”を感じる事ができるようになる為には、マイレージが必要なのです。文字数が多くなってきたので、この続きはまたの機会に。気が向いたら書きます(笑)。

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road