四駆でオフロードを楽しむイベントレポート
トヨタ・ランドクルーザーにスズキ・ジムニー、ジープ・ラングラー、日産・サファリなど62台の四駆が愛知県にある<さなげアドベンチャーフィールド>(SAF)に集結!凸凹、急坂、岩石路など悪路を走破しながらポイントを稼ぎ、タイムも競う、年に一度のオフロードイベント<SAF CUP>は大いに盛り上がった。
設備がしっかりした本格オフロードコースが舞台
ランドクルーザーなど、悪路走破性の高いクルマに乗っていたら、やはりその性能を試してみたい。その欲求を満たしてくれるのが、オフロードコース。なかでも<さなげアドベンチャーフィールド>は、アウトドアブームだった1993年に愛知県豊田市で開業し、以来クルマでオフロード走行が楽しめるフィールドとして親しまれている。
そして普段は、自動車メーカーやディーラーの運転技能講習会や、新型車を走らせながら勉強する商品研修会などに活用されている本格オフロードコース。さらにバーベキュー広場もあり、週末はアウトドア好きが集まり、バーベキューを楽しんでいる。大きな駐車場があり、駅からも近いのでとても便利だ。
そのSAFが開業当時から開催しているのが<SAF CUP>。今回で21回目を迎えるイベントは、本格オフロードコースを舞台に、四駆乗りが走りを楽しみながら競うものだ。
- ランドクルーザー70を筆頭に40、60、80とさまざまなランドクルーザーが集結
- 迎え撃つジムニー軍団。コンパクトで軽量なメリットを最大限活かし、軽快な走りに定評がある
- 開会式。和やかな雰囲気だが、すでに戦いは始まっている
四駆乗りなら誰でもが参加できる気軽さが人気
SAF CUPは、エキスパートがしのぎを削るトライアルと異なり、ビギナーやノーマル車両でも四駆を楽しむすべてのオーナーが出場できるイベントだ。今回はセクションが4つ。基本はノーマル車両で走れるコースとなっている。さらにセクションごとに<ベース>と呼ばれる青く塗られた石を左フロントタイヤで踏んだら加点されたり、<デンジャラスコース>と呼ばれる轍の深いルートをクリアすれば加点といった具合に、エキスパートにとっても挑戦する楽しさがある。
制限時間は3分30秒。難関をクリアするだけでなく、速く走ることもポイント換算され、順位に反映される。またテープタッチや杭を倒してしまったり、タイヤが1/4以上回って後進した場合は減点される。
デフロックなどの制御の有無などもハンデがつき、ホイールベースによってショート、ミドル、ロングとクラス分けがされ、ドライバーのスキルや車両の差が極力出ないようにしているので参加しやすい。
- まずは各コースを歩いてチェックする。自分のクルマの車幅やタイヤが通る場所をイメージしながら慣熟歩行を繰り返す
- 左フロントタイヤの前にあるのがベース。これを踏めば加点される。四輪がどこを通っているかを把握することは、オフロード走行の基本なので、いいトレーニングにもなる
ジムニーからランクルまで、迫力ある走りを披露
今回はランドクルーザー23台、ラングラー5台、サファリ3台、ジープ1台そしてジムニー30台とバラエティーに富んだ四駆がエントリー。サーキットのレースと異なり、ラリーのように1台ずつコースを走るので、いかに冷静に自分と向き合い、慎重に走れるかが、悪路をうまく走破し、タイムを短縮できるかのカギ。当日は、晴れたり曇ったりと、オフロードを楽しむにはちょうどいい天気。数日前に雨が降ったので、岩石路もきれいで、土も適度に湿っていてタイヤもグリップしやすく、気持ちよく走れた。
- 55mの長い登り坂を一気に駆け上がるランドクルーザー70
- 沢を下ってきたが右にあるベースをすっかり忘れてまっすぐ走ってきたランドクルーザー80
- 見た目は歴史を感じるランドクルーザー40だが、各部に手が加えられ高い走破性を誇る
- 岩石路の登り。慌ててアクセルを踏んでもタイヤが空転し、白煙を上げるばかり。タイヤをしっかり岩にグリップさせることが走破のコツだ
- 大きなバケツ状の穴に挑むサファリ。入り方を間違えるとタイヤが浮いて空転し、穴から出られなくなることも
- 悪路走破性の高さは折り紙つきのランドクルーザー70。制御やアシスト機能がないので、ドライバーの技量がそのまま走りに出る。だからおもしろい
- 左右の杭に触らないようにしながら、かつサスペンションの動きを把握し、四輪をしっかりグリップさせながらゆっくり走るランドクルーザー80
- 親子2代で乗り継いでいるランドクルーザー60の走りも健在。岩石路を勢いよく駆け上がってくる
- モデルチェンジをしなくても高い走破性を発揮するジムニー。小径タイヤでもボディの軽さのおかげで段差もうまく乗り越える
- 大柄なサファリはトルクをうまく大径トラクションタイヤに伝えて軽々と走破
- リヤサスペンションの追従性がいいので、姿勢をあまり変えず段差を乗り越えられるランドクルーザー80
- ボディの重さをドライバーの腕でカバーしながら走るサファリ
- 中古車価格が手頃でアフターパーツが充実しているラングラーは人気が高い。サスペンションの換装で走破性が格段に上がる
- 往年のジープの走りも健在。やはりかっこいい
- ランドクルーザー60。サスペンションの動きがよく、こんな凸凹路も難なく走破できる
- 登りたい、でも登れない。アクセルを踏むも、フロントタイヤはむなしく空転するばかり
- 歩いたら滑って落ちそうな下りも四駆なら安心してゆっくり下れる。クルマってすごいと感じる瞬間
- 四駆ブームを支えてくれたランドクルーザーとサファリ。20年以上経った今でも、この威風堂々たる雰囲気に圧倒される
- 賞品が豪華なのはSAF CUPならでは!参加賞だけでも満足できるレベルの高さ。参加者にリピーターが多いのもうなずける
- みな賞品をゲットしたところで記念撮影。賞品はもちろん、オフロードを思いっきり走れたことに大満足の笑顔
オフロードに興味があったらSAFへ行ってみよう
ランドクルーザーやFJクルーザー、ジムニーに乗っている人は、SAF CUPを観に行く、出場するだけでなく、休日に自分の腕を磨きにSAFへ行くのもいいだろう。愛車の悪路走破性の高さを体感したら、さらに愛着が湧くことだろう。またまだ持っていないが、オフロード走行に興味のある人は、同乗走行もあるので、ぜひアスファルトをはずれ、オフロードを体感してみてはいかがだろう。きっとクルマについて新たな発見があるはずだ。
- 新型ランドクルーザー200とランドクルーザープラド。コースは限定されるが、どちらも試乗できる
- 日本ではまず見ることができない新型HILUXのTRD仕様とダカールラリーに挑んだランドクルーザー200、100のマシンが間近に観られる
(テキスト/写真 : 寺田昌弘)
[ガズー編集部]
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