モトクロスコースをランクル、C-HRで走る、宮城トヨタの「4駆祭り」

ランドクルーザーやFJクルーザーなど4WD車を買ったら、やはりオフロードを走ってみたい。そんなオーナーの思いをかなえるために、宮城トヨタグループが毎年開催している「4駆祭り」が、5月21日(日)に開催された。場所はふだんクルマで走ることができないスポーツランドSUGOのインターナショナルモトクロスコース。全日本モトクロス選手権も開催される広大なオフロードコースでランドクルーザーやFJクルーザーを自分で運転したり、プロドライバーの同乗体験をしたりと砂塵を巻き上げ大いに楽しんだ。

社員が助手席からおもてなし

宮城トヨタグループは、年に2回、お客様向けのイベントをスポーツランドSUGOで開催している。ひとつはSUPERGTも開催されるインターナショナルレーシングコースを中心に、TRD、TOMS、SARDなどチューニングカーのデモ走行やドリフト観戦、そして愛車でサーキット走行ができる「モーターフェスティバル」、もうひとつがこの「4駆祭り」だ。どちらもお客様が愛車でサーキットやモトクロスコースを走れるとあって、地元で大人気のイベントだ。そして宮城トヨタグループの社員が、企画から運営まで行う。今回も「4駆祭り」も約60名の社員がスタッフとしてお客様をアテンドする。

ランドクルーザープラドやFJクルーザーそしてランドクルーザー70の試乗車。来場者は好きなクルマを予約し、自分で運転できる
宮城トヨタグループのお客様イベントなので、来場者が限られとてもゆとりがあるが、それでも予約開始時間になるとお目当ての試乗車、プロドライバー同乗を選ぶために行列に
若手を中心にイベントスタッフとして活躍する宮城トヨタグループの社員

オフロード走行体験は3タイプあり、まず普段はオンロードしか走らないディーラーの試乗車であるランドクルーザープラド、ランドクルーザー70、FJクルーザーが、このオフロードコースでお客様が運転できるもの。ふだんの試乗では決して体験できない本格オフロードを気になるクルマで実際走れるのがすごい。次に愛車でオフロードを楽しめるタイプ。ご自身のランドクルーザーやFJクルーザーがどれくらいの走破性があるか試せるので貴重な体験ができる。さらにダカールラリーやアジアクロスカントリーラリーなど、海外ラリーに参戦しているプロドライバーがドライブする同乗体験がある。お客様は時間が許す限りすべてを体験することができる贅沢なイベントだ。

愛車でオフロードを走行するために移動する。純正車両からカスタムしたものまでいろいろなクルマが集まった
モトクロスコースを2つに分割し、奥のほうが愛車や試乗車で走れるコース。手前のFJクルーザーが走っているほうがプロドライバー同乗体験のコース

ディーラー試乗車の走行体験には、ランドクルーザープラド、FJクルーザーと現在販売しているクルマはもちろん、すでに期間限定販売を終了しているランドクルーザー70まで5ドアバンとダブルキャブピックアップの2タイプとも用意された。これは一度はランドクルーザー70を運転してみたいというお客様の夢をかなえるため。粋なおもてなしだ。

社員スタッフの誘導で安心して走れる
コース内にも社員スタッフが多く配置され、より安全性を考えている。当日は天気もよく炎天下のなか、社員スタッフはお客様のために頑張った

体験者の多くは、ランドクルーザープラドやFJクルーザーに興味のある方はもちろんだが、なかにはすでにこれらのクルマを所有しているが、まだ愛車でオフロードを走ったことがないので、まず社員インストラクターに同乗してもらい、レクチャーをしてもらいながら試乗車で走る方もいた。社員インストラクターは、愛車がランドクルーザーやFJクルーザーで普段からオフロードを走り慣れた方ばかりなのでオフロード初心者でも安心。試乗しながらクルマについて質問できるのもお客様にとっては都合がいい。

見通しのきかない登り坂も先行車を確認しながら安全に誘導する。お客様も安心して走れる
憧れのランドクルーザー70、しかもピックアップに乗り、大満足のお客様

愛車のランドクルーザーなどで走る方々は、純正仕様のままでもボディーを擦るような箇所がないコースでレイアウトされているので安心して走れる。サスペンションをよりオフロード走行を想定したタイプに交換していたり、MTタイヤを装着しているかたにも、コースは好評だった。なによりふだんクルマで走れないモトクロスコースを走れるだけでも大喜びだ。

昼休みは社員が試乗車に乗って自由にコースを走れる時間もあった。こうしてクルマの理解度を実際走りながら上げていく
ひとしきり走ったら洗車。こちらも社員が1台ずつ丁寧に泥を落としていた。オフロードを走るとなおさらクルマの愛着が湧く

プロドライバー同乗体験は遊園地のよう

ダカールラリーの市販車部門で過去6度の優勝経験を持つ三橋淳選手は、ランドクルーザープラドをドライブ。やはりチャンピオンドライバーの走りをぜひ体験してみたいとお客様も興奮ぎみに乗車する。走り始めからアクセルできれいにタイヤを滑らせながら、コーナーを曲がり、バンクではまるでプラドでサーフィンをしているかのような走りをみせる。壁のように切り立って見える長い登り坂を駆け上がるとそのまま加速しながら急な下り坂を走る。その様はまさしく遊園地の絶叫マシンのようだ。

