トヨタ・ランドクルーザー70オーナーによるミーティング開催
ワンメイクのオーナーズミーティングは、様々な車種で開催されている。ランドクルーザーシリーズの中でも、特にオフロードを走ることを楽しむオーナーが多いのがランドクルーザー70。ひとくちにナナマルと言っても、ボディサイズが4種、エンジンもガソリン、ディーゼル、ディーゼルターボと多岐に亘り、かつボディ形状がマイナーチェンジしたりと、様々な型式がある。現在は海外でのみ販売されているが、2014年に30周年を迎え、国内でも限定発売され、予想を大きく上回る販売台数を記録した。世界の過酷な大地で活躍する、日本の工業製品の信頼性、耐久性の高さを象徴するクルマだから、もちろん日本でもファンが多い。そして70系にはワゴンタイプのランドクルーザープラドもラインナップされていた。このナナマル乗りのミーティングは、山梨県にあるスタックランドファーム オフロードコースで毎年9月に行われる。今年で13回目を迎えた「ランドクルーザー70オーナーズクラブジャパン オールジャパンミーティング」に愛車のナナマルとともに参加した。
泥んこになって楽しむ。これナナマル流
オーナーズミーティングは、駐車スペースのある場所に集まって談義したり、キャンプしたりするのが一般的だが、ナナマル乗りは、悪路走破性の高さを体感したり自分の腕を試したりしながらオフロードを走るのが好きだ。今年はミーティングに約70台が参加したが、その半分以上がトライアル走行会に挑む。オフロード走行に長けたメンバーが、ノーマル車両でも走れる難易度のコースを決めてくれ、誰でもがナナマルの悪路走破性の高さを体感できる。走らない参加者もギャラリーコーナーでその走りを観て楽しむ。
- トライアル走行会のスタート地点。タイムトライアル方式なので緊張する
- 岩がある登り坂も難なく登るランドクルーザー70
- フラットダートはスピードを上げて走って行ける
- ぬかるんだ路面もトルクを活かして走る
- ギャラリーコーナー。仲間が観ているのでつい良いところをみせようと頑張ってしまう
- ゆっくり走るイメージが強いランドクルーザー70だが、ひとたびアクセルを踏めば一気に加速する
- みんなそれぞれのドライビングスキルに合わせた走りで楽しむ
- 走行後はしっかり泥を落とす。よく走ってくれたと感謝の気持ちを込めて
食べて飲んで語って楽しむ。これもナナマル流
1泊2日のキャンプスタイルのミーティングでは、オフロードを走る以外にも楽しめる。初日は走ることをためらうくらいの雷雨だったが、管理事務所を中心に、持ち寄ったテントをつないで大きなリビングスペースを作る。そしてミーティングスタッフが料理の腕を振るって、豚角煮や豚汁、唐揚げに野菜のうま煮などを作ってふるまってくれる。これがおいしくて名物になっている。キャンプ道具を持っていないかたも参加しやすくていい。
- テントを持ち寄ってつないで大きなリビングを作る。キャンプというか野営状態
- 豚角煮と牛丼、豚汁、野菜のうま煮、ウインナーに唐揚げとおいしい料理をミーティングスタッフが作ってくれる。これがおいしい
- 会場からは富士山が見える。この日初冠雪となっただけに夜中は気温10℃近くまで下がった
- 土曜日の雨で濡れたテントを、クルマを使ってうまく干している
そしてトライアル走行会の上位には賞品があり、最下位には代々受け継がれるビリの印のマグネットステッカーが渡される。さらにビンゴ大会。賞品は参加者が持ち寄ったり、企業に交渉したりして集めている。オフロード用品からディズニーランドのペアチケット、手作り梅酒、お米など、実用的なものから家族が喜ぶものまでかなり豪華だ。
- そしてトライアル走行会の上位には賞品があり、最下位には代々受け継がれるビリの印のマグネットステッカーが渡される。さらにビンゴ大会。賞品は参加者が持ち寄ったり、企業に交渉したりして集めている。オフロード用品からディズニーランドのペアチケット、手作り梅酒、お米など、実用的なものから家族が喜ぶものまでかなり豪華だ。
- 左手で「7」の文字を。中には全身で「7」を表現してくれたり、両手で「70」とする人も
- 若手のカップルでの参加も増えてきている
- 集まった参加者と記念撮影。来年はぜひランドクルーザー70に乗っているかたは、気軽に集まりましょう
