都心で最新アウトドアを体験!アウトドアデイジャパンは大盛況

2001年よりアウトドアイベントとして始まり、2011年よりタイトルも一新し、アウトドアを快適に楽しめる製品やサービスを都会で体験・体感できる国内最大級の都心型アウトドアイベントが「アウトドアデイジャパン」。昨年より福岡、札幌でも開催されるようになり、すでにアウトドアを楽しんでいる人はもちろん、これからキャンプやアウトドアスポーツを楽しみたい人にとても身近なイベントだ。代々木公園イベント広場・けやき並木には2日間で14万人ものアウトドアファンが来場し、アウトドアのヒト・コト・モノを存分に堪能した。

「ゆったり・ゆっくり」が今年のトレンド

ここへ来れば、今年のアウトドアのトレンドがわかる。まず特に目を引いたのが大型テントの数々。各メーカーはグランピング(グラマラスとキャンピングを掛け合わせた造語)感覚で大自然の中でゆったりくつろげる大型テントを展示して、その使い勝手のよさ、快適性を来場者に体感してもらっていた。

ここのところハンモックも人気が高い。カラーやサイズ、デザインも増えてきて、自分のウェアを選ぶアパレル感覚でハンモックも選べるようになった。都会はなにかとストレスが多いから、大自然の中でのんびりハンモックに揺られながらうたた寝することが憧れの人も多い。何もしない贅沢を体感できるのもアウトドアのいいところだ。
アウトドアウェアも機能性溢れるスポーティなタイプから、どこかの民族衣装のようなかわいらしさ溢れるものまで、自分のスタイルを表現できるアパレルも増えてきた。
代々木公園に特設池が出現し、ラフトを子供たちが漕いで遊べるのが大人気
クライミングもできる。後ろに見えるビルはNHK
フォレストアドベンチャー秩父は、まるで空中散歩ができるようなアトラクションを用意
子供たちにはとにかく体験を。チェーンソーも体験できる

一昔前のアウトドアといえば、似たようなスタイルのほうが安心していられたが、現在は自分がアウトドアでどう過ごすかが明確になってきているので、まわりの人を気にせず、自分らしさを大切にする。アウトドアは人との比較ではなく、自然との融和が目的だ。

自動車メーカーは個性溢れる出展

オンタイムの規則的な生活から解き放たれ、自由に自分たちの行きたいところへ誘ってくれるのがクルマのいいところだ。お気に入りの大型テントにタープ、テーブル、椅子、料理道具そして遊び道具を積んで行けるだけでなく、車中泊さえ楽しい。そして悪路走破性を活かした走りを体感できたり、山間のワインディングを快適に走れたりと、目的地へ向かうドライブそのものも楽しい。

JAFは火起こし競争で盛り上がる。そして全国のキャンプ場などドライブ情報を提供
ヨコハマタイヤはオフロードレース バハ1000に参戦したマシンの乗り込み体験ができる
90年代のアウトドアブームを牽引した三菱は、三菱車オーナーのために毎年メーカー主催のキャンプイベントを開催するほどクルマのあるアウトドアライフを応援している。悪路走破性の高いパジェロで45度の急坂を登ったり、デリカでバンクを体験できるアトラクションは人気が高い。
ホンダはオデッセイ ハイブリッドやヴェゼル ハイブリッド、ステップ ワゴンHonda Dogバージョンやジョルノ、クロスカブといったバイクを展示。クルマは乗り込み体験しかできないが、そのぶんキャンプ教室やキャンプカメラ講座などイベントを多く開催したり、耕運機の体感ができたりしておもしろい。
スバルはアイサイトの同乗体験ができる。CMさながらの体験に同乗者も障害物手前で奥歯をかみ締めるほど力が入る。停止したレヴォーグの車内を覗き込んでみると、ほっと安堵の顔で笑みさえこぼれる。また日本カヌー連盟やプロサイクルチームのサポートカーを展示し、スタイリッシュなブランドをしっかりアピールしている。
スズキはハスラーをキャンプに持ち込んだときの展開例を展示。軽自動車でも十分アウトドアを楽しめることを提案する。やはり若い女性や子供に人気が高い。

トヨタはまるでメリーゴーランドのような楽しさ

毎年来場者が楽しみにしているのが、トヨタブース。ランドクルーザー200、ランドクルーザープラドそしてFJクルーザーに同乗し、階段を上ったり、丸太を越えたりとクルマが前後左右に傾きながら障害物を乗り越える悪路走破性の高さを体感できる。ランドクルーザーにしてみれば、性能のほんのさわり程度だが、クルマが前も見えないほど急な階段を上ったり(マルチテレインモニターがあるので前方、側方もしっかり確認できる)前後1輪ずつ浮かせて2輪だけでも丸太の障害物を乗り越えたり(クロールコントロールやデフロックを使って接地しているタイヤに動力を伝達できる)と、遊園地のアトラクションのような楽しさだ。特に横に30度傾くと、車内では絶叫が。そして2輪が浮いた状態からシーソーのようにバタンと傾くと、乗っている方はもちろん、外から観ている方からも歓声が上がる。パリのセーヌ川沿いにメリーゴーランドなどのアトラクションがある場所で家族やカップルが楽しんでいる光景にとてもよく似ている。
また人と自然の共生を理念に展開しているトヨタ白川郷自然學校は、炭火で竹に巻いたバームクーヘンを焼いたり、大人も子供もそれぞれ自然と向き合えるイベントの紹介などをしている。

ランドクルーザー200、ランドクルーザープラド、FJクルーザーに同乗し、レールのないアドベンチャーランドを体感
大柄なボディサイズをゆっくり揺らしながら丸太を越える。乗り心地のよさに感動
転倒したときの対処法をランドクルーザー70で作られた転倒脱出訓練機「てんとうくん」で紹介する
新開発のディーゼルターボエンジンの低速トルクを活かし、らくらく丸太を越えるランドクルーザープラド
女性にも注目の的のランドクルーザープラド。ぜひ彼に乗ってもらいたい
約240組の家族やカップルが同乗体感して「WOW」の連続で大好評
トヨタ白川郷自然學校はバームクーヘン料理教室を実施。おいしそうな匂いが立ち込める

アウトドアのプロがイベントを運営

アウトドアデイジャパンの実行委員長である沖田雅生さんは、根っからのアウトドア好き。好きが高じて地図編集や旅行雑誌編集を経てアウトドア雑誌の編集長として11年勤め上げた。現在はアウトドア系の編集者とこのイベントのプロデュースをしている。アウトドアをこよなく愛し、ラジオでもアウトドア入門のアドバイスをしたり、原稿執筆もアウトドアでするほど。真のアウトドアマンの思いのこもったイベントだから、年々盛り上がってきている。「都心の森で、見て・触れて・体感する日。そして豊かな自然に感謝しようをテーマに6回目を迎えるアウトドアデイジャパン。2日間で14万人というたくさんの方にご来場いただきとても感謝しています。特に20代30代前半の若いファミリーの方が多く、アウトドアというライフスタイルが熱くなっていることをこちらも実感しました。そんな中で「被災地キャンプ場の今」と「グランピング」をテーマにしたトークショーや展示など、今を知っていただくことも忘れず取り組んでみました」と沖田さんは、このイベントを通じて、自然にもっと興味を持ってもらって、自分で考え体を動かしアウトドアを楽しんでもらえたらと常に考えている。

これからキャンプには最高のシーズンになる。今年こそクルマにアウトドアギアを積んで、家族と友達と大自然の中でよく遊びよく笑ってみてはいかがだろう。

(写真・テキスト:寺田昌弘)

[ガズー編集部]