南米大陸に挑んだトヨタのクルマ ダカールラリー2017同行取材で観た!(その1)

パラグアイ、ボリビアそしてアルゼンチンと南米3ヶ国を走破したダカールラリー2017は、異常気象による大雨が続き、ステージを一部キャンセルした波乱の大会となった。オート部門は、唯一のワークスチームであるプジョーが、総合優勝、2位、3位と表彰台を独占し完全制覇を成し遂げた。エントリー台数は79台だったが、そのうちトヨタ車は36台とどのメーカーよりも多く、これはランドクルーザーやハイラックス、FJクルーザーなどが、ラリーマシンのベース車として信頼性が高いからだ。そして完走台数は57台と例年と比較すると完走率が高かったが、その約半分となる28台がトヨタ車だった。ニュースでは上位陣の争いは多く出ていたが、ニュースでは観られなかったトヨタ車を紹介しよう。

完走57台中28台がトヨタ車だったという事実

1月2日にパラグアイの首都アスンシオンをスタートした今年のダカールラリーは、ボリビアに入ると6日間は標高約3,000m以上を走り、最高点で標高約5,000mとまるで登山のような環境だった。酸素が希薄となるのは選手たちはもちろんマシンにとっても過酷だった。そして高所は夜ともなると急に冷え込み、気温が2℃まで下がる日もあった。また突然降り出す大雨は、ステージを局地的に泥沼化させ、タイヤが滑りやすく、また飛び跳ねた泥がマシンにこびりつき、ときにはラジエターの隙間に入り込み、冷却効果を低下させたりした。そしてアルゼンチンに入ると、今度は気温が45℃と猛暑に見舞われる。乾いた大地のステージでは、先行車の巻き上げる砂塵で視界が確保できなかったり、ベビーパウダーのような砂塵がエンジンルーム、電装系などにも入り込んだり、トラブルが発生するマシンも出てくる。過酷な路面、ときには道なき道を走破するだけでなく、こうした標高差、気温差、泥や砂塵、雨や川渡りなどを乗り越えながらゴールを目指す。だからダカールラリーは、優勝した選手だけでなく、完走した選手すべてが勝者だと言われる。今回57台が完走したが、その約半数である28台がトヨタ車だった。

参戦台数が一番多いハイラックス

1968年に誕生したハイラックスは現在、世界戦略車としてタイ、南アフリカ、アルゼンチンを主な生産拠点として世界中に販売されている。2015年に10年ぶりにフルモデルチェンジをし、ライトピックアック市場のフロントランナーとして世界中ではたらくクルマ、遊べるクルマとして大人気だ。特に南米ではダカールラリーの効果が高く、販売も伸びている。総合優勝を狙うハイラックスはレクサスRC Fのエンジンを搭載し、フレームも専用設計されているが、市販車のフレームをベースに補強をしているだけのマシンも多い。

#302 Giniel De Villiers(南アフリカ)/Dirk Von Zitzewitz(ドイツ)・総合5位
#305 Nani Roma(スペイン)/Alex Haro Bravo(スペイン)・総合4位
#310 Erik Van Loon(オランダ)Wouter Rosegaar(オランダ)・総合14位
#317 Ronan Chabot(フランス)/Gilles Pillot(フランス)・ステージ4リタイア
#320 Conrad Rautenbach(ジンバブエ)/Robert Howie(南アフリカ)・総合9位
#328 Antanas Juknevicius(リトアニア)/Darius Vaiciulis(リトアニア)・総合21位
#330 Alejandro Miguel Yacopini(アルゼンチン)/Daniel Merlo(アルゼンチン)・総合19位
#338 Alberto Rodrigo Gutierrez Fleig(ボリビア)/Joan Rubi(スペイン)・総合16位
#341 Maik Willems(オランダ)/Robert Van Pelt(オランダ)・総合26位
#343 Eduardo Osvaldo Amor(アルゼンチン)/Nicolas Amor(アルゼンチン)・総合50位
#358 He Zhitao(中国)/Kai Zhao(中国)・総合34位
#364 Juan Carlos Vallejo(チリ)/Leonardo Baronio(ペルー)・総合28位
#367 Blas Zapag(パラグアイ)/Enrique Zapag(パラグアイ)・総合38位
#371 Gaston Jose Pasten Infante(アルゼンチン)/Fernando Acosta(アルゼンチン)・総合53位
#379 Roberto Naivirt(アルゼンチン)/Jose Luis Di Palma(アルゼンチン)・総合42位
#380 Sergei Shikhotarov(ロシア)/Oleg Uperenko(ウクライナ)・総合37位
#383 Eduardo Peredo(ボリビア)/Eugenio Arrieta(アルゼンチン)・総合25位
#391 Roberto Recalde(パラグアイ)/Juan Jose Sanchez(パラグアイ)・総合42位

市販車部門連覇のランドクルーザー

市販車部門の参加車のほとんどはランドクルーザー。市販車にロールバー、安全タンクなどレギュレーションで決められた装備をし、多少補強をする程度しか許されない部門なので、市販車の状態で信頼性、耐久性、悪路走破性の高いクルマしか出られない。するとやはり4WDの王者、ランドクルーザー200とランドクルーザープラドが選手たちの相棒として選ばれる。

#327 Christian Lavieille(フランス)/Jean-Pierre Garcin(フランス)・総合23位
#332 三浦昂(日本)/Laurent Lichtleuchter(フランス)・総合24位
#333 Denis Berezovskiy(カザフスタン)/Alexey Nikizhev(カザフスタン)・総合29位
#381 Stefano Marrini(イタリア)/Stefano Rossi(イタリア)・ステージ4リタイア
#331 Xavier Foj(スペイン)/Ignacio Santamaria(アルゼンチン)・総合30位
#370 Dario De Lorenzo(イタリア)/Aldo De Lorenzo(イタリア)・総合31位
#390 Marco Piana(フランス)/Steven Griener(スイス)・総合51位

ほかにもあるトヨタのクルマ

ハイラックスやランドクルーザーが中心のトヨタの参加車だが、なかには日本でも人気のあるFJクルーザーやハイラックスと同じIMVプロジェクトの車種のひとつであるSW4(フォーチュナー)で参戦する選手もいる。

#389 Orlando Careaga(ボリビア)/Enzo Cordano Yupanqui(チリ)・総合48位
#348 Fernando Ferrand Malatesta(ペルー)/Fernando Ferrand Del Busto(ペルー)・総合32位
#346 Alicia Reina(アルゼンチン)/Carlos Dante Pelayo(アルゼンチン)・総合40位

世界一過酷なラリーと呼ばれるダカールラリーに挑むトヨタのクルマたち。こうして道に鍛えられて強くなり、他の追随を許さず世界中の信頼を勝ち得ている。

(テキスト・写真/寺田昌弘)

[ガズー編集部]

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