ダカールラリードライバーの走り。市販車でここまでやっても問題ないのは、ランドクルーザープラドの堅牢性はもちろんだが、三橋選手のドライビングのうまさによるものだ
砂塵を巻き上げながら走るランドクルーザープラド

クルマは競技車両ではなく、サスペンションを替えただけの純正仕様だが、それだけ走っていてももちろんクルマの特性を把握しているので下回りやボディーをヒットすることはない。まさしくプロのドライビングだ。三橋選手はさらに今年のオートサロンで宮城トヨタが出展していたC-HRを今回初めてオフロード走行してくれた。軽量ボディーと低回転からトルクが出て小気味よく回るダウンサイズターボを活かし、ドリフトやスライド走行を披露した。

C-HRのデモカーでダート走行。ニュルブルクリンク24時間レースを走ったC-HRもかっこよかったが、オフロードも似合う
C-HRのデモ走行を終えた三橋選手(右)「車両が軽くてドライビングしやすい」ととても気に入っていた

そして私はランドクルーザー200を担当させていただいた。ダカールラリーでは、三橋選手とともにランドクルーザー200で参戦していたが、今回はオフロードを一度も走らせたことがないカスタム展示車。丁寧にドライビングしながらも、コーナーでは大排気量エンジンならではのビッグパワーを活かしてリヤを滑らせ、大きなボディーサイズを感じさせない軽快な走りにお客様も驚いてくれた。

30度はある斜面をゆっくり走るランドクルーザー200。車内では「おぉ!」「大丈夫ですか?倒れませんか?」と。クルマはこれくらいでは倒れないが、その代わり車内でしゃべり倒す私

さらに小回りの利くターンアシストや、タイヤが浮いてもモーグルを走破できるマルチテレーンセレクトを走りながら機能説明をさせていただいた。すでにランドクルーザー200のオーナーである方が同乗していただくことが多く、ご自身のクルマにもこれらの機能は装備しているが、その操作方法や使い方がとてもよくわかったと喜んでいただけた。

ランドクルーザー200で走ると車内は笑顔で大盛り上がり
左リヤタイヤと右フロントタイヤが地面から浮いているモーグルで、マルチテレーンセレクトのおかげで走破できることを解説しながら走る

ご家族で同乗された場合は、お子さん向けにアミューズメントパークのキャストのように、車内でずっとしゃべりながら盛り上げ、お子さんたちも大笑いしてくれた。

オフロードを走ると笑顔になる、瞳が輝く

昨年からアジアクロスカントリーラリーにハイラックスで参戦している能戸知徳選手は、自身の乗るハイラックスのラリー仕様車を展示し、FJクルーザーのステアリングを握った。国内ラリー選手権にも参戦する能戸選手は、フラットダートも得意だが、アジアの細く曲がりくねったルートも得意なのでモトクロスコースを軽快に走る。

左フロントタイヤが浮いても安定して走るFJクルーザー

FJクルーザーはワイドトレッドで重心が低く、独創的なスタイリングはもちろんオフロードを遊ぶには最適なクルマの1台だ。こうしてクルマに乗りながら、車内が笑顔、笑い声で溢れ、その悪路走破性の高さに驚いてもらえるのは、ランドクルーザー、FJクルーザーならではだ。

能戸選手のFJクルーザーに乗り込み記念写真。これからシートベルトをして足を踏ん張って準備OK
壁のように見える約50mの急坂を駆け上がる。FJクルーザーが壁に張り付いているようだ

最後はビンゴ大会で盛り上がる

試乗の発着場には、協力会社によるカスタム相談会を開催していた。ヨコハマタイヤ、JAOS、4×4エンジニアリング、ガナドール、リミテッドチトセ、トラスト、デンソー、トヨタ部品宮城共販などが、ランドクルーザーやFJクルーザーに合う用品やデモカーを展示。

今年のアジアクロスカントリーラリーに参戦するハイラックスを展示するJAOS
協力会社によるカスタム相談会場

そして最後にお客様だけでなく宮城トヨタ社員、協力会社も含む全員参加でビンゴ大会を実施した。トヨタ店ならではのレアな非売品ノベルティーグッズが賞品とあって、お子さんだけでなく大人も大いに盛り上がった。

ビンゴ大会でも社員が進行に加わりトークも交えて盛り上げる
ビンゴになった子供たちはどんな景品がもらえるか、そわそわしたり、わくわくしたり

宮城トヨタグループは、ランドクルーザーやFJクルーザーなどに乗っているお客様に、愛車のオフロードでの走破性の高さなど、普段では体験できないようなことを体験していただき、もっとクルマを好きになってもらおう、そして何より愛車にもっと愛着をもっていただこうと、お客様本位のイベントを社員一丸となって行っていた。今回で5回目となる「4駆祭り」。試乗を終えて、お客様がクルマから次々笑顔で降りてくるのを見て、その思いが届いていたのを実感したイベントだった。

炎天下のなかアウトドアで1日スタッフとして頑張った宮城トヨタグループのみなさん

(写真:茅原田哲郎・新飼 亮也)
(テキスト:寺田昌弘)

MORIZO on the Road