愛車のプラドをカスタムしてみました
ランドクルーザープラドが相棒になって、都内で走っていてもまだ同じプラドとすれ違うこともないです。グローバルカーであるプラドは、ロシアやヨーロッパ、オーストラリア、南アフリカ、中近東など各国へ輸出するため、世界中で人気があり、国内では注文してから工場を出荷するまで2,3ヶ月待ち(12月14日現在)の状態です。
街中で乗っていると、信号が青に変わってからの発進加速が、低回転からしっかりトルクが出て、6速ATの3速まで車両重量を感じさせない加速感が気に入っています。また高速道路では13km/リットルと燃費も満足のいくレベルです。ただこれから日本でもよく見かけるようになると思うと、少しはスタイリングを変えてみたくなります。さらにオフロードを走ることも考えると、タイヤも替えたい。そこで今回は、少しカスタムしてみました。
カスタムは車両購入時から始まっている
ディーラーで装備など選びながら見積りをしていたとき、カタログではわからなかったのですが、いくつか選択肢があることに気づきました。(トヨタのホームページの見積りシミュレーションはとてもわかりやすい)ボディカラーを選び、インテリアもニュートラルベージュ本革がイメージカラーで車内も明るく見えますが、汚れたまま乗ることなどを考えて、私は目立たないブラック本革にしました。ハリアーハイブリッドもブラックにしてとてもよかったからです。チルト&スライド電動ムーンルーフ(挟み込み防止機能付)は担当者がリセールの可能性があれば必ずつけたほうがいいということで素直に選びました。
そしてルーフレールは、メーカーのまま選べばブラックですが、ディーラーで選択すればシルバーが選べます。(10,800円プラス)ボディカラーがブラック系であれば、ブラックのままがいいと思うのですが、私はホワイトパールクリスタルサンシャインなので、明るいシルバーにしました。シルバーメタリックやスーパーホワイトⅡなど明るいボディカラーを選ばれるかたにもおすすめです。
- ノーマル状態のプラド。ルーフレールはシルバーを選択。目立たなくていい感じです
まずはタイヤ&ホイールを替えてみる
オフロードを多く走るわけでなく、舗装路を走るのが圧倒的に多いので、乗り心地のよさと静粛性は重要。だからMTタイヤでなくATタイヤから選びます。2.8Lディーゼル車であればアクティブトラクションコントロールが標準装備されているので、たいていのオフロードでも走破できます。そこで選んだのは<BFGoodrich All-Terrain T/A KO2>。私がチームランドクルーザー トヨタオートボデーのドライバーとしてダカールラリーを走っていたとき、タイヤはBFGoodrichで、絶大なる信頼をしているからです。このタイヤはBAJA1000をはじめ、オフロードレースに実際使われていて、その実績がタイヤ作りにフィードバックされ、着実にアップデートしています。
- 左の純正ホイール&タイヤに選べ、偏平率を少し高くしたので、タイヤ高さがこれだけ変わる。ショルダーからサイドにかけてプロテクターのような形状が頼もしい
タイヤで致命的となるのがサイドウォールを切ってしまうことです。オフロードでは尖った岩や突き出た枝など、パターン部で踏めば、パンクする確率は低いですが、ショルダー部に当たると切れてパンクしやすいです。だから特にショルダー部からサイドウォールにかけ、ラバーの厚みがあり、保護してくれているので安心感があります。もちろん尖った岩や枝だけでなく、一般道でも路肩の段差にサイドを擦ったりしても安心です。また岩や泥ねい路を走るときは、空気圧を下げて接地面を増やすと、このショルダーからサイドにかけて接地し、トラクションしやすくなるサイド・バイター・ラグがあります。ATタイヤでありながらMTタイヤに近い性能を持っているところが魅力です。そしてパターンを見ると標準タイヤよりオフロード寄りですが、思ったより接地面が多く、接地圧のバランスがいいので乗り心地がいいです。一昔前までBFGoodrichといえば耐久性が高いかわりに、コンパウンドが硬く、乗り心地もごつごつしたイメージを持っているかたもいると思います。しかしこのタイヤはコンパウンドも適度に柔らかく感じ、それが乗り心地や走行安定性のよさに貢献しています。パターンノイズは、標準タイヤより多少増えますが、ウインドウを閉めていたら、まったく気になりません。これはプラドの遮音性の高さが光ります。
- ENKEI独自の最新リム成形テクノロジー「マットプロセス」で製造されるホイール。ディスクデザインの自由度が高い鋳造でありながらリム部を鍛造成形に用いられるスピニング製法を応用し、軽量・高強度・高剛性を高次元で達成しています。重量は約10kg(JWL-T規格)と、このサイズとして軽量です
