谷口信輝 ドライバーズコラム 第5回 映画:新劇場版 頭文字Dの制作の裏側
みなさま、こんにちは! 昔、AE86トレノに乗っていて、峠でドリフトして、豆腐屋で働いていた谷口信輝です。
え?何かそんな話を聞いた事があるって?そうです「イニシャルD」ですね。いや、嘘のような本当の話ですが…、僕は昔、AE86トレノに乗っていました。
そして、「クボタ食品」という豆腐屋で、朝4時~昼の12時まで豆腐の配達をしていました。
そんな頃、週刊ヤングマガジンで「イニシャルD」というマンガが始まりました。僕は毎週ヤンマガを読むヘビーユーザーなので、イニシャルDが始まった時、第1話から出会いました。86、峠、ドリフトそして豆腐屋と、4つもキーワードが僕と重なったので、自分で驚きました。
それからは、広島中の走り屋から「あれ、谷口君の話?」って連絡がきたのを覚えています。作者とは、一切面識ないんですけどね。
次にみんなに聞かれるのが…、「コップに水入れるやつやってんの?」…。やるわけないだろ!っていうか、発進したら溢れるし。
そんな感情移入バリバリのイニシャルDが、この度、映画:新劇場版 頭文字Dとして復刻されました。その映画の製作に、実は僕も携わらせていただきました。何を携わったのかと言うと…
映画で使う「音」をイニシャルDに登場するクルマ全てを集め、その実車を使用し、筑波サーキットでドリフトをして、音録りをしたんです!
音録りの際に苦労したのは、車内の音も録るので、「絶対喋っちゃだめですよ」って言われていたんだけど、AE85とかドリフトするのに苦労するクルマに乗ると、ついつい「苦しい…」って声が出ちゃうんだよね。
あと、暑いのにエアコンは風の音が入るから使っちゃダメって言われるし。一番困ったのが、空にいる鳥の声! ピヨピヨ言ってて、音声さんが、「鳥の声が結構厳しいです!」って言うもんで、ディレクターが収録コーナーを変えようとするのですが、筑波サーキットの空には鳥がいて、コーナーを変えたくらいじゃ、鳥の声は変わらなかったんだよね。音録りもなかなか苦労しましたよ。
自分の成長と共に過ごしたイニシャルDと、その映画に関わる事ができたのは、感無量です。昔は、こんなにドリフトが世の中に認知してもらえるとは思わなかったからね。
という訳で、映画イニシャルDを見に行った際には、あ!このサウンドは谷口が走って録った音なんだと、そういうのも含めて映画を楽しんで下さい!
では、また!
[ガズー編集部]
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