新城ラリーの魅力紹介 ラリー観戦、名車に出会うイベントレポート
10月31日、11月1日に、愛知県の新城総合公園で子供から大人までクルマをテーマに楽しめる「TOYOTA GAZOO Racing PARK」が開催された。さらに全日本ラリー選手権とTRDラリーチャレンジの最終戦も併催され、普段は静かな公園が、この日ばかりはクルマと人が集まる一大モーターフェスティバルとなった。
貴重なラリーマシンから装甲車まで大集合!
新城総合公園では2013年より全日本ラリー選手権とTRDラリーチャレンジに合わせ、芝生広場にレーシングカーの展示や、屋台が軒を連ねたりと楽しめるイベントを開催していた。今年は「TOYOTA GAZOO Racing PARK」として開催され、往年のラリーマシンや、ニュルブルクリンク24時間耐久レースやル・マン24時間耐久レースに参戦したマシンなどを展示。また警察や自衛隊も展示協力するなど、幅広い乗り物が集まった。
- トヨタ・セリカ・ツインカムターボ/1982年から始まったグループB規定に挑んだマシン。ライバルが4WD化を進めるなか、FR車で挑み続け、1983年から1986年にかけサファリラリーで3回優勝、コートジボアールで3回優勝と過酷なアフリカの大地で大活躍し、その堅牢性、高い耐久性を証明した
- セリカ GT-FOUR ST165/1988年からWRCグループAで勝つために投入されたマシン。1990年にカルロス・サインツ選手がドライブし、日本車初となるドライバーズタイトルを獲得した記念すべきモデル
- セリカ GT-FOUR ST185/1992年からWRCに投入されたグループA仕様車。1993年には、ユハ・カンクネン選手がドライブし、マニュファクチャラー&ドライバーズタイトルをもたらした
- ランチャ・ストラトスHF/WRCで最も印象に残る1台。市販車をラリーマシンに改造するのではなく、ラリーで勝てるクルマをテーマに市販車を作った。1トンを切る軽い車重にV6エンジンをミッドシップに搭載。1974年から3年連続マニュファクチャラータイトルを獲得した
- ランチャ・ラリー/1982年にWRCにデビュー。開発コードの「037」の愛称で親しまれるこのマシンは4WD化が進むWRCのなかで、エンジンをミッドシップに搭載したリヤ駆動の2WD。1983年には5勝し、見事マニュファクチャラータイトルを獲得
- マツダ323/日本名ファミリアで知られるこのマシンは、1986年よりWRCに参戦。1987年、モンスターマシンがしのぎを削っていたグループBが廃止され、より市販車に近いグループAに移行されると、他マシンより排気量が小さいながら奮闘。1勝を挙げた
- ダットサン・バイオレット/日産は1963年よりブルーバードでサファリラリーに挑戦し、後に石原裕次郎さん主演「栄光への5000キロ」の映画でサファリラリーを日本に広く知らしめた。そして1979年から1982年にかけ、サファリラリーで4連覇を達成した名車がこのバイオレットだ
- トヨペット・クラウン/日本車として初めて海外ラリーに参戦したクルマ。(ちなみにホンダのF1初参戦は1964年)。第5回オーストラリア1周ラリーは、オーストラリア大陸の厳しい大自然のなかを19日間走破する、17,000kmの過酷なラリー。見事完走し、日本車が外国メーカーのクルマと対等であることを証明した
- 世界耐久選手権(WEC)に挑むTS040HYBRIDをはじめ、ル・マン24時間耐久レースに挑んだTOYOTA 86C-Vなどサーキットを走るレーシングカーも多く展示
- ニュルブルクリンク24時間耐久レースに挑んだLEXUS LFAは大人気で、写真を撮る来場者が後をたたないほど
- 装甲車の出展にも驚くが、来場者に親しみを持っていただこうと自衛官も頑張る
- 子供たちの憧れ、白バイにも跨れる。女子高生も大喜び
女性も子供も楽しめるイベントがいっぱい
男性のクルマファンはこれで存分に楽しめるが、さらに女性や子供にもやさしく楽しいイベントスペースを用意していた。女性だけが入場できる「ガールズラウンジ」では、ソファでゆったりできたり、ラテなどドリンクのサービスがあり、展示車両を観たり、ラリー観戦しながら、途中のんびりできるのが大好評。またTRDラリーチャレンジに参戦している女性選手たちだけのトークショーがあり、女性目線でのモータースポーツの楽しさの話も聞けた。さらに子供向けの「キッズラリーチャレンジ」は、無地のチョロQを好きな色でペイントをしたり、メカニック体験、ラリー体験にペダルカーで競争など、子供目線でクルマが楽しめるアトラクションがたくさんあり大賑わいだった。
- 女性のためのくつろぎスペースとして用意されたガールズラウンジ。中ではラテが飲める特典があった
- ガールズラウンジ前でひとたび撮影会が始まると、多くのファンが駆けつけ一斉にカメラを構える
- 豊田社長が会場内を視察。来場者が気づくとあっという間にこのような状態に。クルマファンとの交流をとても大切にしていたのが印象的だ
- TRDラリーチャレンジに挑む女性選手たちの女子会トークショー。フルフェイスのヘルメットは顔が隠れるからいいけど、ジェットタイプは頬が押され、可愛くみえないから嫌とか、女性らしいトークで大盛り上がり!
