スープラ オーナーズ クラブの全国ミーティングに『新型スープラ』で行ってみた!
17年ぶりに復活し、世界的に大注目の“トヨタ・スープラ”。先日、ドイツの自動車メディアを中心に自動車評論家や読者投票によって決まるアワード「ゴールデンステアリング賞」のスポーツカー部門を、ポルシェやBMWをおさえて受賞しました。
盛り上がっているのは、今だけにあらず、歴代のスープラに乗るオーナーたちも熱いです!11月4日にスープラ オーナーズ クラブ(SOC)による全国ミーティングが、静岡県裾野市で開催されました。そこで取材に行こうと、“新型スープラ”に乗って向かいました。“70”、“80スープラ”のオーナーは、この“90スープラ”をどう見ているのかも聞いてみたかったからです。
前日、辰巳PAで人に囲まれる!?
先月スポーツランドSUGOで、“直列6気筒3リッターのRZ”、“直列4気筒2リッターのSZ-R” ともに、試乗する機会があり、そのバランスのよさ、何より走りたくなる気持ちをたかぶらせてくれるパッケージに驚きました。
リヤタイヤのトラクションの状態が、しっかりシートからお尻に伝わってくるので、コーナー立ち上がりでステアリングをインに切ったまま、少しラフにアクセルを踏んで、リヤが滑り出してもまったく不安がない。
今回は“SZ-R”をイベントの2日前からお借りしていたので、せっかくだから首都高速でもと走ってみました。ウエイトバランスがいいので、フロントが軽く感じられ回頭性がとてもよく、スポーツカーに乗り慣れていない私でもイメージ通りのラインを描けます。
そして、タイヤ温度をチェックしてみようと辰巳PAに入っていくと、マクラーレンやフェラーリ、ポルシェ、GT-Rなど十数台のスポーツカーが停まっているのが見えたので、通り過ぎて奥のほうに停めました。するとそれらのスポーツカーのそばにいた方々が、皆こちらにやってきて「もっとそばに停めてくださいよ。同じスポーツカーなんですから。見させていただいていいですか?」と。
いやいや、そんな数千万円のクルマの横になんて…と謙遜して伝えると「スープラにすごい興味があるんですけど、実車をまだ見たことがなくて」と。そこでクルマ談義をし始めると「リヤのダックテールがたまらないほどセクシーですね」「コンパクトながら前モデルをしっかりオマージュしているところが伝わってくるデザインがいい」。
そして、ボンネットを開けてほしいと言われたので開けてみると、みな一斉に「かなり奥に低くエンジンを置いているんですね!これはすごい気持ちよく走りそう」とさすがスポーツカーに乗り慣れている方々だけに見るところが的確です。
当日午前4時に東京の自宅を出て東名高速へ。やはり1,550rpmから最大トルクの400N・mが出るので、アクセルを少し踏み込むだけで追い越しも楽です。120km走って驚いたのは燃費。モニターで確認すると14km/L。これには驚きました。
- スープラで首都高を走る。やはりスポーツカーは一体になって走る感覚が気持ちいい
- アストンマーティンやフェラーリのオーナーは、リヤフェンダーからダックテールがなんとも色っぽいと言う
200台を超えるスープラが並ぶ光景は圧巻
当初は、10月13日に予定されていた全国ミーティングでしたが、台風の影響で延期になりました。300台を超えるスープラが集まる予定でしたが、これを来年まで延期したくないと代表の延命さんが会場と交渉し、11月4日に再度イベントを立ち上げました。
そのタイトルは、『今度こそ!SOC全国ミーティング2019』。開催日まで日がなく、それでも少しでもスープラオーナーが集まれればとの思いで当日を迎えました。すると北は北海道から西は長崎まで、軽く片道1,000kmを超える場所からやってきたオーナーもいました。
その台数は200台を超え、並木道に並べられた“70スープラ”、“80スープラ”は、往年の名車らしく威風堂々としてカッコいい!数台のスープラはすでに【極上ノーマル車も現存!「スープラ全国オフ2019」でオーナーインタビュー ~70スープラ編~】【こだわりの6連スロットル仕様も!「スープラ全国オフ2019」でオーナーインタビュー ~80スープラ編~】でも、紹介させていただいているのでご覧ください。
オリジナルのコンディションを保っているスープラもあれば、“80スープラ”は特にチューニングを施しているのが多い。参加オーナーは、ほかのスープラを見ながら、どのようにチューニングしているんだろうと興味津々。
普段はSNSでのつながりだから、こうしてお互いの愛車とともにリアルで会って話せるのが、ミーティングならではの醍醐味です。そして” 70スープラ“、“80スープラ”それぞれスープラオーナーが選ぶドレスアップコンテストが行われ、みなさん納得のこだわりのスープラが選ばれました。
- ミーティング会場に到着