オフロードを走ってスタックしても仲間がいるから大丈夫。オフロードを存分に楽しみ、おいしいものをたくさん食べて、思いっきりしゃべって大満足の2日間。もしナナマルに乗っていて、まだ参加したことがないかたがいたら、ぜひ来年9月に参加してみよう。きっと自分のナナマルの悪路走破性の高さに感動し、もっとナナマルが好きになるはずだ。
ナナマル大好きオーナー紹介
- 加藤英和さん&愛さん/GRJ76
限定発売のランドクルーザー70(GRJ76)で参加した加藤英和さん、愛さん家族。加藤さんは昔、ランドクルーザー40に乗っていて、ディーゼル車の排ガス規制で乗れなくなってからハイエースに乗っていたが、ランドクルーザー70が限定発売されるのを知って購入。「やっとまた大好きなクルマに乗れるようになりました」と限定発売されたことをとても喜ばれていた
- 澤田健さん&留美さん/HZJ76V
フォトグラファー、レタッチャーとしてクリエイティブな場で活躍する澤田さんは、3年前に免許を取得し、すぐこのナナマルを購入した。「仕事は電車通勤ですが、撮影機材が多かったり、キャンプや登山に行くときに乗ります」
新しいナナマル発表前にこのナナマルを購入。本当は新しいほうが欲しかったのでは?「逆にどうしてもこの丸目のデザインのほうが欲しかったんです」妻の留美さんも運転するのでAT車の中古車を探していたところ、自宅近くのショップで購入。
「真っ直ぐ走るプレスラインと、ボディからボンネットが絞られてフェンダーが残るラインと丸目がたまらない造形ですね。またメンテナンスしながらずっと付き合って行ける本物の道具であることが魅力です」留美さんも「単なる普通のクルマを移動手段として乗るぐらいなら、好きなクルマを10年20年と乗って楽しく過ごして」といい、留美さんも一緒にナナマルを楽しんでいる。
- 木下茂樹さん/HZJ78R
ふだんはタンクローリーの乗務員として働いている木下さんは、今までいろんなランドクルーザーを8台乗り継ぎ、現在はこのHZJ78RとミドルボディのHZJ74Vと2台のナナマルオーナー。「この長いボディのナナマルは、家族で長期休暇に旅に出るときやキャンプをするときに乗っています。ミドルボディのナナマルは、通勤から土、雪といったラフロードを走りに行ったりするのに乗っています」
現在所有しているランドクルーザーを含め、10台も乗り継いでいる強者の木下さん。ランドクルーザーを好きになったきっかけを伺うと「20代半ばのとき、四輪駆動車が欲しくなって、いろんなクルマを見てまわったのですが、ランクルが並ぶ中古車屋に寄ったら、店員さんがランクルのよさを真剣に力説してくれて、聞いていたらもうランクルしかないと思いました」 所有する2台のランドクルーザーは、ボディサイズは違うがエンジンは4,200cc直列4気筒ディーゼルエンジンで同じ。「それでも乗り味が全然違うんです。それぞれによさがあって」このまま2台のナナマルを乗り続けるのですかと伺うと「しっかりメンテナンスして、子供が自動車免許を取得したら、親子でそれぞれナナマルに乗ってこのミーティングに参加したいですね」
- 丸山英一さん&眞弓さん/HZJ73V&HZJ76V
丸山さんがランドクルーザー100、真弓さんがランドクルーザープラドに乗っていたときに知り合い、真弓さんがランクルを手放した後も丸山さんが自分のMTのナナマルで運転を教えているうちに真弓さんはこのHZJ76のMTを買った。もともとテレビで海外の大地を力強く走る光景に魅了され好きになった丸山さん、知人のランドクルーザーを運転させてもらってランドクルーザーを知った真弓さん。お二人がここまでランドクルーザーを好きになった理由は何なのか。「やはりパリダカールラリーとか、ランドクルーザーの真価に感動したからですね」と丸山さん。 日本人として初めてパリダカールラリーに挑戦し、ランドクルーザーで挑み続けた横田紀一郎さんと会って話を聞いているうちに、もうランドクルーザーしかないと確信した真弓さんは「あまりにもナナマルが好きで、限定発売された新しいナナマルまで買っちゃいました」と言うから驚きだ。現在自宅ガレージには3台のナナマルが並ぶ。「ランクルが縁で妻と出会い、これからも一緒にいろんなところへランクルとともに出かけたいし、いつかは二人でオーストラリアとか旅したいですね、ランクルに乗って」と、丸山さんは語った。
(写真・テキスト:寺田昌弘)
[ガズー編集部]
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