- キッズラリーチャレンジコーナーのメカニック体験。タイヤ交換などをインストラクターに教わりながら一緒に作業する。その後、全日本ラリー選手権やTRDラリーチャレンジで本物のサービス風景も観られて現実味が湧く
- 作業ひとつひとつ真剣に取り組む。親は手を出せないので、子供にとってはクルマを中心に成長できるいい機会にもなっている
- 実際にEVカーを運転しながら、ラリーの流れを体験できるコーナーも人気
- キッズラリーチャレンジコーナーは、このとおり大盛況。ラリーマシンが走らない時間をこうして楽しめるのがTOYOTA GAZOO Racing PARKのよさ
目の前をラリーマシンが疾走するのに興奮!
全日本ラリー選手権やTRDラリーチャレンジも、この新城総合公園内にサービスパークがある。だからメカニックの作業風景が間近に観られ、選手と話せるチャンスも多い。サーキットのレースと異なり、ラリーは選手やマシンとの距離が近いのでより盛り上がれる。その興奮はライブのアリーナ席で観るだけでなく、楽屋まで行ける感覚だ。2つのラリーはともに最終戦だから、特に選手たちも熱い走りを披露してくれる。さらに公園内に特設SS(競技区間)が設けられ、その走りがすぐ目の前で観られるのがいい。
- 全日本ラリー選手権は、沿道に駆けつけた方々の声援を選手たちは勇気にして競技に挑む
- 一般公道である林道を閉鎖して競技区間(SS)が設けられる。細く曲がりくねった道をドライバーとコドライバーが力を合わせて進み、1秒でも速くゴールを目指す
- 新城総合公園内の道を封鎖した特設競技区間を、全日本ラリー選手権TRDラリーチャレンジのマシンが走る。100台を超すラリーマシンの走りに来場者も大喜び
- 少しでも多くの来場者にラリーマシンの走りを観てもらおうと、特設観客席が用意されていた。競技が始まる15分前には満席となり、その走りを今か今かと楽しみにしていた
- 全日本ラリー選手権には、ミライも参戦。ドライバーは自動車評論家の国沢光宏選手。WRCドイツでは、このマシンで前走し注目の的だったが、新城でもやはり大人気
- 全日本ラリー選手権には、新しいマシンだけでなく、トヨタ・スポーツ800など歴史を感じさせるマシンも参戦している
- TRDラリーチャレンジは75台という全日本ラリー選手権よりも多い参加台数で盛り上がる。モータースポーツの登竜門的存在として14年も続くイベント。初心者のために事前講習会があったりと、親切丁寧なイベントとして愛されている
- セレモニースタート地点では多くの観客がエールを送ってくれる。選手と観客が親しみやすいのがラリーの魅力だ
- トヨタ86のチーフエンジニア、多田哲哉氏も自らステアリングを握りラリーに参戦。同じ86で参戦する選手たちと交流を深めた
- 今年の東京モーターショーで話題だったトヨタC-HRコンセプトの開発を担当している古場博之主査(左から2番目)もラリーに参戦。ふだん86/BRZレースや鈴鹿クラブマンレースに参戦しているだけにラリーでも速い走りを見せた
- 女子選手トークショーに登場した選手もみな無事完走。小山昌子選手(写真二列目右)と町田亜矢選手(二列目右から2番目)はコンビを組んで、見事クラス優勝!ある意味女子力の強さを証明した
- 夕方、突如開催されたデモランでは、ニュルブルクリンクを走ったLFAが心地よいエキゾーストノートを響かせながら、その走りを披露
- そのLFAのドライバーはなんとモリゾウ選手!あまりのサプライズに大歓声が上がった
- さらにランサーエボリューションが続き、今度は助手席からアッキーナこと南明奈さんが登場。ラリーマシンの走りのすごさを熱く語ってくれた
(テキスト/写真 : 寺田昌弘)
[ガズー編集部]
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