- スープラオーナーズクラブの各支部の代表の挨拶
- 参加者で記念撮影
- 限定カラー、“マット・ストームグレーメタリック”のRZも展示
- いろんなスープラを観て、まわるオーナーたち
- 『70スープラ』
- 『80スープラ』
- 『70』と『90』をくらべると、ボンネットのスタイリングを引き継いでいる感じがする
- 『80』と『90』を比べると、フロントマスクをうまく引き継いでいると感じる
- スポーツカーならではカラフルなカラーも似合う『70』、『80』。
スープラオーナーによる“新型スープラ”の感想は
会場には、私が乗っていった、プロミネンスレッドのSZ-Rだけでなく、なんと限定カラー、マット・ストームグレーメタリックのRZ、そしてブラックメタリックのSZ-Rと3台の“新型スープラ”が展示されました。
最初こそBMWとの協業だから、インテリアが欧州車っぽいと言う声がありましたが、そんなオーナーもドライバーズシートに座ると、みな笑顔に。スープラオーナーはやはり本物のスポーツカーを知っていて、“新型スープラ”はまさしく現代に蘇ったスープラのコックピットだと喜んでいました。
また、ほとんどのオーナーが気に入っていたのがリヤフェンダーのライン。“80スープラ”の雰囲気がありながら正当進化したスタイリングを褒めていました。生産しているマグナ・シュタイヤーではBMW Z4はもちろん、メルセデス・ベンツGクラス、プジョーRCZ、MINIなど様々なクルマを生産しています。
もちろん、機密でメーカー間の情報は洩れませんが、マグナ・シュタイヤーではヘビーデューティの4WDからスポーツカーまでの生産ノウハウを持っている独創的な工場ですので、いいクルマ作りに長けているのだと思います。エンジンをかけ、アクセルを踏んだ時の、乾いたエキゾーストノートも好評でしたが、アクセルをオフにした時のアフターファイア音に一同、「おぉーっ!」と。なかにはこの音だけ自分の“80スープラ”に欲しいというオーナーも。
イベントにはご夫婦で参加されているオーナーも多く、奥さま方にお話を伺うと、「今乗っているスープラにかけたお金を考えたら、RZを簡単に買える額ですね。この落ち着いた大人のスープラに乗ってみたいです」と。
ただ、さらにお話しすると、付き合っていたときから、スープラでドライブに行くなど、二人の思い出がたくさん詰まっているので、現在、所有する“80スープラ”はそのままに、“新型スープラ”は増車で考えたいとのこと。一緒に走った距離だけ思い出が増え、乗るたびにまた蘇る。クルマへの愛着は、その造形だけでなく、思い出も加えて膨らんでいきます。
- “新型スープラ”を展示
- やはり“3リッター直列6気筒”のRZ は人気
- エンジンレイアウトを観ながら、ボディ剛性の高さの理由を知る
- バックミラーからリヤフェンダー
- 「GRヘリテージパーツ・プロジェクト」の調査の一環で、『70』、『80』スープラオーナーの現状や希望を伺う
ドリフトもスープラ祭り!“90スープラ”が初優勝。“80スープラ”がD1ライツで走る
全国ミーティングと同じ週末、大分のオートポリスでは、D1グランプリが開催され、今シーズンからデビューした“新型スープラ”がついに単走優勝し、九州でもスープラが盛り上がっていました。
さらにD1直下のD1ライツには、“80スープラ”が参戦。ドライバーは、私が「トヨタモビリティ東京・GR TOKYO Racing」でコンビを組んでラリーに参戦している塚本奈々美さん。D1トップドライバーの日比野哲也選手の協力のもと、近い将来、最高峰であるD1グランプリにこの“80”とともにステップアップし、“90スープラ”との追走を観てみたいです。
- 『80スープラ』の豪快な走り。D1グランプリで『80』と『90』の追走が観られる日が待ちどおしい
ブランド誕生から40年以上が過ぎ、17年ぶりに誕生した“新型スープラ”のおかげで、スポーツカーがまた盛り上がってきました。また“新型スープラ”はe-Motorsportsで「GR Supra GT Cup」を世界的に展開し、リアルでは“GT4”を発表しました。
市販車はイヤーモデルでアップデートしていくし、GRMNもやがて出るのではという噂も広がっています。これからも話題に事欠かないスープラですが、これも今回全国から集まった、長年スープラを愛してやまないオーナーのおかげだと、ミーティングに参加して感じました。
- 『70』、『80』スープラが、そのブランドを継承してくれる“新型スープラ”の誕生を喜んでくれているかのよう
(写真:寺田昌弘/ テキスト:寺田昌弘)
ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。
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