そしてホイール。デザインも大切ですが、それが放熱性や排土性の高さからくる機能美であることが私にとっては重要です。それとタイヤのビードとリムの食いつきのよさ。一見タイヤとホイールは空気圧によって内側から押され接合されている感じですが、実際にはリムの内側の形状や角度によってビードの接合面との食いつきが異なります。ダカールラリーでは、砂丘ステージを走る直前に空気圧を落としますが、採用していたENKEI製ホイールが、このビードとリムの接合まで緻密に考えられていたので、リム落ちせず助けられたことが何度もあります。そこでENKEI製ホイールを探しました。
- 誇らしげに入るENKEI。もちろんメイド・イン・ジャパン
サイズはインチアップするとタイヤの偏平率が低くなり、オンロードではダイレクト感があっていいのかもしれませんが、やはり私はオフロードでの走破性も重視したいので、ホイールサイズは17インチのままで偏平率をワンサイズ高めて265/70R17にしました。さらに国際ラリーなど、過酷な条件下で使われている実績があるホイールを探すと、JAOSに「トライブ クロウ」がありました。JAOSは4WD車を中心にホイール、サスペンション、エアロパーツなどを開発製造、OEM事業を国内だけでなく海外でも展開するメーカーです。今年タイで開催されたアジアクロスカントリーラリーにトヨタ・ハイラックスでTeamJAOSとして参戦し、そのマシンが履いていたのがこのホイールです。ENKEIとコラボレーションして製造されたホイールで、私の希望に最もマッチしました。こちらはTRDからも購入できます。
- こだわって選んだパーツの脱着、取り付けは、長年お世話になっている「キャナス」にお願いしました。オーナーの三角さんは、私と一緒にサハラ砂漠でのボランティア活動に行って、現地の人々にランドクルーザーの整備指導をしたり、2001年にプリウスで世界初となるサハラ砂漠を縦断したときのチーフメカニックを務めてもらった、私が最も信頼しているメカニックです
さて、タイヤとホイール交換でどのように全体の印象が変わったのか、写真で見比べてみてください。
- ノーマル状態
- タイヤ&ホイール交換後。足元が引き締まったスタイルに
- ホイール&タイヤ交換でここまで押し出し感が出る
リヤビューの質感を上げるマフラー
プラドは、海外では未舗装路で使われる機会が多いので、質実剛健なスタイリングで華美なパーツは装着していません。そのコストがあれば、機能性を高めるパーツを装着すると思います。マフラーはパイプ状で存在感はなく、仮に岩などにぶつけ曲げてしまっても叩いて排気の流れを確保できればいいのだと思います。しかしリヤビューにもう少し質感を持たせたかったので、マフラーを交換しました。高級セダンやスポーツカーの多くは、テールエンドが磨き上げたステンレス製なので、プラドにもその質感を持たせたくTRDの「ハイレスポンスマフラーVer.S」を装着しました。
- TRDのロングセラー製品「ハイレスポンスマフラーVer.S」もちろんプラド以外にもラインナップ
もちろん新規制対応商品(性能等確認済表示付)で、車検対応。サウンドは特に大きな変化はなく、アクセルを踏み込んで回転数が上がっていくときに重低音が少し聞こえるかなといった感じです。何より丁寧に溶接され、きれいに磨き上げられたステンレスマフラーが、リヤビューの質感をぐっと上げてくれて満足です。またエンド部が15°にスラッシュしているので、垂直にカットされているよりオフロードでのデパーチャーアングルが有利です。
- 上/TRD「ハイレスポンスマフラーVer.S」 下/純正
- マフラーのレイアウト。リヤからメンバー、ホーシングを越えたあたりから交換する
- ノーマル状態
- マフラー交換後。上質さがアップ
- 存在感のあるマフラー
こうしてさりげなくスタイリングを変えてみましたが、いかがでしょうか?プラド本来の持つラギッド感が増した感じで私は満足しています。
- 装着後 前から
- 装着後 後ろから
- 今回装着した<BFGoodrich All-Terrain T/A KO2>(サイズ:265/70R17)、<JAOS トライブクロウ>色:ガンメタリック・ホイールサイズ:17×7.5J、<TRDハイレスポンスマフラーVer.S>
外した純正ホイールには、スタッドレスタイヤと組み合わせてスノーシーズンの準備をして、純正マフラーは予備パーツとして保管します。早く雪道でプラドの安定した走りを体感したいのですが、その前にダカールラリー取材のため、真夏の南半球、ペルー、ボリビアそしてアルゼンチンへ行ってきます。
(テキスト・写真:寺田 昌弘)
(取材協力:株式会社キャナス)
ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。
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