ビブグルマンに選ばれたオーナーシェフが選んだのはハイラックス
東京の下町・深川でここ数年、特に注目されている清澄白河。西は都内でも稀有な池を中心に築山や名石を眺められる清澄庭園、東は絵画や彫刻だけでなくファション、デザインまで展示する東京都現代美術館という、古きを守り、新しきを発信する文化溢れる街。
アメリカからブルーボトルコーヒー、ニュージーランドからオールプレス・エスプレッソ、そして地元アライズ コーヒーロースターなどロースタリーのあるカフェが有名ですが、その閑静な住宅街に「O2」の柔らかなネオンサインが光る中国料理店があります。
その店先にトヨタ・ハイラックスが停まっていました。聞けばオーナーシェフの大津光太郎さんの愛車とのこと。なぜハイラックスを選んだのか、ライフスタイルも気になりお店でお話を伺いました。
- ハイラックスの特別仕様車 Z"Black Rally Edition"
小学生から料理をして、好きなものは探究する
元々この深川で生まれ育ち、白球を追いかける野球少年だった大津さん。私も代々深川生まれ、深川育ちで同じ野球少年で、話をしていたらなんと大津さんは同じ中学の野球部の遠い後輩だったことが判明しました。大津さんは野球推薦で高校進学し、県大会ベスト8まで勝ち上がっていました。長身ですらっとした体型なのでピッチャーかなと伺ったら、
「キャッチャーでした。当時は90kgぐらいありましたから」
今では想像もつかない感じ。よほど食べることが好きだったのかなと。それで食べるだけでなく、作ることも好きになったのかなと。
「実は小学5年のときに母が他界し、自宅で料理せざるを得ないことがあって。必要に迫られて作り始めた料理も、家族においしいって喜んでもらえると、子供心ながらとてもうれしくて」
もっとおいしく作るにはどうしたらいいのだろうと料理をしているうちに興味が湧き、高校卒業後、調理師専門学校へ。当初はフランス料理に興味があり、卒業後はその道を進もうと日々実習を重ねていた。
「講師に脇屋友詞シェフが来てくださったとき、もちろん中華を教わったんですが、元々中華料理は食べるのが好きだったから、この道へ進もうと決めました」
脇屋シェフといえば、中国料理が大皿の一緒盛でサーブされるのが当たり前だった時代に、フランス料理のようにお客様ひとりひとりにサーブする「モダンチャイニーズ」という新たな中国料理を確立したシェフ。上海料理の伝統を軸に繊細で体にやさしい中国料理を作り、「トゥーランドット游仙境」「Wakiya一笑美茶樓(いちえみちゃろう)」など4店舗のオーナーシェフを務めています。大津さんは卒業後、脇屋シェフの門を叩き、中国料理の道へ進みます。約15年、脇屋シェフのもとで活躍し独立。1年間の準備をして、2018年に地元で「O2(オーツー)」をオープンした。
「自分がおいしいと思う料理をゆっくり楽しんでいただける空間ができました」
- こじんまりとしながらも吹き抜けで居心地のよい「O2」
- カウンター6席、テーブル8席。シェフの目と気持ちが届くすばらしい空間
- オーナーシェフの大津光太郎さん
- オープンキッチンで料理しているのが、香りを感じながら眺められるカウンター席
清澄白河駅から決して近くなく、目立たぬ裏通りにお店があるのですが、オープンから連日満席が続き大盛況。みな大津さんの作る料理が食べたくて、やってきます。
「O2」の料理は一皿ずつがとても繊細な味で、一皿ずつ食べていくごとに次の料理がもっと楽しみになり、すべて食べ終わる頃に食欲も味覚も、そして心も満たされる料理にストーリーがあります。
その料理の評判は、ミシュランガイド2020のビブグルマン(価格以上のおいしい料理を提供する店)に選ばれ、さらにミシュランガイドと並ぶフランスの革新派美食ガイド「ゴ・エ・ミヨ(Gault et Millau)2020」でもPOP(料理やスタイル、店の雰囲気など、特に美点のある店)に選ばれるなど、日本はもとより世界の美食家の舌をうならせています。
- 一品ずつやさしくも真剣な眼差しで料理する大津さん
圧倒的な個性が気に入ったハイラックス
そんな大津さんが選んだクルマは、ハイラックスの特別仕様車 Z "Black Rally Edition"
カラーはアティチュードブラックマイカ。
元々海外メーカーのSUVに乗っていましたが、高速道路を走っていたらいきない白煙を吐いて停まってしまったそうで、いわば焦げた料理のようで目も当てられなかった。そこで次のクルマを探すことに。
「あまり人が乗っていなそうな、圧倒的な個性を押し出しているクルマが欲しかったんです。あとトライアスロンをやっているので、自転車とか装備を気軽に載せていける感じで」
30代になり、元々ダイエット目的で始めましたが、昨年は2019世界トライアスロンシリーズ横浜大会のスタンダードクラスに出場し、1,200人以上エントリーするなか、総合227位で見事完走。料理でもスポーツでもほどよくリラックスしながら真剣に向き合い、結果を出す。これも大津さんのこだわりのようだ。
ハイラックスは3月に納車されたばかりで、まだ距離は乗っていませんが、スタイルには早くもこだわりが。TRDのサイドステップとフォグランプベゼルを装着している。
「ブラックにさりげなくレッドの差し色が入るとかっこいいですね」
さりげなくひと手間かけるあたりがお洒落。
"Black Rally Edition"の専用ホイールのデザインは気に入っていて、あとはトノカバーやデッキバーを考えているとか。
「ふだんは一人二人でしか乗らなくて、デッキに重い荷物も載せないから、もう少し柔らかな乗り心地にしたいし、レザーシートがあったらいいですね」
- TRDのフォグランプベゼル。マットブラックの中にレッドの差し色がかっこいい
- TRDのサイドステップ。スチールとアルミで構成され、乗降性を向上
- 純正用品のベッドライナーを装着。これで気軽に荷物を載せられる
オーストラリア、アフリカ、南米、中東そしてアジアなど様々な大陸の荒れたオフロードで鍛えられ、信頼性、耐久性、悪路走破性の高さが世界で認められているハイラックス。
大津さんは、大陸料理である中国料理を、繊細な味まで知る舌の肥えた都会の方々にも合うように作り上げたように、このグローバルスタンダードモデルである、いわば大陸料理的なハイラックスを都会でも合うように仕上げてくるでしょう。
これからハイラックスをどう料理してくれるか、とても楽しみです。
- これから大津さんとハイラックスのストーリーが始まる
- 新型コロナウイルスの影響で東京都の要請を受け、現在テイクアウトのみ。手軽にO2の料理が楽しめ、日によってメニューが変わるものもあり、あまりのおいしさに私は週に2回テイクアウトしました。みなさんもぜひ。
(写真:nacasa&partners、O2、寺田昌弘 文:寺田昌弘)
O2(オーツー) https://o2otsu.wixsite.com/o2info
ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。
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